目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件 作:時長凜祢@二次創作主力垢
優緋が炭治郎達に半天狗の本体を探すように指示を出し、分身体を一人で相手にしようとする中、可楽に吹き飛ばされた霞柱・時透無一郎は、刀鍛冶の里に広がる緑の中を走り抜けていた。
かなりの距離を飛ばされてしまった、早く戻らなくてはと思いながら。
辺りに広がるのは暗闇と静寂、そして走り抜ける自身の足音。
─────・・・・・・優緋なら、多分、ある程度持つとは思うけど、それでも任せっぱなしは流石に厳しいよね。
─────・・・・・・だって、あの子は柱じゃないし、いくら煉獄さんの継子とは言え、あの人のように全力で戦闘し続けるのは、かなり負担になってるはずだし。
これまでの自分ではあり得なかった、初めて会った時から記憶に焼き付き、忘れることができない程の存在感を持ち合わせていた、柱ではない一般隊士。
今でこそ、その隊士である優緋は、仮に柱が欠けるようなことが起これば、柱の一人として腰を据えることすらできてしまうであろう実力を持ち合わせている剣士となっていたが、初めて会った時はそうではなかった。
確かに、十二鬼月の中で、下弦と呼ばれる存在を、ほぼ単独撃破できる程の実力はある。
陸とは言え、上弦に名を連ねる鬼からの攻撃も耐久し、柱に繋げる力もある。
鬼殺隊の中では、上澄以外の何物でもない存在であるのは間違いない。
しかし、だからと言って、単独で更に上の上弦に分類する存在とやり合うとなると、彼女自身にかかる負担は凄まじいことになるだろう。
─────・・・・・・しばらくは耐久してもらえるだろうから、まずは里長や技術力が高い人間を優先して救出しつつ、早めの合流が無難。優緋程の実力者を失うのは、現状から考えるに避けた方がいい。
─────・・・・・・高い技術力を持つ鍛治師と、柱に並べる技術を持つ剣士、それを残しておけば、鬼舞辻無惨を確実に殺せる。
そんなことを思いながら、無一郎は森の中を走り抜ける。
しかし、思考に軽く沈み込んでいた意識は、不意に別の方へと向かうこととなる。
どことなく存在感は薄いが、明確な鬼の気配と、その近くにいる人間の気配を感じ取ったがために。
無一郎が、木々の隙間を縫うようにして、気配の方へと視線を向けると、その先には金魚のような化け物と、それに追われている一人の子供がいた。
うっすらと覚えているような、全く知らないような、曖昧の記憶の中に、いるようでいないような子供の姿だ。
その子供は、金魚のような化け物から逃げ回りながら、技術の一つも感じ取ることができない、ヤケクソの剣技で化け物を追い払おうとしているようだった。
─────・・・・・・里の子供・・・・・・刀鍛冶として技術も未熟のはず。助ける優先順位は低いな。
一瞬だけ映り込んだ子供を見て、無一郎はその場から離れようとする。
技術が未熟な存在を助けることに時間を欠くより、技術者と、柱の刀を作ることができる里長や、熟練の者を助けることを優先する・・・・・・それが、自身が果たすべきことであると考えたために。
一人の未熟な存在を助ける間に、熟練者や里長が命を落としてしまったら、間違いなく鬼殺隊にとっての損害であり、鬼舞辻無惨に対する勝率が下がる可能性の方が高いために。
だが、それが正しい判断であるのかという疑問が、彼の頭を過った。
優先順位は間違いないはずだというのに、本当にそうなのかと思ってしまったのだ。
一体何故・・・・・・その疑問を脳裏に浮かべた瞬間、無一郎の脳裏に、見回りに出る際に優緋から告げられた言葉を思い出す。
─────・・・・・・世の中は善因善果、悪因悪果の繰り返しだ。善いことを繰り返せば、それは巡り巡って自分の元に同じくらい善い物として返ってくるし、悪いことを繰り返していれば、巡り巡って同じくらい悪い物が返ってくる。
─────・・・善い行いにより繋いだ縁と繋いだ想いが自分に返ってくるなら、善い行いを多くしていきたいでしょ?
だから私は、“もしも”と言うふわっとした可能性だとしても、善い方向へと転んでいく物を選んでいきたいんだよ。
音を伴って反芻した言葉に、無一郎は一瞬だけ足を止めて、鬼の異能により攻撃をされている子供の方へと走り出す。
彼の視界に映り込んだ子供は、金魚のような姿をした何かに掴み上げられている姿だった。
だが、無一郎がすぐにその子供を掴み上げていた腕を切り落としたことにより、子供は救出されることとなる。
「あ・・・・・・」
「・・・・・・邪魔になるからさっさと逃げてくれない?」
無一郎の一撃により、絶体絶命の状態に陥っていた子供・・・・・・小鉄は、驚いて固まり、自身を助けた無一郎の背中を見上げる。
そんな中、無一郎は目の前にいる金魚のような化け物の首と思われる場所を容赦無く斬り裂く。
しかし、彼の斬撃を喰らった化け物は、すかさず再生するための行動を起こし始めた。
それにより、金魚の化け物の弱点は首ではないと判断した無一郎は、すぐに金魚の化け物の背中にある壺へと剣撃を放つ。
金魚の化け物は断末魔をあげ、その場で消滅した。
「!?まだいます!!」
「!」
やっぱり壺が弱点だったのか・・・・・・そんなことを考える中、無一郎の耳に、小鉄の声が届く。
同時に感じ取れた鬼の気配に、無一郎は剣を振り抜こうと構えるが、彼が攻撃を放つ前に、二つの断末魔が辺りに響いた。
その瞬間、彼は茂みの中から一つの人影が飛び出てくるのを確認する。
「!?霞柱の・・・・・・!!よかった・・・・・・!!ようやく他の剣士と合流できた!!」
無一郎の前に飛び出してきた人影は、雷の呼吸を使用する一般隊士たる青年、獪岳の物だった。
最近の傾向から、話が獪岳VS煉獄さんの流れになりそうなのでここで一つアンケート。最終的な√は・・・
-
これまで通り煉獄さん√へ
-
獪岳が巻き返す獪岳√へ