目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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34.登場、我妻善逸! やっぱ私も求婚対象なのか…

「南南東!南南東!南南東!! 次ノォ場所ハァ南南東!!」

 

「はいはいわかってるから。ったく、ちょっとくらい静かにしてくれよ天王寺。つか普通に話してくれ……」

 

「ダカラ様式美ッテ言ッテルダロ。」

 

「だとしてもうるさい。炭治郎と禰豆子が起きたらどうしてくれんの。この子らにはしっかりとした休息が必要なんだから。」

 

 あれから、珠世さんと愈史郎の二人と別れた私は、天王寺の案内に従って、浅草から南南東の方へと足を進めていた。

 こいつ、意外と話がわかってくれるので、静かにしてくれって言ったらちゃんと普通に話してくれる。

 なんで炭治郎にはあんなに当たり強かったのか……と少しだけ思った。

 ……男女の違いか?

 

「頼むよ!!」

 

「あ?」

 

 なんて考えていると、かなりの大きな声が聞こえてきた。

 見事なまでのしものボイス……明らかに善逸だ。

 

「頼む頼む頼む!! 結婚してくれ!! いつ死ぬかわからないんだ俺は!! だから結婚してほしいというわけで!! 頼むよォーーーーーーーッ」

 

「……なーにやってんだあのキンキラキン。」

 

「気持チ悪イナ 道ノ真ン中デ女ニ スガリツイテ……。男ダッタラ 女カラ スガリツイテクルヨウニナレヨ 俺ミタイニ。ミットモネェゼ……。優緋。オ前モ アンナ男ト籍入レスンノハ 止メテオケヨ。頼モシクテ シッカリトシタ スガリツケルヨウナ 男ヲ オススメスルゼ。」

 

「めちゃくちゃ流暢に話し始めたな天王寺……。」

 

「流石ニ アレヲ見タラナ。忠告クライ シタクナルッテ 話ダ。人間ノ美醜ハ 鴉ニハ ワカラナイガ モットイイ男ニ オ前ハ 出会エルト思ウゼ。勘ダガ。」

 

「勘かい……。」

 

 天王寺とドン引きしながら会話をする。

 結婚してと女の子にすがりつく善逸と善逸にすがりつかれている女の子を見ながら、鴉と会話する女って、側から見たらシュール以外の言葉がないな……。

 まぁそれはそれとして、この会話でよくわかったのは、天王寺は私が女だからそれなりに気を使ってくれているということだ。

 ……突かれないし、やかましいって言ったら大人しくしてくれるから女でよかったよ。

 

 ……じゃなくて。

 善逸をまずは落ち着かせて……

 

「チュンチュン!!」

 

「ん?」

 

 一旦善逸を止めようと一歩足を踏み出すと、一羽の雀が私の元に飛んできた。

 手のひらを差し出してみると、雀はすぐにそこに乗り

 

「チュン! チュン!」

 

 訴えかけるように羽をパタパタさせながら鳴き始めた。

 

「なるほど。まぁ、確かに私は女だけど、やるだけやってみるよ。キンキラ少年が私に意識を向けてくれたら、彼女を離すこともできるだろうしな。」

 

 不思議と、私は雀の言葉がわかった。

 “あの剣士、ずっと女の子にすぐちょっかい出す上、色々と煩くて困ってるんだ。おまけに仕事にも行きたがらないし。女の子であるあなたに頼むのは申し訳ないけど、落ち着かせるのを手伝って”と言っていた。

 

 いやぁ、鬼滅の世界で動物会話を身につけることになるとはね。

 まぁ、面白いけどさ。

 

 そんなことを思いながら、私は善逸に近寄る。

 

「助けてくれ!! 結婚してくれ!!」

 

「こらこら。そこのお嬢さんがかなり困ってるだろう? 女の子の感情の機微がわからないようじゃ、婚姻成立は夢のまた夢だと思うけど?」

 

「へ?」

 

 そして、いつもの軽い調子で善逸に話しかければ、善逸はハッとしては顔を上げてきた。

 そして目を見開いて固まる。

 ああ、なんとか意識をこっちに向けることができたみたいだ。

 

「あんた、今のうちにこの場から立ち去りなよ。怖かったな。もう大丈夫だから。」

 

「は、はい! ありがとうございます!」

 

 それを確認した私は、すぐに善逸に絡まれていた女の子にこの場から立ち去るように声をかける。

 女の子はすぐに善逸から離れて、パタパタとその場から立ち去っていった。

 

「やれやれ……。男ならもうちょっと女心理解しなよ。さっきの彼女、結構な迷惑になっていただろうよ。まぁ、それは今はいいか。ほら。さっさと立ちなよ。涙も拭いてさ。男がいつまでも地面に這いつくばるなんてみっともないと思うけど?」

 

 女の子を見送った私は、軽く呆れながらも地べたに座り込む善逸に手を差し伸べ、さっさと立つように促す。

 が、それはすぐに間違いだったかもしれないと判断した。

 

 だって、善逸が両手で差し伸べた手を逃さんとばかりに掴んできたからね……。

 

「…………。」

 

 思わず無言になる。

 嫌な予感しかしないのだが……?

 

「君、最終選別の時に女の子を守っていた子だよね!? あの時は混乱していたしいろいろいっぱいいっぱいだったから気づかなかったけどすごく可愛い女の子だったんだ!! こんな俺にも優しく手を差し伸べてくれてるってことはそういうことだよね!? さっきの子を追い払ったのもつまりはそういうことだよね!? だってすっごく優しく声をかけてくれてるもん!! それ以外なんてありえないよね!? なぁ、頼む!! 頼むよぉ!! 俺すっごい弱いからいつ死んでもおかしくないの!! きっと明日には死んでるとしか思えないの!! だから死ぬ前に少しでも幸せな生活を女の子と送ってみたいわけで!! なぁ!! 結婚してくれよォーーーーーッ!!」

 

「ええ……?」

 

 うん、嫌な予感は的中したわ。

 やっぱり善逸にとっては女である私も十分求婚対象なんだな。

 見境ないところとかあるし、女の子に触ってもらえるってだけでしんどいはずの訓練も笑顔で受けてるもんな……。

 ……勘弁してくれよ。

 

「悪いが、私は頼りない男に娶られるつもりはないんだ。強くてたくましくて頼もしくて、それでいて側にいて楽しいと思える相手が理想でね。まぁ、君が多少なりとも強くなるために修行するなら、考えなくもないけど、今の君は、ちょっとお断りしたいかなぁ?」

 

「なんでェーーーーッ!! 俺に手を差し伸べてくれたじゃん!! それって俺が好きだからでしょ!? 女の子追い払ったのも嫉妬からでしょ!? 断る理由なんてないじゃんかァーーーーッ!! お゛ね゛か゛い゛た゛か゛ら゛お゛れ゛と゛け゛っ゛こ゛ん゛し゛て゛ェ゛ーーーーッ!!」

 

 ………なんで手を差し伸べてくれたイコール自分のことが好きだからという思考になるのか永遠に謎になりそうだ。

 あの女の子相手にも、蹲ってる自分を心配して話しかけてくれたんだからイコール俺が好きってこと……みたいな考えからだったもんな。

 ある意味で、この子も頭のネジが飛んでいるのかもしれない。

 

 

 ……それより、しっかりきっぱり断らないと、炭治郎と禰豆子が暴れそうだ。

 どうやってこれ落ち着かせりゃいいのかね……?

 

 

 

 

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