目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件 作:時長凜祢@二次創作主力垢
小鉄君大暴走が起こり、場の空気が混乱に呑まれる中始まった絡繰を使った訓練。
あまりの小鉄君の豹変っぷりに、最初は混乱していた獪岳も、訓練により強くなれるのであればとその話を引き受けたのだが、どう見てもすでに後悔し始めているようにしか見えない。
「だぁああああ!!なんなんだよこの人形!!明らかに人形がしていい動きじゃねーだろ!!」
「これでもかなり訓練は軽くなってんですよ!!腕一本無くなってるから!!あの澄ましたクソチビのせいでねぇ!!」
一本折れたことにより、五本腕になってしまった絡繰人形。
しかし、それでも繰り出されている攻撃は、一つ一つがかなりの重さを持ち合わせているようで、宇髄さんから訓練されて、動きがマシになった獪岳であっても、かなり厳しいようだった。
まぁ、なんとか受け切ることはできているようだけど、それでも完全に防戦一方である。
「全然動き良くないですよ獪岳さん!!優緋さんの動き見ていたんですかぁ!?」
「俺が優緋の動きと同じ動きなんかできるわけねーだろ!?ふざけんのも大概にしろテメェ!!」
「何を言ってるんですか!!優緋さんは獪岳さんの後に鬼殺隊に入った人なんでしょう!?だったら優緋さんにできて先達の獪岳さんができないわけないですよね!?」
そんな獪岳に対して、小鉄君はビシバシと無遠慮レベルの訓練を差し向けて叱咤する。
比較対象にされた私は、ただ無言になることしかできなかった。
獪岳が訓練する前、実を言うと、私も同じように絡繰相手に訓練を行なっていた。
絡繰の使用を割と強引に進めたことに対して罪悪感があるなら、優緋さんもあのクソチビ柱にガツンと言ってくれますよね?と言われてしまったために。
間違いなく断ったら何か言われると判断できる様子だったため、断ることに後ろめたさを覚えてしまった私は、引き受けるだけ引き受けて、絡繰を使った訓練に臨んだのである。
ただ、そこで問題が発生してしまった。
小鉄君に言われて行なった絡繰による訓練を、私はあっさりと終わらせてしまったのだ。
具体的に言うと、木刀を持った絡繰人形との訓練を炎の呼吸を使って数十分程で木刀を全て弾き飛ばすことで終わり、ポカンとした獪岳と、唖然とした小鉄君を見ることになり、真剣を持たされた絡繰人形は、日の呼吸を使って数十分程で真剣を全て弾き飛ばすと言ったカタチで終わらせてしまった。
まさか、小鉄君も、私があっさりと訓練を終わらせてしまうとは思わず、絡繰に仕組まれたギミックを使って難易度を上げたりもして来たのに、私は短時間で全てを履修してしまったのである。
あまりにもサクッと終わらせてしまったことにより、固まってしまった小鉄君と獪岳。
思わず、「なんかごめん・・・・・・」と口にしそうになってしまったが、これって謝罪していいもの・・・・・・?と思い止まったのは言うまでもない。
で、まぁ、私がそんな記録を残してしまった結果、獪岳にその皺寄せが全て行ってしまい、かなりのハードワークを組まれてしまったと言うのが現状である。
「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!流石にこれは死ぬだろ阿呆!!」
「何を言ってるんですか!!優緋さんがやった難易度に比べたらまだまだ軽い方ですよ!!持ってるのも木刀なんですから!!」
「優緋と俺の身体能力を同じに見るんじゃねぇ!!!!」
獪岳と小鉄君が言い争う中、私は離れた位置から獪岳の動きを“透き通る世界”を併用することにより把握する。
やはりと言うか、筋肉や関節が完全に追いついておらず、かなりぎこちない。
「うん。一旦止めようか。」
「何を言ってるんですか優緋さん!!あの澄まし顔のクソガキ柱をギャフンと言わせるのに休憩なんて挟めるわけないでしょう!?」
「言いたいことは分からなくもないけど、このままじゃ訓練を全部履修する前に獪岳が大怪我を負いかねない。
それに、獪岳の動きを見たところ、気になる点がいくつか見つかった。それを教えた方が早く訓練を終わらせることができるはずだよ。」
「で、でも・・・・・・」
「じゃあ聞くけど、小鉄君は剣士としての知識や技術は持ち合わせているのかな?
