目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件 作:時長凜祢@二次創作主力垢
「よ、優緋。それと、獪岳。」
「あ、玄弥。」
「よぉ、不死川。休んでたのか?」
「ああ。」
あれから鋼鐵塚さんに錆びた刀を預けた私と獪岳は、一夜を明かした翌日、訓練をこなしたのち、食事をするために泊まらせてもらっている場所にいた。
そこにはすでに玄弥が座っており、自身が使っている武器の手入れをしている姿を晒していた。
とりあえず話しかけてみれば、彼はすぐに私達に反応を示し、何をしていたのかを教えてくれた。
「・・・・・・珍しい武器使ってんだな?」
「え?あ、ああ・・・・・・これか?」
そんな玄弥を見て、獪岳は不思議そうな表情をしながら拳銃へと目を向ける。
獪岳から武器に関して言及されるとは思わなかったのか、玄弥は少しだけ驚いた様子を見せたが、すぐに拳銃をこちらへと見せる。
「その・・・・・・俺、実は呼吸が上手く使えなくて・・・・・・。でも、ある人に会うために絶対に鬼狩りになってやるって考えていたから、無理を言って刀以外の武器を作ってもらったんだ。」
サラッと告げられた刀以外を持つ理由。まさか、それを玄弥が口にするとは思わず、私は思わず目を丸くする。
この子のことだから、武器に関して何も教えないと思っていたのだが、思い違いだったのだろうか?
「はぁ?呼吸が使えない?」
「ああ。どうも、どの呼吸も体に合わねーみたいで・・・・・・」
「ふぅん?そんな奴もいるんだな。」
そんなことを思っていると、獪岳が玄弥の言葉に対して怪訝な表情を見せる。
しかし、すぐに玄弥から呼吸が合わなかったと言う事実を告げられたからか、何度か瞬きを繰り返したのち、詳しく言及しようとすることなく、納得したような表情を見せる。
今度はそんな獪岳の様子に驚いてしまった。辛辣な言葉を浴びせる可能性があったため、どのようにフォローを入れようかと思っていたが、それだけ獪岳も成長したと言うことだろうか。
「・・・・・・なんだよ。」
「あー・・・・・・いや、なんでもない。」
じっと獪岳を見つめながら、冷静に分析をしていると、今度は私が怪訝な眼差しを向けられた。
思わず濁すように言葉を言い淀んでいると、目の前から溜め息を吐く気配を感じ取る。
「お前が何を言いたいかなんとなくわかった。確かに、前までの俺なら、呼吸が使えねー奴なんて鬼殺隊にいる価値なんてないって言っていたかもしれねーが、今は違う。
優緋に言われて、人によって合うもの、合わないものが違うことがわかったんだ。
そんくらいのことで、ボロカスに言うつもりはねーよ。まぁ、呼吸が使えねーってのは致命的な気もするが、それでも戦うための工夫をしたんだろ?
だったらそれを認めねーでどうすんだよ。・・・・・・まぁ、昔の俺だったら認めてねーだろうし、あれこれ言って軽蔑してただろうけどよ。」
しれっと悟られた私の心境と、語られたそれに対する返答に苦笑いをこぼす。
・・・・・・原作から遥かに変わっているとは言え、そう簡単に内心まで変えられるかと言ったら微妙なところだったため、色々と不安になっていたのだが、どうやらそれは杞憂だったようだ。
「?えっと・・・・・・状況がよくわかんねーんだけど?」
そんなことを思っていると、玄弥がキョトンとした表情をして、私と獪岳を見比べる。
そう言えば、玄弥は私と獪岳が一緒に行動を取っていると言う大まかな状況は把握しているが、獪岳のこれまでは知らないんだったな。
「簡単に言えば、獪岳はつい最近までかなり尖った性格をしていたって感じかな。
欠点を見付けるのが上手過ぎて、その一つ一つに対して刃物かって言いたくなるくらいの言葉を浴びせかけるような子だったんだよ。
自分の力に自信があり過ぎて、良くない部分が目について刺々しかったんだ・・・・・・あいた!?」
「余計なこと言うんじゃねーよ優緋!!」
それならと、獪岳のこれまでの性格を簡潔に口にしたら、当の本人からスパンッと手のひらで後頭部を叩かれる。
反射的に痛いと口にしてしまったが、実際は大した痛みなどなく、本当にストップをかけるためだけの軽い攻撃であることがよくわかる。
本気で私を害そうとしていないことは匂いでもわかるためか、炭治郎も強く反応をすることなく、禰豆子も落ち着いている炭治郎に影響されているのか、特に怒る様子はない。
「・・・・・・仲良いんだな。」
「まぁ、私と獪岳は友達だし、ある種の相棒みたいなもんだからね。」
「・・・・・・まぁ、それは否定しねーけどよ。」
私と獪岳の軽いやりとりを見て、玄弥から仲が良いと称される。
すぐに、私と獪岳は友人で相棒のようなものだからと口にすれば、獪岳もそれに同意の言葉を漏らした。
