目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 更新を再開します。
 なお、これまで以上にコンパクトに区切りながらの執筆になりますので、ご了承ください・・・・・・汗



172. 剣士と芸術家の攻防

 無一郎と合流し、優緋の刀を預かっている鋼鐵塚の元へと向かうことになった獪岳は、刀鍛冶の里の中を走り抜ける。

 程なくしてたどり着いたのは一つの小屋。それを見つけた鉄穴森は、すぐに声を上げる。

 

「良かった!魚の化け物はいない!!あの小屋で作業をしてたんです!!中には時透殿に渡す刀もあります!!

 それを持ってすぐに里長のところへ向かってください!!」

 

 小屋に鬼が近づいていないことに安堵しながらも、新しい刀を手にした後は、すぐに里長のところへ向かってほしいと口にする鉄穴森。

 しかし、無一郎と獪岳は、目の前にある小屋の近くに存在している異質な気配を感じ取っており、獪岳は表情を歪め、無一郎は一瞬だけ目を細める。

 

「・・・・・・いや、駄目だ。」

 

「チッ・・・・・・もう来てやがったか・・・・・・」

 

「へ?げうっ!?」

 

「うわ!?って獪岳さん!!急に腕を引っ張らないでくださいよ!!」

 

「そりゃ悪かったな。だが、近づかねぇ方がいいぞ。」

 

 無一郎と獪岳に止められた小鉄と鉄穴森は、二人の背後へと移動させられる。

 少しだけ鉄穴森は雑な止め方をしてきた無一郎に、この止め方はないだろと言いたげな眼差しを向けたが、刀を手に取り、前の方へと出た無一郎と獪岳を見るなり、警戒したように二人が視線を向ける方角へと目を向けた。

 

「逃げ足の速い子供を追いかけていたが、まさか柱と思わしき子供までやってくるとはな。

 柱まで呼んでくるとは、そんなにこのあばら屋が大切かえ?こそこそと何をしているのだろうな。」

 

 その瞬間、彼らが向かった方角には一つの壺が現れ、そこからにょろりと玉壺が姿を現す。

 

「うーわキッショ!!」

 

「キッショ!!絶対独身だよ!!」

 

 現れた玉壺を見るなり、小鉄と鉄穴森はその見た目から拒絶する言葉を口にする。

 そりゃキショいよな、と獪岳は内心で同意の言葉を口にするが、それは表に出すことなく、静かに刀を構えた。

 

「・・・・・・あれが、君が言ってたヤツ?」

 

「ああ。上弦の伍・・・・・・なんとか俺が引きつけられるだけ引きつけていたヤツだ。」

 

「そう。引きつけるだけじゃなくて、頚もさっさと斬っとけばよかったのに。まぁ、君には無理そうだけど。」

 

「うっせぇな!!それは一番俺が気にしてることなんだよ!!いちいち言ってくんじゃねぇ!!」

 

 無一郎から告げられた言葉に対して、苛立ちを向けながらも、玉壺を見据える獪岳。

 上弦の鬼であることから、目を逸らすなどと言う愚行を起こすなどするわけにはいかないと考えて、獪岳は真っ直ぐと視線を向けていた。

 

 獪岳と無一郎から視線を向けられ、同時に背後にいる二人の里の者を見据えた玉壺は、少しだけ苛立った様子を見せる。

 この場にいるのは人間、四人。折角の観客がいると言うのに、彼は今、披露できるものを手元に用意していなかったのだ。

 

 それは全て、目の前にいる足が異様に速い剣士、獪岳に意識を向けていたせいだった。

 鍛治士たちを襲う前に、出会してしまった柱でもない剣士。しかし、その剣士は、これまで見てきた剣士の中の上澄みではあったが、柱には到底及ばない程の実力だった。

 それならばと、その剣士を自身の芸術に仕立て上げることも一興だと思っていたが、彼はこれまで見てきた者たちの中で、かなりの速さを誇っていた。

 その上、自身が操る壺の魚の弱点を見抜き、それを中央にいた鬼狩りたちへと伝えたため、作品の材料となる人間を確保することができなかったのだ。

 

「四人もの観客がいたと言うのに、そのうちの芸術に理解のない子供のせいで作品を作ることができなかった・・・・・・。よくも邪魔をしてくれたな。」

 

