目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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153. 鉄珍への提案

 あれから獪岳は、私と小鉄君のサポートを受けて訓練に勤しんでいた。

 集中力もかなり上がっており、動きもかなり速くなっている。

 まぁ、だからと言ってぎこちなさが抜けているわけではないが、この調子ならば、この里に近づく彼らにも、有効打を打てるようになるだろう。

 

「優緋!オ館様カラ返事ガ来タゾ!」

 

「ん。ありがとう、天王寺。」

 

 そんなことを考えていると、バサバサと翼を羽ばたかせながら、自身の鎹鴉である天王寺が姿を現した。

 ここで過ごしている間、この里で暮らしている人達をどうやって守るべきか考えて、一応出すことができた結論を彼の元に届け、その是非を問うために、お館様の元へと天王寺を飛ばしていたが、どうやらその答えを出すことができたようだ。

 

 天王寺の脚にくくりつけられている手紙を解き、その場で開く。

 お館様とあまね様の二人には、自身の出自を教えておいたことが、まさか、ここで役に立つことになるとは思わなかった。

 

「・・・・・・獪岳。小鉄君。少しだけ私は鉄珍様に会って来るよ。」

 

「里長にですか?」

 

「それは構わねーけどよ。何しに行くんだ?」

 

 手紙に記されている文字に全て目を通し、今からやるべきことを頭に浮かべた私は、獪岳と小鉄君に声をかける。

 二人は、急に私が鉄珍様に会って来ると口にしたためか、不思議そうに首を傾げながら、何をしに行くのかを聞いて来た。

 その問いかけに、思案するまでもなく、私は静かに口を開く。

 

「この里は、しっかりと秘匿されている場所ではあるけど、念には念を入れて防衛手段を持ち合わせておいた方がいいと思って。

 そのことに関して、鉄珍様に相談して来るよ。一応、お館様から許可はもらったし、鉄珍様の見解を聞きたい。」

 

「なるほどな・・・・・・。まぁ、確かに秘匿されてるからって絶対安全かって言われたら微妙だもんな。」

 

「そ、そんなことはないと思いますけど・・・・・・」

 

「可能性の話だ。だから優緋は鉄珍様に話を聞きに行くんだろ。」

 

 獪岳の言葉に、小鉄君が少しだけ無言になる。

 彼をあんまり不安にさせたくないけど、この里がどんな争いの舞台になっているのかを知っている身としては、警戒に警戒を重ねておきたいんだよな・・・・・・。

 

「まぁ、確認と提案ってところだよ。少しばかり、嫌な予感もあるしね。」

 

 とりあえず、多くは語らず、小鉄君にそう告げれば、彼は少しだけ困惑しながらも小さく頷いた。

 その姿を見て、私は小さく笑う。

 

「少しの間離れるけど、獪岳はそのまま訓練を続けてて。」

 

「言われなくてもそうするさ。」

 

 そして、獪岳に短く訓練は続行してほしいことを告げれば、彼はすぐに口元へ笑みを浮かべて、言葉を返して来た。

 それを確認した私は、離脱することを知らせるように、後ろ手で軽く手を振り、その場から離れる。

 さて・・・・・・鉄珍様はどう言う答えを出すかね。

 

 

 

 

 

           ܀ꕤ୭*

 

 

 

 

 

「ほいほい、優緋ちゃん。何やら相談事があると産屋敷殿から文が送られて来たが、何かあったんか?」

 

 あれから真っ直ぐと鉄珍様の元に向かえば、すぐに彼の元に通してもらえた。

 どうやら、私が彼に相談しやすいようにと、お館様が先手を打ってくれていたようだ。

 こればかりは流石としか言いようがない。あの人も、何か勘づいたものがあったのだろうか。

 

「はい。この里にいる人々の、防衛手段についての相談です。」

 

「防衛手段・・・・・・?」

 

 不思議そうにする鉄珍様に、私は小さく頷き返し口を開く。

 この里に迫る危険を直接知らせることはできないが、少しでも被害を減らせるようにするために。

 

 私が鉄珍様に話したのは可能性の話。

 この里は確かに秘匿性に優れてはいるが、鬼の中にはそれを打ち破る手段を持ち合わせている存在がいるかもしれないこと。

 自身が接触して来た鬼の中に、血鬼術を用いることにより、秘匿された場所を見つけ出した鬼がいたことや、地中に潜り込み、移動することができる鬼がいたこと、わずかな隙間を経由することにより、広範囲の移動範囲を持ち合わせていた鬼がいたことを交えながら、説明すれば、鉄珍様と、彼の側にいた刀鍛冶の皆さんが真剣な様子で話を聞いてくれた。

 

「これは、あくまで可能性の話ではありますが、血鬼術や、何らかの経由地を利用することにより、この里の秘匿性を破られてしまった時、皆さんが身を守ることができたらと思いまして・・・・・・。

