目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件 作:時長凜祢@二次創作主力垢
獪岳達と別れ、無一郎君と共に歩く刀鍛冶の里。
特に話すことがないため、互いに無言のまま歩いているだけの状況に、少しばかり気まずさを感じる。
私と一緒に行動を取れば、何かわかるかも知れないと彼は言っていたが、私から話しかける話題もなく、向こうから振られる話題もない。
「・・・・・・鉄穴森って刀鍛冶、どこに住んでるんだろ?」
どうしたものかと考えていると、無一郎君が静かに口を開いた。
鉄穴森さんの居場所がどこなのか・・・・・・まぁ、当然の疑問と言えるだろう。
「うーん・・・・・・私の担当は鋼鐵塚さんだから、どこに住んでいるのか聞いたことはないけど、私が預けた刀を研磨する鋼鐵塚さんの様子を見ておくとは言っていたから、もしかしたら鋼鐵塚さんと一緒にいるのかも・・・・・・」
「・・・・・・鋼鐵塚?」
実際はそんな話をしたわけではないが、原作知識を元に、もしかしたらいるかも知れないと思われる場所を口にすれば、無一郎君はすぐに反応を示す。
私は、彼の言葉に小さく頷いたのち、静かにに口を開いた。
「私が預けた刀を、自身の家系に伝わってる研磨術で研ぐんだって。ただ、それは三日くらいはかかるものらしくて、その話を聞いた鉄穴森さんが、鋼鐵塚さんのところにちょくちょく様子を見に行くって言ってた。」
「ふぅん・・・・・・。じゃあ、その鋼鐵塚って人のところに行けばいいんだ。どこにいるの?」
「どこで研磨するかまでは教えてもらってないけど、もしかしたら、里の人が知ってるかも知れないし、ちょっと話を聞いてみようか。」
「そう・・・・・・。なるべく早く見つかればいいんだけど。」
無一郎君の言葉に、確かにと苦笑いをこぼしながらも、里の人に話を聞くため、辺りを見渡す。
・・・・・・原作では、遅くに温泉に入っていた刀鍛冶の人が、玉壺の壺を見つけて近づいたことにより、命を落とすことになる。
その人を見つけることができれば、一番手っ取り早いのだが、さて、見つかるだろうか・・・・・・。
܀ꕤ୭*
【side Another.】
優緋が霞柱である無一郎と共に、西側から里の巡回を始めた頃、獪岳と玄弥は、東側から巡回を始めていた。
「不死川。こっからは別々に探そうぜ。二人で固まって探しても、効率が悪いだけだしな。」
「そうだな。じゃあ、俺はこっちから探すよ。」
「ああ。なら、俺はこっちからだな。優緋の指示通り、鬼と思われる何かが見つかったら、爆薬丸使って迎撃しつつ、位置を知らせようぜ。」
「わかった。じゃあ、またあとでな。」
「ああ。」
しばらく、何の会話も無しに彷徨いていた獪岳と玄弥だったが、ある程度東へと進んだのち、互いに二手に分かれようと口にする。
少しでも効率を上げるため・・・・・・そして、鬼を見つけた際、すぐに優緋と無一郎に知らせられるように、爆薬丸を使うために。
必要最低限の言葉を交わした二人は、すぐにそれぞれ南と北の方へと向き、一歩、また一歩と足を進め始める。
─────・・・・・・なんか、久々だな。一人で行動を取るの。
巡回に集中していた獪岳は、ふと、久々の単独行動をしていることを思い出し、その場で足を止める。
まさか、自身が誰かと一緒に行動を取り、複数の人間と連携を取るようになるとは思いもよらなかったと考えながら。
─────・・・・・・なんか、変な感じだな。一人で行動を取るのには慣れていたはずなのに。
獪岳の胸中に渦巻く感情は、少しの寂しさだった。
一人で行動を取るのは、こんなに静かだっただろうかと、今まで考えたことがない感情に、少しだけ戸惑いを覚えながら、視線を西の方へと向ける。
向こう側へと歩いて行った優緋と無一郎・・・・・・。当たり前ではあるが、彼女達の姿が見えるはずもなく、獪岳はしばらく無言になった。
「・・・・・・どうせなら、優緋と行動が取りたかったな・・・・・・・・・。」
ポツリと呟いた本音の言葉。
今まで一緒に行動を取っていた存在が、別の人間に連れて行かれてしまったことに、軽く苛立ちを覚えながらも、獪岳は視線を前に向けた。
「さっさと見回れる場所を見回って、優緋達に合流するか。」
一人だった頃の方が長いはずだと言うのに、短期間で一緒にいることが当たり前となり、一人だった頃より落ち着かない状態にされてしまったことに、複雑な表情を浮かべながらも、獪岳の脳裏には、早く優緋と合流したいと言う感情が渦巻いていた。
ここまで変わるもんなのか・・・・・・と、スルッと入ってきて自身を満たした優緋に、軽く恨み言を言いたくなりながら、頼まれた巡回を済ませるために動く。
「ん?」
不意に、カラコロと軽やかな音が近づいてきていることに気がつき、獪岳は足を止める。