「てめぇの芸術なんざ知るかよ。生憎と、俺はそう言うもんに興味はねぇんだ。」

 

 苛立ちをぶつけるように言葉を口にする玉壺に対して、獪岳は吐き捨てるように言い返す。

 その瞬間、玉壺は獪岳に襲いかかるが、雷の呼吸独自の呼吸法を使用しながら、獪岳は素早く斬撃を放つ。

 その斬撃が、玉壺に届くことはなかったが、獪岳の攻撃の隙を縫うようにして、無一郎が彼を上回る斬撃を放つことにより、正確な一撃を玉壺の頚目掛けて振り抜いた。

 

「ヒョッ・・・!?」

 

 自身が追ってきた剣士である獪岳を上回る速さの斬撃に、すかさず玉壺は回避を選択する。

 しかし、荒屋の上に移動し、すかさず反撃に出ようとするが、瞬時に玉壺の移動先をその目に映していた獪岳が、地面を蹴り上げたことにより、壺から出ようとしたその寸前に距離を詰められ、同時に振り抜いていた黄色が混ざる刀により、壺が容赦無く破壊される。

 獪岳の接近に気づいていたことにより、なんとか壺から出る前に回避することができたが、回避した先には無一郎がおり、彼もまた、手にしていた刀で玉壺の壺を狙っていた。

 大きく響き渡る壺の破壊音。だが、玉壺自身が自分の血鬼術により作り上げた壺は、すぐに獪岳と無一郎から距離を取れる位置に出現させることにより、自身が移動するための場所を確保することができた。

 

「よくも斬りましたねぇ・・・私の壺を!!芸術を!!審美眼のない猿どもめが!!脳まで筋肉でできているような貴様らには、私の作品を理解する力はないのだろう!!それもまた良し!!」

 

「苛立ちながら相手を肯定するとかどうなってんだこいつの情緒。」

 

「まぁ、逃げ回るってことは、さっき、優緋たちと一緒に接触した上弦の肆とは違って、頚を斬ったら死ぬってことだよ。」

 

「は!?優緋も上弦にぶつかってんのかよ!?あいつでさえ、上弦は一人じゃ厳しいって言ってんだぞ!?」

 

「だからさっさと終わらせるよ。いくら上弦と二度ぶつかった優緋だとしても、どれだけ耐えられるかわからないんだから。」

 

 玉壺の言葉に、何言ってんだこいつと言わんばかりの表情を見せた獪岳に、さっさと終わらせて優緋と合流することを指示した無一郎は、自身の刀を構える。

 しかし、その瞬間、玉壺の手元にあった壺から二匹の金魚が現れ、無一郎は警戒する。

 

「!?気をつけろ!!針が飛んでくるぞ!!」

 

「!?」

 

 不意に、辺りに響いた獪岳の声に、無一郎は目を見開く。

 同時に金魚はその場で膨らみ、大量の針を吐き出してきた。

 すかさず無一郎はそれを躱し、獪岳は自身の方へと飛んできた針を、なんとか刀で捌き切る。

 それを見た無一郎は、すぐに反撃に出ようと刀を構えるが、現れた金魚が再び膨らむ姿と

 

「わああ!!小鉄少年!!」

 

 金魚が吐き出すであろう針の拡散範囲になるであろう位置にいる鉄穴森たちの姿を見て、無意識のうちに地面を蹴り飛ばしていた。

 

 同時に放たれた無数の針。視界に入り込んだそれと、危険域にいる鉄穴森たちを見た獪岳だったが、彼の速さでは自身の方に飛んでくるそれを捌くことしかできず、鉄穴森たちはどうなったと言う焦りを浮かべる。

 

「あっ・・・・・・!!」

 

「!?時透殿!!」

 

「!?」

 

 悲痛とも言える小鉄と鉄穴森の声に反応した獪岳は、すかさず声がした方へと視線を向ける。

 そこにあったのは・・・・・・

 

「・・・・・・邪魔だから隠れておいて。」

 

 放たれていた無数の針のうちのいくつかをその身に浴びながらも、鉄穴森と小鉄の二人を守り抜いた無一郎の姿だった。

 

 

 

最近の傾向から、話が獪岳VS煉獄さんの流れになりそうなのでここで一つアンケート。最終的な√は・・・

  • これまで通り煉獄さん√へ
  • 獪岳が巻き返す獪岳√へ
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