目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 更新を再開します。



167. 天狗達との攻防

 最大まで分裂した半天狗達との攻防は、かなり激しさを帯びる。

 積怒がもつ錫杖の雷、哀絶が持つ槍による刺突と薙ぎ払い、可楽が持つ重力や風圧を利用しているであろう団扇、空喜が使用してくるうるさい程の音波と鋭い猛禽類のような足・・・・・・。

 その一つ一つがあまりにも強力で、まとまっているからこそトドメを指すための道筋を掴めるが、まとまっているからこそ、複数の攻撃に対処しなくてはならないと言う厄介な状況を押し付けられる。

 

 ヒノカミ神楽こと、日の呼吸・・・・・・それを総動員しつつ、“透き通る世界”を使って対処することにより、なんとかダメージを食らうことを避けることができているが、“透き通る世界”をまだ知らない炭治郎や、そもそも使えるかわからない禰豆子と玄弥の3人は、かなり苦戦している状態だ。

 

 時には積怒の雷を浴びそうになり、時には哀絶の槍術により負傷する・・・・・・なんとか空喜の音波と鉤爪、可楽の団扇による攻撃などは、私だけでも対処することでなるべく封殺してはいるが、体力がガッツリと持っていかれている自覚をせざるを得ない状態であることも否めない。

 

「カカカッ!!ほれ頑張れ頑張れ。」

 

「油断しているとザックリと行かれてしまうぞ?」

 

 明らかに殺す前に楽しもうとしている思考が丸わかりの可楽と空喜に舌打ちを漏らす。

 この二体は、完全に私を狩りの獲物に見立てた訓練用の人形のようにしか見ている様子がない。

 そのことに苛立ちを抱きながらも、視界に少しだけ炭治郎達を映し込む。

 三人は、こちらが想像していたよりしっかりとした連携を取って、積怒と哀絶に対峙していた。

 おそらくだが、最初の私の動きを見てある程度学んでおいたのだろう。槍の捌き方や、雷に対する対処方法を。

 原作では、全てが初見であり、同時にみんなの経験の薄さから、戦闘をする中で回避方法を身につけ、攻略の糸口にしていくような流れで描かれていたが、私がいるこの世界では、私が一種の手本のようになり、結果的に対処方法や、死角を知る原因となったらしい。

 

「腹立たしい・・・・・・!!ちょこまかと鼠のように這いずり回りよって!!」

 

「弱く脆いせいで、駆け回る・・・・・・長く持つはずもないと言うのに、哀しいものだ・・・・・・」

 

 その証拠に、積怒と哀絶はそれなりに苦戦を強いられているようだ。

 余裕があるのは間違いないようだが、思うように彼らにダメージを与えることができていない様子がある。

 それを見つめながら、私は再び可楽と空喜の方に目を向ける。“透き通る世界”にいるからこそ、二体の動きをしっかりと見ることができるため、頸に刃を届かせることは可能な範疇。

 やろうと思えば、積怒と哀絶の頸にも刀を届かせることができそうではあるが、半天狗は堕姫ちゃんと妓夫太郎さんの上弦の陸のように、同時に頸を斬ることで終わらせることができるような鬼ではない。

 明確に本体が存在しており、その本体の頸を斬らなくては、無限に復活して攻撃を仕掛けてくるタイプの鬼だ。

 だが、その肝心な本体に分類する豆粒半天狗はこの場にいない。予測できるとしたら、四体の分身を残して、建物の外へとトンズラした可能性だけだろう。

 

「・・・・・・チッ・・・・・・めんどくさいな・・・・・・。」

 

 ならば私はどうするべきか・・・・・・それは、外にいるであろう本体を見つけ出すために、何かしらのアクションを起こすことだ。

 ただし、探し出すのは私じゃなく、炭治郎達に任せる必要がある。

 四体全てを自身に引き付けた場合、私の体力が持たない可能性が高いが、この中で殿と囮の両方を務めることができる可能性が高いのは、私だろう。

 ただ、炭治郎達が私にそれを任せてくれるかどうか・・・・・・。

 

 ・・・・・・あの子達は優しいから、下手したら任せてもらえないかもしれないな。

 

