目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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148.霞柱、時透無一郎

 まさか、自分が無一郎君に覚えられているとは思わず、かなり驚いていたが、すぐに頭を切り替えた私は、目の前にいる天才剣士様に視線を向ける。

 原作では、炭治郎が小鉄君を助け、その流れであれこれあったわけだが、互いに冷静さが残っているこの状況だと、どうやって話を進めるべきか・・・・・・いや、とりあえず話をするべきか。

 

「・・・私が間に入ったことで、多少は落ち着いた状態になってくれたみたいで安心したよ。」

 

 そんなことを思いながら静かに言葉を紡ぐと、私が間に入ったことにより近くなった小鉄君から、かなりの視線を向けられている気がした。

 不思議に思って視線を彼に向けてみると、どことなく戸惑っているような、混乱しているような様子がある。

 

「に・・・・・・似てる・・・・・・?」

 

「ん?」

 

「!?な、何でもない・・・です・・・・・・!」

 

 小さく呟かれた言葉に首を傾げたところ、何でもないと返された。

 一体何を思ったのか・・・・・・いや、あえて髪型を()に似せているせいで、逆に混乱させてしまったか?

 

「えっと、確か、柱合会議にいた、霞柱・・・・・・だったよね。」

 

「うん。霞柱・時透無一郎。」

 

「知っての通り、竈門優緋。時間がないのは把握しているけど、少しだけ時間をもらいたい。

 私は途中からしか見てないから、状況を上手く把握していないんだけど、何があったわけ?

 この子に迫っていた理由・・・・・・何かあるんだよね?」

 

 だとしたら、申し訳ないことをした・・・・・・と内心で謝罪しながらも、現在の状況を問いかける。

 私の問いかけに対して、小鉄君が何かを言おうとしている様子があったが、それより先に口を開いたのは無一郎君の方だった。

 

「俺はただ、あそこにある絡繰り人形の鍵を貸してほしかっただけだよ。あれ、訓練に使えるんだって。」

 

「?絡繰人形?」

 

「うん。」

 

 “こっち”と言って私の前を歩き始める無一郎君について行くように足を運ぶ中、進み様に小鉄君の手を握って足を動かす。

 私が無一郎君の意識を引きつけているうちに、側から離れようとしていた小鉄君は、まさか、私が歩き様に手を掴んでくるとは思わなかったのか、びっくりしたような様子を見せてジタバタし始める。

 

「君の言い分も聞きたいから、申し訳ないけど一緒に来てもらうよ。」

 

「え!?」

 

「そうしないと現状を収束することできないでしょうが。」

 

 そんな小鉄君を片手で押さえながらも、無一郎君についていけば、やけにひらけた場所に出た。

 その中央には、ただ、無機質に絡繰の縁壱さんの姿が立っていた。

 

「・・・・・・何か、優緋に若干似てね?」

 

「髪型はそっくりだね。」

 

「いや、雰囲気もだっつの。」

 

 ・・・・・・私が日の呼吸を知っており、なおかつ痣を出した上で過ごしているからだろうか?

 それとも、父親に似ているよりの顔立ちをしているからなのか・・・・・・どちらにせよ、私は絡繰に似ているらしい。

 

「これの鍵を貸してほしかったんだ。訓練に使うから。」

 

「・・・・・・なるほど。」

 

 短く返事を口にした私は、次は小鉄君へと視線を向ける。

 

「君は、どうして彼に鍵を貸したくないわけ?」

 

「だ、だって・・・・・・っ」

 

 私の問いかけに、小鉄君は小さく言葉を紡いだ後、体を震わせる。

 しかし、すぐに私の方へと目を向ける。

 

「この絡繰は、もう次で壊れる!!だから俺は、鍵を渡したくないんだ!!拷問されたって渡さないぞ!!」

 

 そして、絡繰人形が壊れてしまうから鍵を渡したくないのだと口にして、震えながらも何があっても渡さないことを口にした。

 

「拷問の訓練受けてるの?大人だって殆ど耐えられないのに、君には無理だよ。度を超えて頭が・・・・・・」

 

「うん、ちょっとその一言は一旦やめようか。言っていい言葉と悪い言葉がある。

 鬼に吐き捨てるならまだしも、人間に対して言ったらだ駄目だ。

 ただ、これだけは言える。時透君は柱で、この子は刀を作る里に暮らしている力を持たない一般人・・・・・・どちらの言い分を通さないといけないのかは理解している。」

 

「そう。その子に比べてマシな考えを持っているようで安心したよ。」

 

