目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件 作:時長凜祢@二次創作主力垢
刀鍛冶の里の人や玄弥、無一郎君に爆薬の使い方を教え、あとは自主的な練習をすれば上達すると言う判断から、私は獪岳の様子を見に行く。
彼が訓練を始めてから経った時間は三日。小鉄君の無茶振りはある程度止めながらも、獪岳に訓練を続けさせたが、はてさてどんな状況にあるのか・・・・・・。
「どわ!?」
「何やってるんですか獪岳さん!?これで木剣を喰らうの通算何回目ですか!?そんなんじゃ、柱なんかに到底及びませんよ!?」
「うっせぇ!!そんなに言うんならテメェもやってみろやゴラァ!!!」
「ええ・・・・・・・・・?」
そんなことを思いながら、絡繰人形がある場所に足を運んでみれば、ちょうど獪岳が人形の木剣により吹き飛ばされている場面に遭遇することとなった。
どうやら、未だに訓練難易度はかなり高いままのようで、それを繰り返し行なっていたようだ。
「あ、優緋さん。お帰りなさい。」
「よぉ・・・・・・優緋・・・・・・。」
困惑しながら獪岳達の様子を見ていると、私の足音と声に気づいたらしい小鉄君と獪岳の二人が、私の方に目を向けて挨拶をしてくる。
二人に片手をあげるだけで挨拶を返した私は、すぐに獪岳に近寄った。彼の姿は、私がこの場から離れる時以上にボロボロで、ところどころ打撲による痣や転倒によるものと思わしき擦り傷ができている。
「うーん・・・・・・なかなか派手に攻撃食らいまくってるみたいだね。」
「仕方ねーだろ。俺はお前程才能に恵まれてねーんだからよ。」
「刀を染めてる時点で、しっかりと才能はあるでしょうに。」
苦笑いをこぼしながらも、地面に寝転ぶ獪岳に手を差し伸べれば、彼は私の手をすぐに掴み、こっちが引っ張り上げるため力を加えると同時に起き上がった。
「ほら、擦り傷見せな。軽傷の手当てをするための道具は持ち合わせているからさ。」
「・・・・・・ん。」
怪我を見せるように獪岳に告げれば、彼は素直に怪我を見せてくれる。
「折角綺麗な顔してんだから、怪我の手当てを怠って地味に傷を残すんじゃねーぞ」と、宇髄さんと、宇髄さんの奥さん達から手渡された傷薬と、「怪我をした場合、すぐに治せないこともあるんですから、ちゃんと手当てはしてくださいね。」と、しのぶさんから手渡された包帯や手当て用の道具を腰に下げていた巾着から取り出した私は、定期的にしのぶさんからもらってるって消毒液で獪岳の傷を消毒し、傷薬を塗って綺麗なガーゼを傷口の上に貼る。
思っていたよりは傷が深かったのか、一瞬獪岳が痛みに表情を歪めたが、ばい菌が入らないようにするために我慢してもらい、膿んだりしないようにだけはしておいた。
「これでよし。」
「ん。ありがとよ、優緋。」
「どういたしまして。」
手当てを済ませたことを獪岳に告げれば、彼はお礼の言葉を口にしたのち、パタパタと服についた砂埃を払う。
同時に彼は、目の前にある絡繰人形に一度目を向けた。
「・・・・・・小鉄。ちょっくらこの木剣、二本借りるぞ。」
「え?まぁ、木剣は予備がありますし、構いませんけど。」
しばらくの間絡繰人形を見つめた獪岳が口にしたのは、木剣を二本ほど借りたいと言う申し出。
小鉄君は、不思議そうな様子を見せながらも、獪岳の申し出に許可を出す。
小鉄君の話を聞いた獪岳は、絡繰人形から木剣を二本取り上げ、そのうちの一本を私の方に投げ渡してきた。
「ん?・・・・・・ああ、なるほど。まぁ、確かにそっちの方が、別の助言も口にしやすいか。」
彼の行動に、一瞬だけ首を傾げてしまったが、すぐに意図を把握する。
まぁ、できれば絡繰人形に一本入れるくらいのことをしてくれた方が、次のステップとしてやりやすいと思うんだけど、まぁ、彼からしたらこっちの方を優先したくもなるか。
そんなことを思いながら、私は受け取った木剣を構える。
獪岳はと言うと、私が彼の意図を把握したことが嬉しかったのか、口元に笑みを浮かべて木剣を構えた。
「へ?優緋さん?獪岳さん?」
私と獪岳の行動に、小鉄君が少しだけ混乱したような様子を見せる。
おそらく、彼も私達の意図を把握しているとは思うが、急にそっちへと路線を変更したからか、困惑しているようだ。
「小鉄。離れた位置に行ってろよ。巻き込まれて怪我しても知らねーぞ。」
「え!?あ、はい!!離れます!!」
獪岳から告げられた言葉に、小鉄君は驚きながらも、私達の元から急いで距離を取る。
位置的に、仮に私と獪岳が手合わせ形式の訓練を行っても、影響が出ない範囲であるとわかり、私も小さく笑みを浮かべた。
「優緋。炎でも、もう一つのでもいい。なるべく本気を出してくれよな?」
「まぁ、努力はしてみるけど、獪岳次第であることだけは忘れないようにね。無茶な訓練をさせるわけにはいかないから。」
獪岳の口から吐き出すように紡がれた挑発の言葉に、こちらも軽く挑発を仕返す。
