目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件 作:時長凜祢@二次創作主力垢
錆兎と真菰と話した結果、今日この日はヒノカミ神楽に重点を置くことになった。
朝起きて朝食を食べて、炭治郎と禰豆子を鱗滝さんに預けた私は、錆兎たちの元へと向かう。
「おはよう、錆兎、真菰。」
「ああ。」
「うん。おはよう、優緋。」
いつもの場所に足を運べば、すでに錆兎と真菰の二人がその場にスタンバイしていた。
二人に挨拶をした私は、すぐに一定の距離を二人から取り、持ってきていた刀を鞘から引き抜く。
「じゃあ、今から始めるよ。ヒノカミ神楽……年初めに夜明けまでずっと舞い続ける神楽……。数時間ずっと舞い続けるから、しっかりと見て、違和感があるところや、気になった点、滑らかじゃなかった場所……それらを教えてほしい。」
「ん、わかった。」
「いつでも始めていいぞ。」
二人の声を合図に、私は深く深呼吸をする。
そして、ヒノカミ神楽……日の呼吸特有の強風のような音を発生させる呼吸を使いながら、刀を持って舞い始める。
円舞、碧羅の天、烈日紅鏡、灼骨炎陽、陽華突、日暈の龍・頭舞い、斜陽転身、輝輝恩光、火車、幻日虹、炎舞……十二の型を繋げることで円環を成し、繰り返し繰り出す始まりの呼吸。
前に比べたら体力の消費は抑えることができるようにはなっている……けど、緑壱さんには遠く及ばないそれにはきっと、多くの無駄が存在している。
錆兎と真菰が、どこをどうしたらいいかわかるかはわからない。
炭治郎も、完成された型を一度見たことにより、それに追いつけるようになったのだから、当然なのだろう。
でも、外側の意見があるのとないのとでは、練度の上がり方は変わってくると思う。
そう思いながら、何度も何度も私は繰り返す。
体力の限界……それが訪れるまで。
「っ……!!」
……しばらくして、私の手から刀が離れた。
ガシャンという音を辺りに響かせ、それは地面に落下し、私は累積された疲労に従うように地面に膝をついた。
「大丈夫?」
真菰が慌てて駆け寄ってくる。
私は小さく頷きながらも、なんとかその場で立ち上がる。
「何か……気づいたことや、気になった点はあったか?」
そして、すぐに先程の舞の中で気になったことはあったか二人に問いかけた。
「……錆兎。」
「ああ。」
私の質問を聞いた錆兎と真菰は、少しだけ思案したあと静かに口を開く。
曰く、一部の動きの中に大きく動きすぎている場所に気がついたとのことだ。
私の体格にしてはかなり大きすぎて、そこで体力を持っていかれたのではないかと二人は口にした。
それは参考にしなくては……体力を回復するついでに、私は具体的な内容を聞くのだった。
……少しの休息を終え、再びヒノカミ神楽を舞う。
二人に指摘された場所を気をつけてみると、驚くほどに体力の消費が少なくなっていた。
「……二人の指摘通りだったな。」
「よかった。」
「ヒノカミ神楽はよくわからないが、少しでも参考になったなら安心した。」
「また変な点があったり、おかしいと思ったり、私の体格に合ってないような場所を見つけたら教えてくれるか?」
「もちろん。」
「ああ。それくらいなら構わない。」
うん。
やっぱり第三者に見てもらうのが一番練度上げになる。
そう思いながら、私は繰り返し繰り返し、ヒノカミ神楽を舞い続けた。
……そうすること数時間。
いつの間にか夕暮れとなっていた。
錆兎と真菰の二人には何度も違和感や無駄な部分を指摘された。
日の呼吸をよく知らない第三者から見ても、無理しているように感じると言われた場所を無理してると言われなくなるまで調節し、足運びにも気をつける。
すると、驚くほどに体力の減りが少なくなった。
「見ているうちに、優緋がどの型を苦手としているのかわかってきたな。」
「うん。ずっと見ていると、いくつか無理をして出してるように見えた。」
「マジか……。」
少なくなったとは言え、疲れるものは疲れる、と思いながら座り込んでいると、二人からハッキリと苦手な型が複数見つかったという指摘を受けてしまった。
もちろん、苦手な型があるのは気づいていた。
けど、ほんの二個程度かと思っていたんだが、二人の発言からすると、それ以上あるのかもしれない。
「お前が苦手にしてる型……それを教えるから、明日はそれを重点的に練習してみたらどうだ?」
「苦手な型を繰り返し繰り返しやっていけば、体力の減り加減も抑えることができると思うし、練度も上げることができるから、私もその方法を勧めるよ。」
「……ああ。ありがとう、錆兎。真菰。そうさせてもらうよ。」
三人で穏やかに笑いあいながら、少しの会話を行い、今日のところは一旦解散する。
……刀が届く日まで、あと八日。