私達より剣士としての知識があると、この場で胸を張って言えるかな?」
「・・・・・・言えないです。」
「私達はしっかりと剣士としての知識がある。ひたすら打ち込むのももちろん必要だけどね。時には知識を取り入れた上で訓練に臨んだ方が、もっと大きな結果を得られる確率が高い。
少しだけ教えるだけだから、ちょっとだけ獪岳に時間をあげてもらえると嬉しいんだけど。」
「・・・・・・わかりました。」
私の言葉を聞き、小鉄君は一旦、絡繰人形を止める。まぁ、炭治郎だけのような状態で、獪岳がここに一人で来ていた場合は、小鉄君の分析能力頼りになりかねないが、この場には彼だけでなく私もいる。
小鉄君のスパルタ訓練でも、今の獪岳なら強くなれるとは思うけど、こうして彼が鬼側に堕ちることなくこっち側にいる以上、少しでも早く柱稽古に追いつき、無限城での戦闘でも問題なく動けるようにするには、詳細な知識と技術も必要だ。
「し、死ぬかと思った・・・・・・」
ぜーはー言いながら動きを止めた獪岳の姿に、そりゃそうだと思いながらも近寄れば、ものすごく拗ねているのがわかる程の表情を見せる獪岳に睨まれる。
お前、マジで覚えてろよな・・・・・・とでも言いたげだ。
うん。これに関しては本気で申し訳ないと思ってしまう。しかし、今はその抗議よりも、獪岳の動きを見てわかったことを伝えなくては。
「獪岳。君の動きを見ていてわかったけど、いくつか気になる点が見つかった。
いわゆる、無駄な動きや無駄な力が発生している場所だね。少しだけ話を聞いてもらえるかな?」
結構拗ねているのか、獪岳は返事をしない。だけど、頷くなどの反応は見せてくれているため、“お前のせいで難易度が上がったんだぞ。まぁ、それはそれとして、駄目なところは直したい”・・・・・・ってところだろうか。
冷静にそんな分析を行いながらも、獪岳の動きを見て気になるところがあると指摘した私は、すぐに彼に気になった動きや、呼吸のタイミングを説明していく。
獪岳は、真剣な眼差しで私の話を聞いてくれていた。
܀ꕤ୭*
私の話を聞き、悪いところを把握した獪岳は、再び絡繰相手に訓練を行い始めた。
最初のうちは、やらないといけないことが多かったせいか、少しばかり辛そうな様子を見せていたが、次第にコツを掴んできたかのか、獪岳の動きは格段に良くなっていた。
時には小鉄君が持ち合わせている特有の分析力による勢いを、時にはそれを補うように、剣士としての私の知識を併用し、獪岳の動きを修正して行ってみたが、ここまでしっかりと吸収してくれるとは・・・・・・。
「す、すごい・・・・・・!!獪岳さんの動き、格段に良くなってますよ優緋さん!!」
「確かにね。さっきまでは防戦一方だったのに、しっかり食らいついていけるようになり始めてる。」
何より、少しずつ獪岳の目が変わってきている。
これまでのように怯えと慎重さが目立つような目ではなく、相手の動きを冷静に見て、分析することができる目になってきているのだ。
彼なりに、どうすれば相手の隙をつけるようになるのかを学んでいっているのだろう。
─────・・・・・・どこまで彼が強くなれるかは分からない。だけどせめて、善逸や伊之助、カナヲ達のように、穏やかに暮らせる未来を過ごせるようになってほしい。
命だけは必ず守れるように・・・・・・少しでも沢山の幸せを感じ取れるように、一生を過ごせるだけの時間を得られるように。
─────・・・・・・私みたいに、短い人生にだけはならないように。
痣を出してしまった以上、私の未来が短いのは確定している。
だからせめて、短い未来の私の代わりに、彼が長い未来を過ごせるようになれる状況を作ることができれば、いつでも私も退場できるんだけど。
そんなことを思いながら、私は訓練に勤しむ獪岳を見つめる。
一人でも多くの人が、幸せな未来を築けるようにと願いながら。
最近の傾向から、話が獪岳VS煉獄さんの流れになりそうなのでここで一つアンケート。最終的な√は・・・
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これまで通り煉獄さん√へ
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獪岳が巻き返す獪岳√へ