目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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174. 水牢の霞

 無一郎からの指示を受け、刀を握り直した獪岳は、無一郎の動きに合わせるようにして刀を振るう。

 自身が共闘したことがあるのは優緋だけ。他の柱と共に、刀を振るったことなど一度もなく、優緋程の観察眼がない獪岳からしたら、ぶっつけ本番で、柱の動きに合わせて刀を振るうなんてことは、今回が初めてだった。

 

 優緋は、自身の力は、柱に比べたら少しばかり劣ると言っていた。

 柱として刀を振るう剣士たちの動きは、明らかに洗練されており、完璧に合わせられるまで時間がかかると口にしてしまうほどに。

 獪岳から見たら、そんな風には見えなかった。優緋の動きは誰よりも鋭く、誰よりも早く、そして、的確に鬼と人間の全てに合わせて刀を振るっていた。

 だからこそ、獪岳は、そこまで謙遜する必要があるのかと疑問に思っていた。

 

 だが、ここに来て、ようやく獪岳は、優緋が口にしていた言葉の意味を理解した。

 先行して刀を振るう霞柱たる無一郎は、麻痺毒を喰らっていると言うのに、そんな毒など食らったところでと言わん程に鋭い攻撃を放っていた。

 柱と呼ばれる存在は、毒を喰らっても、鬼に先行して喰らいつけるほどの力を持っているのかと、思わず驚いてしまうほどだった。

 

 ─────・・・・・・優緋が言ってた、柱の実力ってのはこれなのか。

 

 ─────・・・・・・毒を喰らっても、鋭い一撃を放てるほどの力があり、正確に鬼を捉える技術がある。

 

 ─────・・・・・・まぁ、優緋にもできそうっちゃできそうだが、優緋自身は、自分はまだ能力が成熟してないって言いたいんだろうな。

 

 かつては才覚に恵まれていると驕り、周りを見下してきた獪岳。

 そんな獪岳ですら、才能があると言うのはこう言うことかと言わんばかりの技術力を持ち合わせている優緋。

 昔の彼であれば、なんで自信を持たない?嫌味でも言ってきてんのかと反発していただろうが、実際の柱の力や、優緋の能力を見比べると、少しだけ納得できてしまう部分があった。

 

 ─────・・・・・・毒を喰らっても動き回れる・・・・・・やっぱ、柱ってのはかなりの実力と耐性がいるんだな。

 

 もし、優緋が毒を喰らったとしたら、優緋は動けなくなるのだろうか・・・・・・そんなことを思いながら、無一郎の動きに合わせて刀を振るい、少しだけ無一郎の様子を観察する。

 よく見ると、無一郎は刀を握りしめる手に、何度も力を入れ直している様子があり、少しずつ動きが鈍くなりつつあるようだった。

 

 ─────・・・・・・とは言え、この毒は厄介みてーだな。霞柱の動きが、徐々におかしくなってやがる。

 

 優緋と共に過ごしていたことや、絡繰人形を用いた訓練をしていたことから、多少なりとも観察力や、能力の向上を図ることができた獪岳は、一度だけ目を瞑ったのち、鋭く地面を蹴り上げた。

 

 “雷の呼吸 弐ノ型 稲玉 !!”

 

 玉壺との距離を詰め、鋭く放つ五連撃の斬撃。

 連続で放たれた攻撃に、玉壺はすかさず回避をこなすが、再び獪岳は地面を蹴り飛ばす。

 

 “雷の呼吸 参ノ型 聚蚊成雷!!”

 

 再び距離を詰めて放たれたのは、回転しながら放たれる波状の斬撃。

 玉壺はすぐに獪岳から距離を取るように、離れた位置へと壺を出現させるが、玉壺が壺から出てくる前に、獪岳は一撃を放っていた。

 

 “雷の呼吸 肆ノ型 遠雷!!”

 

 壱ノ型のような居合ではないが、一瞬にして距離を詰めて一閃を放つ斬撃。

 霹靂一閃に比べたら威力は落ちるが、鋭さと素早さを持ち合わせたそれに、玉壺は少しだけ焦ったように回避を行った。

 だが、そんな玉壺を確認した無一郎は、すぐに玉壺との距離を詰めて、手にしていた刀を思い切り振り下ろした。

 

 玉壺の頚に叩き込まれる刀の刃。

 その一撃は、玉壺の頚に食い込み、胴と頭を斬り離そうと押し込まれる。

 壺に潜り込む回避を行えば、そのまま頚が斬り飛ぶはず・・・・・・そう思って獪岳は刀を強く握り、追撃を放とうと地面を強く踏みつける。

 だが、その足が地面を蹴り飛ばすより先に、玉壺が壺を変えていた。

 

 構えた壺から溢れ出る水流。

 それは、獪岳と無一郎の両方を飲み込まんと勢いよく押し寄せる。

 玉壺から離れた位置にいる獪岳は、攻撃を行うために地面を踏みつけた足の力の動きを変え、水から逃れるようにして近くにあった木の枝へと飛び移る。

 対する無一郎は、玉壺との距離が近すぎたことや、毒による動きの鈍りにより、その水流へと飲み込まれた。

 

「霞柱!!!!」

 

 無一郎を飲み込んだ水流は、壺の形へと変化して、その中へと無一郎を閉じ込める。

 それを見た獪岳は、無一郎に叫ぶように声をかけるが、辺りに響いた笑い声により、意識を無一郎から離さざるを得なくなる。

 

「ヒョヒョッ・・・・・・一匹逃がしてしまいましたが、柱は捕えることができたようだ。

 “血鬼術 水獄鉢”・・・・・・どうです?美しいでしょう?水により作り出された完璧な我が壺。その中で行われる窒息死・・・・・・この景色も乙なものだ、美しい。

 そして、素早い斬撃に追い詰められ、頚に刃を当てられ、背筋からヒヤリとする感覚・・・・・・これもまたとても良い・・・・・・。」

 

 不敵な笑みを浮かべながら、言葉を紡ぐ玉壺。

 水の中へと閉じ込められた無一郎を見た獪岳は、その表情を焦りに歪めた。

 

 

 

最近の傾向から、話が獪岳VS煉獄さんの流れになりそうなのでここで一つアンケート。最終的な√は・・・

  • これまで通り煉獄さん√へ
  • 獪岳が巻き返す獪岳√へ
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