しばらくの間、その場に留まっていると、着流しを着て歩いている一人の鍛冶が現れた。
「おや?これはこれは鬼狩り殿。こんばんは。」
「ああ、こんばんは。・・・・・・何してんだこんなところで?」
現れた鍛冶は、視界に映り込んだ獪岳に気づいては、穏やかに挨拶の言葉をかける。
現れた鍛冶に対し、獪岳も静かに挨拶を返しては、こんな時間帯まで何をしていたんだと問いかけた。
「いやはや、実は先程、今日の作業を終えて温泉にゆっくり浸かっておりまして。おかげ様でこんな時間帯になってしまいました。」
「なるほどな・・・・・・」
呑気に事情を説明してきた鍛冶に、獪岳は、短く合う鎚を打つなり、少しだけ考え込むように手を顎に添える。
それにより出てきた答えに、小さく頷きながら、静かに口を開いた。
「一緒に行動してる隊士と話して、こっちは巡回しててな。見回りついでに護衛させてくれ。」
獪岳からの申し出に鍛冶の男は驚いたような反応を見せる。
まさか、そのようなことを言われるとは思わず、あたふたと焦りを見せた。
「いやいや!流石にそのようなことをしていただかなくても・・・・・・!鬼が出るわけじゃあるまいし!」
「まぁ、俺もそう思ってんだがな。一緒にいた隊士から気になることを言われたし、このまま引き下がって何かあったら面倒だ。」
断りの言葉を紡ぐ中、返された言葉に鍛冶の男は口を閉ざす。
しかし、獪岳が真剣な様子で言葉を紡いだために、本当に何かしらの懸念があるのだと把握する。
「・・・・・・わかりました。では、お世話になりますね。」
「ああ。」
それならばと、鍛冶の男は獪岳の申し出を受け入れ、彼に護衛してもらうことを選ぶ。
自身の意見が通ったと判断した獪岳は、すぐに鍛冶の向かう方についていくことを告げ、彼に移動を促した。
・・・・・・自ら護衛を買って出て、鍛冶が向かう先についていく獪岳。
鍛冶の男は、自身を護衛してくれている獪岳と言葉を交わしながら、自身の自宅へと向かうための道のりを歩く。
「ん?」
不意に、鍛冶の男は何かに気づいたように足を止め、何度か瞬きを繰り返す。
鍛冶の男の様子が変わったことに気がついた獪岳は、すぐに彼の前に出て、同じ方角へと視線を向けた。
そこにあったのは一つの壺だった。陶器でできた、花が描かれている壺。
「壺?危ねぇなあ・・・・・・。誰だこんな所に壺なんか置いて・・・・・・」
「触るな馬鹿!!」
「うお!?え?は?ど、どうかされましたか?」
その壺を見て、手を伸ばそうとした鍛冶の男に、獪岳は咄嗟に声をかける。
獪岳から怒鳴るように声をかけられた鍛冶の男は、かなり驚いた様子で手を止め、獪岳の方へと視線を向けた。
そんな鍛冶を背に庇い、獪岳は目の前にある壺を見つめる。
─────・・・・・・明らかに鬼の気配があるじゃねぇか!!気づいてねぇのかよこいつは・・・・・・!!
表情に軽く焦りを浮かべながらも、獪岳は壺を真っ直ぐと見据える。
しかし、すぐに頭を切り替えては、腰に提げていた巾着袋に手を伸ばし、そこから爆薬丸を取り出した。
「か、獪岳さん?何でそれを出して・・・・・・」
「当たり前だろ!!これはただの壺じゃねぇ!!」
混乱したような様子の鍛冶の男に、獪岳はこの壺はただのそれじゃないと告げ、爆薬丸をその場で構える。
「鬼が潜んでる何かだ!!」
そして、怒鳴りつけるように壺の異常性を口にして、手にしていた爆薬丸を投げつけた。
放り投げられたそれが、壺に近づき、大きな爆発音を轟かせる。
藤の香りと火薬の匂いが辺りに広がり、視界は一瞬にして煙により悪くなる。
「ヒョッヒョッ!!柱のような実力はないと思っていたが、それなりに力をつけた鬼狩りだったようですなぁ・・・・・・!!」
立ち上る煙が晴れると同時に、再び視界に映り込んだ壺は、全くの無傷。
その姿に舌打ちをこぼしそうになった獪岳だが、聞こえてきた声に警戒を見せ、自身の腰に提げてある借り物の刀に手をかけた。
「忌々しい藤の花が香る爆薬とは・・・・・・随分と珍しいものを持っているようですねぇ・・・・・・。一体誰の入れ知恵か・・・・・・!!」
だが、獪岳はすぐに目を見開くこととなった。
ずるりと壺から出てきた鬼・・・・・・異形としか言いようのない容姿を持つ存在に、刻まれた上弦と伍の文字が見えたために・・・・・・。
最近の傾向から、話が獪岳VS煉獄さんの流れになりそうなのでここで一つアンケート。最終的な√は・・・
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これまで通り煉獄さん√へ
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獪岳が巻き返す獪岳√へ