目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件 作:時長凜祢@二次創作主力垢
走って走って走り続けて、獪岳は常に玉壺を引き付けるようにして動き回った。
全ては南南西にいる鬼殺隊の人間と合流するために。
しかし、上弦の鬼とされている存在から離れるのは容易ではなく、彼は雷の呼吸に重要な足腰を酷使することで距離を稼ぐことしかできなかった。
共に行動を取っていた優緋と、優緋と共に見つけることになった訓練用の絡繰。
知識を持ち得ていなかったからこそ、一人の少年から容赦無く扱かれ、訓練させられると言う散々な目にも遭わせられてしまったが、それでも、獪岳は自身の能力の向上を確かに感じていた。
体力も増え、優緋から教えられた全集中の呼吸を長く維持するために必要な常中なども身につけることができたため、逃亡くらいならば、延々と続けられると思っていた。
しかし、やってみたらそんなに単純な話など存在しておらず、上弦の鬼を引きつけて移動するだけでもかなり体力を持っていかれていることを身を以て経験することとなり、獪岳は焦りを浮かべる。
自身が引き付けている鬼は、凄まじい速さで追ってくる。
時には血鬼術により大量の魚を召喚し、こちら側を襲わせて、時には大量の針を飛ばしてくる魚を召喚する。
ただの針ではない・・・・・・生存本能が一際強く、尚且つ、訓練により直感が強くなったのか、その針に触れてはならないと感じ取り、当たらないようにするのがやっとだった。
自身を追って来る上弦の鬼は、苛立ちを殺気と共に向け、殺しにかかろうとしてきている。
何かしら言葉を口にしているようだが、それらに耳を傾けることなどできるはずもなく、鬼殺隊として確認しようと辺りを見渡す。
─────・・・・・・どこだ・・・・・・!?どこに単独で動いている鬼殺隊がいる!?
次々と変わる景色。だけど、人影一つ見当たらない世界。
本当に南南西の方角に鬼殺隊はいるのかと、不安に駆られながらも走り抜ける。
「うわあああああ!!」
「!?小鉄!?」
不意に、辺りに響き渡る叫び声が、耳を劈くような悲鳴が獪岳に届く。
その声が、最近よく聞いていた小鉄のものであることを判断した獪岳は、叫び声が聞こえた方角へと走り出す。
どう考えても、襲撃されていることがわかるものだったため、すかさず向かう。
それは、ほぼ無意識の行動だった。自身に関係していた存在を助けるためのものだった。
「待てぇ!!」
「チッ・・・・・・!!」
しかし、すぐに距離を詰めてきた玉壺を視界に入れた獪岳は、急いで日輪刀を振り抜き、玉壺の腕を切り飛ばす。
上弦の鬼に損害を与えることはできる実力・・・・・・優緋と出会ったことにより引き上げられた獪岳の感覚は鋭く、玉壺の動きを正確に見抜くことができるほどになっている証拠となるが、それに喜ぶより先に、誰かを助けること・・・・・・優緋と出会ったことにより新たに見ることができるようになった、他人の命のために、獪岳は急ぐ。
・・・・・・程なくして、獪岳の視界に映り込んだ血鬼術による壺魚。
獪岳は地面を強く蹴り飛ばして、目の前にいるそれを消滅させるために、背中にある壺を破壊するために刀を振るう。
「まだいます!!」
「!?」
小鉄の声と共に、彼の側にいる鬼殺隊の一人が勢いよく振り向く。
しかし、彼が刀を振るう前に、獪岳の刀が先に届き、二人を襲おうとしていた血鬼術の魚を消滅させた。
それにより、獪岳は目の前にいた鬼殺隊士の視線と自身の視線を交差させることになる。
自身の方へと目を向けていたのは、霞柱として名を連ねる時透無一郎の姿があった。
「!?霞柱の・・・・・・!!よかった・・・・・・!!ようやく他の剣士と合流できた!!」
ようやく合流した鬼殺隊が、霞柱であると知り、一瞬の安堵に見舞われる。
しかし、すぐに、その場で体勢を整え、刀をしっかりと持ち直した。
「悪い!!上弦の伍の鬼に追われてたんだ!!俺一人じゃどうにもならねぇから協力してくれ!!
いくつか相手の技は見てきたから、その分情報は持ってきた!!」
「・・・・・・わかった。ただ、一旦はこっちの子を戦場から引き離すよ。」
「了解!!」
無一郎と合流した獪岳は、これまでの彼ではあり得なかった、協力を仰ぐ言葉を口にする。
自身が行動を取る中で、会得することができた情報もあることを口にしながら。
獪岳から言葉を聞いた無一郎は、すぐに小さく頷いたあと、交戦前に自身の側にいる小鉄を戦場から引き離す必要があることを告げる。
獪岳はすぐに無一郎の言葉に同意するのだった。
最近の傾向から、話が獪岳VS煉獄さんの流れになりそうなのでここで一つアンケート。最終的な√は・・・
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これまで通り煉獄さん√へ
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獪岳が巻き返す獪岳√へ