目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 少しだけ更新時間がずれました・・・・・・汗
 申し訳ありません。



173. 遠くにある記憶

「あああ・・・・・・っ」

 

「ごめんなさい・・・・・・俺・・・・・・俺・・・・・・っ」

 

 いくつもの針に貫かれ、刺さった場所から流血する無一郎の姿に、鉄穴森と小鉄は固まってしまう。

 二人の声音が震えている様子から、ひょっとこの面の下では涙を流しているのがわかった。

 しかし、二人の戸惑いが露わになったからと言って、鬼の攻撃が止むはずもなく、再び金魚が頬を膨らませ、針を飛ばさんとする。

 

 だが、その針が飛ばされるより先に、素早く動いていた者がいた。

 

 “雷の呼吸 参ノ型 聚蚊成雷!!”

 

「ヒョッ!?」

 

 二匹の金魚の側に飛び出してきた人影は、素早い動きで金魚の周囲を回転しながら波状の斬撃を放つ。

 それにより玉壺の血鬼術により作り上げられていた二匹の金魚は、一瞬にして粉微塵に切り刻まれ、崩壊した。

 

 “雷の呼吸 肆ノ型 遠雷!!”

 

「ぬお!?」

 

 同時に漆黒の雷撃のように、玉壺に迫る人影。

 無一郎の方へと意識を向けていた玉壺は、寸前のところで壺の中に引っ込むことで難を逃れるが、壺の中に入る前に、玉壺の腕は複数斬り飛ばされた。

 

「き、貴様・・・・・・!!」

 

「チッ!!後少しだったのに、もぐらみてェにちょこまかちょこまか壺の中に潜り込みやがって!!」

 

 玉壺は怒りの声を漏らしながら、自身に刃を振るった鬼狩り・・・・・・獪岳へと視線を向ける。

 何度も何度も芸術家の命の一つである腕を切り飛ばしてくる獪岳に、怒りをぶつけるように。

 だが、すぐに玉壺は自身の頬に走るわずかな痛みと、濡れた感覚に気付き、生やしたばかりの腕でその位置に触れる。

 その瞬間、玉壺は自身の目で、触れた手が赤色に彩られていることを把握することとなった。

 

「な!?私の玉体に傷を付けただと!?」

 

「ハッ!!何が玉体だよ!!気色悪いぬめった汚ねェ体の間違いだろ!!」

 

 玉壺の反応を見るなり、吐き捨てるように言葉を言い返す獪岳。

 そんな彼の姿を見た無一郎は、自身の背後にいる鉄穴森と小鉄へと目を向ける。

 

「・・・・・・早くここから離れて。死ぬよ。」

 

「!?わ、わかりました!!

 

「うわ!?時透さん!!獪岳さん!!」

 

 無一郎の言葉を聞き、鉄穴森は小鉄の体を抱き上げてその場から離脱する。

 鉄穴森に抱えられた小鉄は、玉壺と向き合う無一郎と獪岳に声をかけるが、そのまま遠くなる二人の姿を見つめることしかできなかった。

 

「・・・・・・ちょっと。なんで頚を斬らなかったの?さっきの、十分狙えたよね?」

 

「うっせェな!!俺は優緋みたいに上手く頚を斬れねェんだよ!!積極的には狙ってるっつーの!!」

 

「自分が弱いだけでしょ。言い訳なんていらないから。」

 

「こっちはそっちと違って十二鬼月と戦闘すんのは初めてなんだよ!!次は外さねェ!!」

 

「あっそ。まぁ、期待はしないけど。」

 

 頚を斬れなかった獪岳に対して、棘を刺すような言葉を口にしながらも、無一郎は玉壺と向き直る。

 しかし、自身の腕に、少しだけ力が入り難くなっていることに気づいては、わずかに両目を細めた。

 

「ちぃ・・・・・・!!弱いくせに生意気なクソガキが・・・・・・!!」

 

 そんな中、玉壺は獪岳に対する文句を口にしながらも、自身の傷を修復する。

 同時に、目の前にいる無一郎へと視線を向けては、口元にニヤリと笑みを浮かべた。

 

「ですが・・・・・・ヒョッヒョッ・・・・・・!!そちらの柱は針だらけで随分と滑稽な姿ですねぇ!!

 そちらのクソガキの力は高が知れている中、戦力たる柱は針山とは!!どうです?毒で手足がじわじわと麻痺してきたのでは?

 本当に滑稽だ。つまらない命を救って、つまらない場所で命を落とす。」

 

「!!」

 

 うにうにと体を揺らしながら、見下すように言葉を紡いだ玉壺。

 その姿を見て、無一郎は自身の奥底にある記憶の扉がわずかな隙間を開けたような感覚を覚える。

 どこかで聞いたような言葉・・・・・・それを聞いたのはいつだったか・・・・・・一瞬だけ思考の海に沈んでしまう。

 

 ─────・・・・・・つまらない命・・・・・・?

 

 ─────・・・・・・つまらない・・・・・・誰だ?思い出せない。

 

 ─────・・・・・・昔、同じことを言われた気がする。でも、誰に?

 

 ─────・・・・・・聞いたのは夏だ。暑かった。戸を開けてた部屋で、暑すぎるせいで夜になっても蝉が鳴いていてうるさかった記憶はある。

 

 ─────・・・・・・記憶は・・・・・・あるのに、言ってきた存在がわからない。

 

「・・・・・・い・・・!!・・・・・・・・・ぉ・・・・・・!!・・・・・・ぇて・・・・・・のか・・・・・・!?おい!!霞柱!!!!!」

 

「!!!?」

 

 不意に、鼓膜を鋭く揺らす獪岳の声が聞こえ、無一郎はハッとして獪岳を見る。

 無一郎の視界に映り込んだ獪岳は、明らかに苛立ちを抱いたような表情を浮かべていた。

 

「何ぼーっとしてんだ霞柱!!今はそれどころじゃねェだろ!?」

 

「・・・・・・うるさいな。大きな声を出さなくてもいいよ、聞こえてるから。」

 

「だったらぼけっとすんな!!で?アイツが言ってた痺れってのは・・・・・・」

 

「・・・・・・うん。少しだけ感じてる。多分、神経毒か何か。」

 

「チッ・・・・・・厄介な毒持ち出しやがって・・・・・・!!」

 

 無一郎の返答を聞き、獪岳は悪態をつきながらも刀を構える。

 雷の呼吸特有の呼吸音を立てながら、刀を握る手に力を込めた。

 

「・・・・・・今のところ、まだ動けるけど、少しだけ動き難いから、合わせて。さっさと終わらせる。」

 

「・・・・・・ハァ・・・・・・わかったわかった。言っとくが、俺は優緋にしか合わせたことねーからな。なんかあっても文句いうなよ。」

 

「合わせられなかったら囮にするから別に。」

 

「誰が囮だ!!」

 

 無一郎に言い返しながらも、刀を握り直す獪岳。

 それを見た無一郎もすぐに刀を構えて、目の前にいる玉壺を睨みつけた。

 

 

 

最近の傾向から、話が獪岳VS煉獄さんの流れになりそうなのでここで一つアンケート。最終的な√は・・・

  • これまで通り煉獄さん√へ
  • 獪岳が巻き返す獪岳√へ
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