そして、しばらくの間互いに無言で見つめ合った後、同時に地面を蹴り上げた。
܀ꕤ୭*
・・・・・・木剣を使った実践形式の訓練。
私が一緒にいることが影響したのか、習得していたらしい全集中の呼吸に必須になってる常中を使いながら、獪岳は雷の呼吸を打ち込んできている。
これまで、時間がある時などに彼とは手合わせするカタチで能力を伸ばすようにしてきたが、絡繰人形との訓練の過程で、しっかりと強くなっているようで、これまでの能力からかなり一撃が素早く重くなっている。
激しくぶつかり合う木剣の音と、雷の呼吸と炎の呼吸の音がこだまする中、炎の呼吸を使っていても長く維持することができるようになった“透き通る世界”・・・・・・日の呼吸を使うのに比べて、疲労は溜まりやすくはあるが、実戦に応用するには十分な程のそれを使って、獪岳の雷の呼吸を真正面から受け止めてはいるが・・・・・・
─────・・・・・・すごいな。やっぱり獪岳はみんなと同じように、確かな才能がある。
─────・・・・・・ただ、あまりにも環境が悪過ぎた。環境が悪過ぎたせいで、彼は道を外れてしまうことになってしまった。
─────・・・・・・しっかりと彼と向き合い、学べる環境や、受け止める環境があったら、鬼になることなく、鬼殺隊側として無限城内でも十分力を発揮できる程だったみたいだね。
─────・・・・・・筋肉の使い方も、前に比べたら格段に良くなってる。ただ、筋肉の配列と筋肉のつき方、それと、生きることに必死だった精神・・・・・・生きることに必死だった結果、壱ノ型が使い難かったみたいだな。
“透き通る世界”を使用しながら、獪岳のことを冷静に分析した私は、目の前に迫ってきた獪岳の木剣をバックステップを使って躱し、離れた位置まで飛び退いた後、足に力を加える。
“炎の呼吸 壱ノ型 不知火”!!
そして、着地すると同時に、雷の呼吸の肆ノ型である遠雷と少しだけ似ている炎ノ呼吸の壱ノ型、不知火を使って、一瞬で距離を詰め、彼の木剣を容赦無く弾き飛ばした。
ガァンッと言う一際大きな音を立て、獪岳の手元から離れた木剣。
カランカランと乾いた音が響くと同時に、地面に転がるそれに合わせ、獪岳の肩を木剣で軽く叩けば、目を見開いて固まった獪岳は、へたりと地面に座り込んだ。
「おっま・・・・・・!!ガチで本気の勢いで来やがったな!?」
「え?だって獪岳がなるべく本気でって注文してきたんじゃん。」
「確かにそうだけどよ!!マジで首持ってかれるかと思ったじゃねーか!!」
こっちの気迫に押されたのか、座り込んでしまった獪岳から猛抗議を受ける。
そんなに怖かった?と内心疑問に思いながらも、獪岳に謝罪して手を差し伸べれば、彼は私の手をすぐに掴み、ゆっくりと立ち上がった。
「ったく・・・・・・どうやったらそんな速さと勢い出せるんだよ・・・・・・」
私が使用した不知火を見て、獪岳は少しだけ困惑した様子で言葉を紡ぐ。
まぁ、言っちゃあ悪いが、獪岳の遠雷は、ここまでの威力やスピード、勢いを出すことができていない。
それは、獪岳が筋肉の使い方はわかっているのに、彼の慎重な部分がその勢いをどうしても殺してしまう悪癖があるからである。
“透き通る世界”に入れるおかげで、彼の欠点はかなり見えてくるようになった。
それが、彼の長所であり、短所でもある慎重さによるものであることも、そこそこ同じ時間を一緒に過ごすことになった分、ハッキリと見えるようになった。
今の獪岳ならば、壱ノ型を使用できるようになる可能性も、遠雷を極められる可能性も十分ある・・・・・・それは断言できる。
ただ、そこに行き着くには、彼の長所であり短所でもある慎重さをなんとかしないといけないと言う壁がある。
できることなら、獪岳にも長生きしてほしいし、その慎重さを失ってほしいとも思わない。
だが、壱ノ型の無意識下による封印や、肆ノ型の無意識下による抑制を撤廃しないことには・・・・・・。
─────・・・・・・さて、どうしたものか。
彼の生存と強化は、間違いなく鬼殺隊の戦力にもかなり影響が出る。
だが、それらを可能にするには、課題がかなり多いと言う難題が発生している。
─────・・・・・・このまま行けば、間違いなく玉壺と半天狗が三日以内に出没する。それまでに、この子がしっかり生存し、精神を安定させて成長できるように、鬼にならなくても幸福であれると知ってもらえるようにしないとね・・・・・・。
そこまで考え、私は小さく溜め息を吐く。さて、どうやって獪岳の成長を手助けしようかな・・・・・・。
最近の傾向から、話が獪岳VS煉獄さんの流れになりそうなのでここで一つアンケート。最終的な√は・・・
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これまで通り煉獄さん√へ
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獪岳が巻き返す獪岳√へ