目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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143.刀鍛冶の里

 隠の人に教えられた道のりを歩き、たどり着いたのは里の中でもかなり厳重に守られている場所。

 獪岳と一緒にそこに向かってみれば、要件を聞かれたため、刀が折れてしまったことを、鋼鐵塚さんに直接伝えにきたことや、それならばとお館様から里に向かう許可をいただいたことを伝えれば、すぐにそこの人たちは、屋敷の中に通してくれた。

 

 そして、案内されるままに奥座敷の方へと迎えば、そこには原作にも出ていた小柄な里長、鉄地河原鉄珍殿が座っていた。

 

「どうもコンニチハ。ワシ、鉄地河原鉄珍。よろぴく。里で一番小さくって一番偉いのワシ。まあ、畳におでこつくくらいに頭下げたってや。」

 

「お初にお目にかかります。鬼殺隊・甲。竈門優緋と申します。一緒にいるのは獪岳と言いまして、丙の隊士です。」

 

 ・・・・・・この時代にヨロピクなんて言葉あったっけ?と疑問符を頭上に浮かべながらも、その場で深く頭を下げる。

 流石に原作炭治郎のように勢いよく頭を下げると言うのはどうも抵抗があったため、とりあえず、自分ができる精一杯の丁寧さを以て。

 

 私が頭を下げたからか、獪岳もすぐにその場で深々と頭を下げる。

 うん。獪岳は目上の人に対して変な態度を取ることは滅多にないから、そこら辺は安心できるな。

 

「あらまあ、丁寧でお淑やかな娘さんやなあ。男の子の方もええ子やね。おいで、かりんとうをあげよう。」

 

「ありがとうございます、鉄珍様。お言葉に甘えていただきますね。獪岳も、少しだけもらう?」

 

「ああ。・・・・・・ありがとうございます、鉄珍様。」

 

 原作通りかりんとうくれたんだけどこの人・・・・・・と思いながらも、私はお皿に盛られていたかりんとうを必要個数手のひらの上に乗せて獪岳の元に戻る。

 獪岳自身、私が必要個数だけもらって、自分にも分けようとしていることに気づいていたようで、手のひらに乗せたかりんとうを少しずつ食べ始めた。

 

「わざわざ蛍に謝りに来るなんて、お嬢さんも律儀やね。一応、蛍がどこにおるかは知っとるし、すぐに案内してあげたいところなんやけど、刀が折れた話を聞いて、少し引きこもってしもてなぁ。

 なんとか顔を出すように声はかけてるけど、なかなか機嫌が治らんもんで、堪忍してな。」

 

 原作では刀の破壊、刀の紛失、刀の刃こぼれとトリプルパンチを喰らってしまった結果、行方不明になる鋼鐵塚さんの図が出来上がっていたが、どうやらこちらの場合、ずっと刃こぼれや欠損を行っていなかったのに、とうとう折ってしまったせいで、拗ねてしまったと言う流れになっているらしい。

 なるほど、まさかそのような話になってくるとは思いもよらなかったが、どっちみちかなりの長期間、刀を手にすることができないのは確定していたらしい。

 

「蛍・・・・・・とは、鋼鐵塚さんのお名前・・・・・・でしょうか?」

 

「そうや。鋼鐵塚蛍。それがあの子の名前でな。」

 

「蛍ですか・・・・・・とても綺麗なお名前ですね。」

 

「ワシが名付け親。」

 

 炭治郎は、蛍と言う名前を可愛い名前だと言っていたが、私は可愛いより綺麗が先に出てきていた。

 優緋として目を覚ます前の世界では、環境の変化や開拓による棲家の減少により、蛍が見れる場所はかなり少なくなっていた。

 だからこそ、蛍の名前を聞いた時、真っ先に自身が優緋としてではなく、普通の社会人として生活していた時に見に行った、蛍が沢山飛んでいる綺麗な川辺の印象の方が強くて、綺麗な名前だと思った。

 

「可愛すぎる言うて、本人からは罵倒されてしもうたわ。」

 

「それは悲しいですね・・・・・・」

 

 沢山考えた末に出したであろう名前に対して罵倒されるのはなかなか辛そうだと思いながら言葉を紡げば、鉄珍殿は深々と溜め息を吐く。

 

「蛍は小さい時からあんなふうや。すーぐ癇癪を起こしてどっか行きよるし、一度拗ねたらなかなか機嫌を治そうとせん。すまんの。」

 