 私が口にした言葉に、無一郎君は感心したように言葉を紡いだのち、静かに小鉄君に視線を向けた。

 

「壊れるから何?また作ったら?優緋が言ってる通り、俺は柱で、君は一般人。拷問の耐性があるからって何?そんなの知らないよ。

 君がそうやってぐだぐだぐだぐだ言ってる間に、何人死ぬと思ってるわけ?」

 

 無一郎君の言葉を聞き、小鉄君はハッとしたような表情をした。

 しかし、すぐにひょっとこのお面越しでも葛藤していることが、見えている頬で把握することができた。

 

「柱の邪魔をするってことは、それだけ仕事の邪魔をして、多くの人の命を散らすってことだよ。

 柱の時間と、君の時間は全く価値が違う。少し考えればわかるよね?刀鍛冶は戦えない。人の命を救えない。武器を作ることしかできないから。」

 

 淡々と言葉を口にしながら、無一郎君は静かに片手を小鉄君に差し出す。

 そして、再び彼は言葉を口にする。

 

「自分の立場を弁えて行動しなよ。赤ん坊じゃないんだから。」

 

 殺気などを向けているわけでもないと言うのに、その言葉には冷たさが含まれており、寒気を感じてしまうようなものだった。

 

「・・・・・・時透君の言い分はよくわかった。言い方は淡々としているから少し怖いけど、その言い分は否定することができない正論だ。」

 

 無一郎君の言葉を聞き、静かにそれは正論であると返し、小鉄君へと視線を向ける。

 私に視線を向けられた小鉄君は、ビクッと肩を震わせながら、私の方を見つめる。

 

「君が必死に絡繰人形を守りたい気持ちは強く伝わってる。だから、君の味方をしたい気持ちもある。

 だけど、世の中には優先順位がどうしても存在してしまう。だって、君は子供であっても刀鍛冶の里に生まれた子だ。

 拷問の種類には、指を折るものや、腕を折るものが含まれている可能性がある。」

 

 拷問の譬え話に、小鉄君は体を震わせ始めた。

 明確な恐怖を感じている匂いもあり、そのことに申し訳なさを抱く。

 しかし、私は炭治郎のように優しくすることはできない。

 

「例え、折るところまでいかないとしても、爪を剥ぎ取るものがあると聞くし、もし、それを実行に移された場合、その手は使い物にならなくなる可能性も出てくる。

 余程のことがない限り、ある程度の時間があれば回復するし、君は若いから、早めの完治も見込めるかもしれないけどね。」

 

 この子の未来を守るためにも。

 

「刀鍛冶は、私たち鬼殺隊になくてはならない技術者たちだ。剣士とはいえ、刀を持ってなかったらただの人間だからね。

 だからこそ、刀鍛冶は重要で必要な存在だ。例え、今は刀を打つ技術を持ち合わせていなくても、君らの仕事道具である大切な手や命が無事であるなら、技術を磨き、技術を身につけるための時間を残し続けることができるはずだよ。」

 

 例え才能がないとしても、努力を重ねることで得られるものだってある。

 雷の呼吸の型を、一つでも身につけることができた獪岳や善逸、そして、水の呼吸が合ってなくても、身につけることが出来た私のように。

 

「・・・・・・わかり、ました。」

 

 私の言葉を聞き、少なからず冷静になったのか、それとも、味方がいないと思ったのか、小鉄君はどことなく沈んだ声音で、服の中から鍵を取り出し、無一郎君へとそれを手渡す。

 

「やっとわかったんだ。余計な時間を取らせないでほしかったけど、鍵を渡してくれたならいいや。」

 

 鍵を受け取った無一郎君は、私たちから意識を外し、そのまま絡繰人形へと視線を戻す。

 そして、絡繰人形にあるのであろう鍵穴に入れては、それを動かし始めた。

 歯車が回り始めるような音を聞き、小鉄君を後ろに下がらせれば、獪岳も一緒になって、絡繰人形から距離を取った。

 その瞬間、絡繰人形は無機質な音を立てながら、その場で刀を構える

 

 絡繰人形が刀を構えると同時に、静かに刀を構えた無一郎君。

 絡繰人形は、まるで、そんな無一郎君の動きを把握しているかのように動き始めた。

 

 

 

最近の傾向から、話が獪岳VS煉獄さんの流れになりそうなのでここで一つアンケート。最終的な√は・・・

  • これまで通り煉獄さん√へ
  • 獪岳が巻き返す獪岳√へ
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