「・・・・・・どうやら、本体はこの場にいないみたいだね。ってことは、外にいるのかな、アンタらの核はさ!!」

 

「「「「!!?」」」」

 

 ・・・・・・でも、仮に反対されたとしても、こちらにできるのはそれくらいしか思いつかない。

 炭治郎達が早く見つけてくれたらいいが、さて、どれだけ時間がかかることやら。

 まぁ、三人もいれば、多少なりとも探す範囲が広がるし、私は私で、目の前にいる四体を相手にしながら観察して、その目の動きや、炭治郎達が見つけ出す直前に、何かしらのアクションを見つけ出すことができるかもしれないし、危ない賭けではあるけど、試さず粘るより、試す方にベットする方が何倍もマシだ。

 

 命の奪い合いが発生している以上、死にたくないからとアクションを起こさないようにするなんてできやしない。

 例え、無理をし過ぎだと怒られたとしても、私にやれることがあるならば、それを熟していかなくてはならない。

 

「外の茂みにでも隠れてんじゃないの?探して頸を斬ってあげるよ。」

 

 そう言って私は、口元に笑みを浮かべて壊れた建物から外へと身体を投げる準備をする。

 その瞬間、四体の鬼の意識は真っ先にこちらに向き、すかさず私の方へと攻撃を仕掛けようと行動を起こした。

 この中で、私が最も危険な存在であると判断したのだろう。一斉攻撃をしようと、喜怒哀楽全ての敵意が突き刺さる。

 それもそうだ。生き物ならばなんであろうとも生存本能に特化している。

 炭治郎達の能力と、私の能力を天秤にかければ、優先して排除すべき存在は自ずとこちら側に傾くと思っていた。

 

 この中で、ダメージを受けずに対処していたのは私だけ。そして、上弦の肆と言う称号を持ち、体力の面も、回復の面も優れている鬼ならば、一斉に攻撃を仕掛けることにより、対処ができなくなる、もしくは体力を削り取ることができると言う人間の特徴から、真っ先に狩りにかかることは目に見えていた。

 なんせ、玄弥や、同じ鬼である炭治郎と禰豆子とぶつかり、私を野放しにして本体を狙われてしまうより、本体を狙われた場合、殺される可能性が非常に高い私を先に潰しておいた方が、後々排除が楽になるのだから。

 

「・・・・・・上手く、こっちに意識を向けてくれたようで何よりだよ。」

 

 “狙い通りだ”・・・・・・と小さく呟くように口にした私は、“透き通る世界”にいることにより、全てがゆっくりに見える世界で刀を振り抜き、喜怒哀楽全ての腕と頸を纏めて斬り飛ばす。

 一瞬にして自分達が斬り飛ばされたからか、四体は目を見開いて驚き、私を真っ直ぐと見据えていた。

 だが、すかさず、私の動きを封じるためか、動ける状態にある空喜が超音波による攻撃を放とうとしてきたが、その舌を細切れにする形で斬り裂いたことにより、超音波が炸裂する前に封殺することができたため、そのまま建物内を走り抜け、炭治郎、禰豆子、玄弥の三人を、纏めて外に蹴り飛ばした。

 

「姉ちゃん!?」

 

「優緋!!お前、何する気だよ!?」

 

「うーーー!!」

 

 まさか、私が自分達を外に蹴り飛ばしてくるとは思わなかったのか、炭治郎達から驚いた声と、抗議するような声が返される。

 それに耳を傾けながらも、私は口元に笑みを浮かべたまま、外に投げ出された三人へと視線を向けた。

 

「本体を探して。外にいるのは間違いないからね。見つけたら、頑張って刃で捉えなよ。」

 

 三人が本体を見つけるまで、時間稼ぎをしておくから・・・・・・その言葉は静かに飲み込んで、私は回復を図る四体へと視線を向ける。

 なんとも無茶苦茶なことをしてる・・・・・・そんなことを思いながら。

 

 

最近の傾向から、話が獪岳VS煉獄さんの流れになりそうなのでここで一つアンケート。最終的な√は・・・

  • これまで通り煉獄さん√へ
  • 獪岳が巻き返す獪岳√へ
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