しかし、彼から感じ取れる匂いはどこか拗ねているようで、ん?と彼に視線を向けた。
「こっちの話だから気にすんな。」
私の視線に気付いた獪岳は気にするなと口にしたのち、玄弥の方へと視線を向ける。
その目線を辿ってみると、彼の緑色の瞳は、真っ直ぐと玄弥の口元に向けられていた。
「・・・・・・なぁ、不死川。」
「あ?」
「お前、先日歯が抜けてなかったか?」
「あ・・・・・・」
おっと・・・・・・?と内心で考える中、玄弥はダラダラとその場で冷や汗を流し始める。
原作では炭治郎が玄弥の歯が抜けているのを見たが、一緒に風呂に入って話そうとした瞬間、玄弥から強く拒絶され、そのまま風呂に置き去りにされてしまった。
結果的に、玄弥は自身の歯が抜けていたことを炭治郎に見られていることに気付かぬまま、一時退場・・・・・・再会したところでフレンドリーに話しかけてくる炭治郎に言い返し、歯が抜けてないかと言う質問に対しても誤魔化そうとしたところ、彼が持っていた抜けた歯を見てなんでそんなもん持ってんだとツッコミを入れる流れを作っていた。
しかし、こっちの世界では、炭治郎だけでなく、獪岳と私もそれを見ていて、尚且つ炭治郎と獪岳の双方から注意されたことにより、見られていたことをすでに知っている。
だからだろうか?玄弥は言い訳を探すようにして両目を泳がし始めてしまう。
「・・・・・・まぁ、話したくねーなら別に話さなくても良いけどよ。俺も話したくねーことはいくつもあるしな。」
「・・・・・・ありがとな。」
その様子から、玄弥には隠したいことがあると悟ったのか、獪岳はこれ以上言及しないと玄弥に告げた。
玄弥はそのことに安堵の息を吐きながらも、落ち着いた様子を見せた。
「・・・・・・あ、そうだ。私、今日、一応刀鍛冶の里の中を夜に見回るつもりでいるんだけど、二人はどうする?」
少しばかり気まずい空気が流れてしまい、辺りに微妙な沈黙が広がる。
そんな二人の空気を変えるように、一気に舵を切るように、今の話題とは違う話題を出せば、獪岳と玄弥は驚いたような表情を向けられた。
「見回り?急にどうしてそんなもんを・・・・・・」
「確かにな・・・・・・。何かあったのか?優緋。」
獪岳、玄弥の順番で告げられた見回りと言う言葉に対する疑問。
まぁ、そんな反応になるわなと、内心で考えながらも私は口を開く。
「いやぁ・・・・・・あまりこんなこと言いたくないんだけどね・・・・・・。妙な胸騒ぎがあって落ち着かないんだ。気分がいいものでもないし、念のためにさ。」
“それは、今日か明日辺りに上弦の肆と伍が里を襲撃するからだよ”・・・・・・と言う真実は胸に仕舞い、ただ、嫌な予感がするからと言う理由から、念のために警戒しておきたいだけだと口にする。
私の言葉を聞き、獪岳と玄弥は互いに顔を見合わせて、何度か瞬きを繰り返した。
「そう言うことなら、俺も一緒に回るぜ。優緋がそんなこと言うのも珍しいしよ。」
「優緋が気になるってんなら、俺も手伝う。お前には、借りもあるしな。」
「借り?」
「爆薬丸のこと教えてくれただろ。大元は確かに宇髄さんかもしれねーけど、お前にあれの使い方を教えてもらったのは事実だ。
だから、俺にも手伝わせてくれよ。それに、優緋の勘って当たりそうだろ?」
「どんな理由だよ、それ。」
獪岳と玄弥からの手伝うと言う申し出に、ありがたいと思いながら、玄弥から告げられた私の勘は当たりそうだと言う言葉に対してツッコミを入れる。
とは言え、彼らの力もあれば、刀鍛冶の里に与えられる被害を最小限に抑えることができるかもしれないし、その申し出はありがたく受け取らせてもらおうか。
「・・・・・・ありがとう、二人とも。じゃあ、夜が深まり始めた頃、里の中を見回ろうか。
一応、霞柱殿である時透君にも声をかけてみるよ。協力してくれるかどうかはわからないけど。」
「「ああ。」」
そんなことを考えながらも、私は獪岳と玄弥の言葉に頷く。
この行動が、吉と出るか凶と出るかはわからない。だけど、自身の思うように行動を取ることで、変えられるものはあるはずだ。
もちろん、マイナスに転んでしまったらと言う不安もあるし、どちらかと言うと、そちらの方が感情としては強いまである。
─────・・・・・・でも、私は自分の思い描く未来に向けて走りたい。
それならば、動かないよりまずは動く・・・・・・それが、一番の最適解のはずだから、やれるとこやれまでやってみよう。
最近の傾向から、話が獪岳VS煉獄さんの流れになりそうなのでここで一つアンケート。最終的な√は・・・
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これまで通り煉獄さん√へ
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獪岳が巻き返す獪岳√へ