 そこで、火元がない場所にいる時、刀鍛冶の皆さんがこれを所持することはできないかと・・・・・・」

 

 最後まで話を聞いてくれた鉄珍様達に、私は自身の腰に括り付けていた巾着袋を見せる。

 それは、私が所有するようになった宇髄さん特製の火薬丸。藤の花の毒も混ざっているそれだ。

 

「これは、火薬丸やな。」

 

「はい。音柱様から頂いたもので、藤の花の毒も混ぜられています。」

 

 藤の花の毒が混ざっていると言うことに、鉄珍様達から驚いた匂いを感じ取る。

 まさか、私がそんな物騒なものを持ち合わせているとは思っていなかったのか、かなり混乱している様子だ。

 

「鬼に対する効果ですが、雑魚鬼であればこれだけで回復すらも阻害することができるようになります。

 ただ、十二鬼月にはまだどれだけ効果があるか未知数なところがありますが、爆発力だけでもかなりの威力になることは間違いありません。

 音柱様が使っている、破壊力に長けている火薬程ではありませんが、鬼に対して一瞬でも動きを止めることは可能のものであることは確かです。

 私や、音柱様は自力で爆破させることもありますが、投げつけるだけでも効果はあります。」

 

 そんな鉄珍様達に、私は、火薬の効果を説明する。

 彼らは、静かに話を聞きながら、巾着袋の中へと視線を向けた。

 

「もちろん、これらは全て任意のものです。保持するか否かは、鉄珍様達にお任せします。」

 

 自身が話したいことは全て話し終えた。

 あとは、鉄珍様達がどのような答えを出すか待つだけである。

 

「ふむ・・・・・・確かに、防衛手段としては使えそうやね。少しだけ考えてみよか。そうそう・・・可能であれば、使い方も見せてくれたら嬉しいんやけど、構わないか?」

 

「もちろんです。必要ならば、森の中でどれだけの威力があるのか等を把握するための機会も作りましょう。」

 

「ありがとね。じゃあ、明日にでもこれがどれだけの力があるのか見せてもらうわ。

 ワシらでも使えるようなものであれば、確かに有用な手段にはなるからの。」

 

 可能であれば、火薬の威力を確かめておきたいと告げられ、すぐに承諾すれば、鉄珍様は静かに頷いた。

 

「それじゃあ、また明日、ここに足を運んでもらえるかの?」

 

「はい。わかりました。」

 

 とりあえずの話し合いは終わり、少しばかり安堵の息を吐く。

 さて・・・・・・半天狗と玉壺の襲撃までに、答えを出していただければ助かるんだけど・・・・・・。

 できれば、保有する方を選んでもらいたいな・・・・・・。

 

 

 

 

 

          ܀ꕤ୭*

 

 

 

 

 

「あ、優緋さん。お帰りなさい!」

 

「うん。ただいま、小鉄君。・・・・・・なんか、獪岳がすごいことになってるような気がするんだけど、どうしたのあれ?」

 

 ひとまずの話し合いを終え、訓練場所に戻った私は、すぐに目の前で広がる景色に対して疑問の声を上げる。

 そこには、明らかにとんでも難易度の訓練を行っており、ものすごく焦った様子を見せていた。

 

「ああ、あれですか?獪岳さん、優緋さんが離れた後も同じ難易度の訓練をしていたんですけど、段々慣れちゃったのか、もっと難易度を上げろと言い出しまして。

 それで難易度を少しだけ上げたんですけど、それより上げろって言って来たんですよ。

 だから、獪岳さんがぎりぎり追いつける難易度に設定したところ、こうなりました。」

 

「ええ・・・・・・?」

 

 手に持っている武器は木刀のままではあったが、動きが明らかに先程のものと比べ物にならないレベルのものだったため、私が離れている間に獪岳が原作で炭治郎が受けた難易度を突きつけられてしまったのかと思っていたのに、まさかの獪岳からの変更要求だったとは・・・・・・。

 

「うーん・・・・・・慣れが変な自信に変わって、ちょっとだけ調子に乗っちゃったのかな・・・・・・」

 

「さぁ?まぁ、本人がやりたいって言ったんだから別にいいんじゃないですか?それで大損害を受けようが吹っ飛ばされようが本人が希望したことですし、僕もそれに従っただけなんで。」

 

 しれっと何かしらミスを起こそうとも獪岳の自業自得だしと言って来た小鉄君の様子に、引き攣った笑みを浮かべてしまう。

 獪岳・・・・・・無茶しちゃダメでしょーが・・・・・・・・・

 

 

最近の傾向から、話が獪岳VS煉獄さんの流れになりそうなのでここで一つアンケート。最終的な√は・・・

  • これまで通り煉獄さん√へ
  • 獪岳が巻き返す獪岳√へ
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