 かりんとうを獪岳と食べながら話を聞いていると、告げられた謝罪の言葉。

 私は一瞬キョトンとしてしまったが、すぐにその場で思案する。

 

 鉄珍殿は、原作の中では折れるような鈍らを作った鋼鐵塚さんが悪いと口にしていたし、刀鍛冶の里の人間からすれば、それが正しいことなのだろう。

 日輪刀は、鬼殺隊の命の要。それが折れるようなことがあってはならない。

 だからこそ折れない刀を作ることを信条としており、折れるような刀を作ると言うことは、その任を果たしていないと同義になるのだろう。

 

 もちろん、それはある意味で正しい。刀鍛冶を名乗るのに、折れるような刀を作るとは・・・・・・刀鍛冶の里の人間からすると、それだけで表情を曇らせてしまうのだろう。

 でも、うん。考えれば考えるほど、刀鍛冶の人間だけの責任とはならないな。

 

「こればかりは私にも非があります。折角、魂を込めて作ってくださった刀を折ってしまいましたから。

 だからこそ、しっかり謝罪をしたいのです。日輪刀は我々の命を守るための要ですからね。

 そんな刀を駄目にしてしまったことは、私にも責任がありますから。」

 

「・・・・・・本当にええ子やね。だが、折れるような鈍らを作った蛍側にも非があるのは事実。

 お嬢さんのその気持ちは、ワシらにとっても嬉しい労いの言葉ではあるが、あの子にも責任はある。」

 

 自分に非があると言う私の言葉に対して、鉄珍殿は鋼鐵塚さんにも責任はあると譲らなかった。

 原作よりかはまだ穏やかに見えるが、それでも確かな威圧感はあり、少しだけ息を詰まらせる。

 

「彼のことはおとなしくなり次第、すぐに連れて参りますのでご安心ください。」

 

「おとなしく・・・・・・」

 

「拗ねとる蛍はつついたら襲ってくる蜂の巣みたいなものやからな。お嬢さんは、連日、柱と同等の任務についてると聞いとるし、温泉もあるからゆっくりと体の疲れを癒していきなさい。

 それまでに蛍が機嫌を直さず刀を打たない場合、別の者を君の刀鍛冶にする。

 君の刀はもう少し時間がかかるらしいから、お嬢さんと一緒に里の内部でゆっくり過ごしてや。

 うちの里の温泉は、弱った体にも、荒れた肌にもよく効くから。」

 

「「ありがとうございます、鉄珍様。」」

 

 鉄珍殿の心遣いに感謝の言葉を述べ、互いに最後のかりんとうを口にした私と獪岳は、鉄珍殿から指示を出された刀鍛冶の里の人に案内されるままに屋敷を後にする。

 ・・・・・・刀鍛冶の里・・・・・・原作では、炭治郎が絡繰の縁壱による訓練を行っていたけど、ここでは獪岳に訓練を積ませるべきだろうか。

 そんなことを思いながら、私は歩みを進めるのだった。

 

 

 

 

           ☽❀☾

 

 

 

 

「この坂の上が温泉です。私は下でお食事の準備をしておきますので、ゆっくりとお寛ぎください。」

 

「わかりました。」

 

 しばらく里の中を歩き、到着したのは湯の看板が並んでいる山道のような階段の坂。

 案内してくれた人に感謝の言葉を述べ、頭を下げれば、獪岳もその場でぺこりと頭を下げた。

 私と獪岳が頭を下げたのを見た案内人は、ごゆっくりと一言私たちに告げ、そのまま来た道を戻り始める。

 

「・・・・・・女湯と男湯で分けてあるのかな?」

 

「流石に分けてあるだろ。分けてなかったら神経疑うぞ。」

 

「だよね。流石に分けてないってことはないよね。」

 

 それを確認したのち、女湯と男湯はしっかり分かれているのだろうかと口にすれば、獪岳から分けてなかったらおかしいだろと言うツッコミをいただいた。

 まぁ、うん、そうだよね。普通は分けてあるはずだよね。原作ではそんな描写見当たらなかったけど。

 でも、蜜璃ちゃんは玄弥に挨拶をしようとした描写があるんだよな・・・・・・。道のりを歩く時にでもすれ違ったのだろうか?

 

「とりあえず上がろうか。」

 

「そうだな。そういや、炭治郎はどうすんだ?禰豆子はまだ女同士だし問題はねーが、炭治郎は男だろ?あれなら、俺が炭治郎の面倒を見るが・・・・・・」

 

「ん〜?そうだね・・・・・・。割と最近まで一緒に入浴をしていたから気にしてないんだけど・・・・・・やっぱ獪岳は気になる?」

 

「おい待て。割と最近までは一緒に湯浴みをしていただと?お前今何歳で炭治郎たちは何歳だよ。」

 

「え?・・・・・・私が17で、炭治郎が15。禰豆子が14だね。」

 

「その年齢でまだ一緒に湯浴みしてんのかよ・・・・・・」

 

 獪岳から呆れたような表情を向けられる。

 まぁ、私が優緋になる前の時代ならば、高校二年生と中学三年生、中学二年生が一緒に風呂に入ってるって計算になるもんね。

 優緋としての記憶が、姉弟兄妹が沢山いたから少しでも早く湯浴みを終わらせるために上姉弟上姉妹が一緒に済ませることが割と常だったから気にしてなかったや。

 

「炭治郎は確か、鬼でありながらもかつての優緋の弟としての炭治郎の状態にまで落ち着いたんだろ?

 まぁ、人間からかけ離れた状況になってるせいで、爪が鋭かったり、力が強かったりするって話だが、意思疎通がしっかりできるなら俺でも面倒は見れる。

 だから、炭治郎は俺に預けてくれていい。優緋は俺より負担被ってんだ。流石に妹の面倒までは見れねーが、弟の面倒なら任せてくれ。」

 

 そんなことを考えていると、獪岳が炭治郎を自分に預けてくれても構わないから、ゆっくり休めと声をかけて来た。

 そのことに少しだけ目を丸くしたが、獪岳から感じ取れる心配の気持ちと優しさがしっかりと伝わって来たため、その場で小さく頷いた。

 

「じゃあ、炭治郎のことをお願いしようかな。ありがとう、獪岳。」

 

「別に・・・・・・俺はただ、優緋が少しでも楽になりゃそれでいい。」

 

 どこか素っ気なさを感じるが、照れも見え隠れしている獪岳に、小さく笑い声を漏らしながら、自身が背負っていた木箱を一旦地面に下ろす。

 すると、木箱の中で話を聞いていたらしい炭治郎がひょっこりとそこから姿を見せて、獪岳の方に近寄った。

 

「炭治郎か。お前の姉ちゃんの代わりに、今日は俺が一緒に湯浴みに行くが構わないか?」

 

「はい、大丈夫です!よろしくお願いします!」

 

「お、おう。」

 

 笑顔で挨拶をしてくる炭治郎に、獪岳が少しだけ引いたような反応を見せる。

 まさか、元気よく挨拶をされるとは思わなかったのだろう。それか、あまり純粋な感情によるよろしくを聞いたことがないのか。

 何にせよ、炭治郎ならば獪岳に迷惑をかけることもないだろうし、今の獪岳も、他人を邪険にしたりはしないはず。

 二人が仲良くなってくれたら、私としても嬉しいし、とりあえずは様子を見るとしよう。

 

「あ─────っ!!!優緋ちゃんと獪岳君と炭治郎君だ!!優緋ちゃ───ん!!獪岳く───ん!!炭治郎く───ん!!」

 

 そんなことを思っていると、坂の上から女性の声が聞こえてきた。

 すぐに視線を声の方へと向けてみれば、そこには胸元がかなりはだけている蜜璃ちゃんがおり、こちらに駆け寄って来ている。

 

「ば!?胸元はだけすぎだろ!?何やってんだ甘露寺さん!!」

 

「そうだよ蜜璃ちゃん。大惨事になる前に胸元しっかり閉めな〜?」

 

「甘露寺さん!!気をつけてください!!乳房が零れ出そうです!!危ない!!」

 

 ばるんばるんと揺れる二つの果実に対し、獪岳は顔を真っ赤にし、私は少しだけ呆れた、炭治郎はどこかずれたガチ焦りをする。

 しかし、蜜璃ちゃんは気にしていないのか、私たちの元にそのまま豊満な双丘を揺らして走り寄ってくるのだった。

 

 

 

 

 

最近の傾向から、話が獪岳VS煉獄さんの流れになりそうなのでここで一つアンケート。最終的な√は・・・

  • これまで通り煉獄さん√へ
  • 獪岳が巻き返す獪岳√へ
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