目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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60.蝶屋敷での生活。機能回復訓練・序

 あれから早くも一週間。

 村田と尾崎さんは毎日のように私のお見舞いに来てくれた。

 今日はどんなことがあったとか、柱からこう言われた、などの近況報告や愚痴のほか、今もなお健在な鬼殺隊隊員の話など、さまざまな話題を二人はいつも持ってくる。

 その話の中で、少しだけ驚いたのは、サイコロステーキ先輩こと噛ませ犬先輩に関してだった。

 

 どうやら彼は、お見舞いに来たあの日からずっと、自主的に鍛錬を行い、かなりの鬼を倒していたらしい。

 村田曰く、新人である私に庇われたことや、あの日の私の言葉がかなり効いたのではないかとのことだ。

 

 前までは噛ませ犬先輩に対して不満を抱いていた隊員が複数いたらしいのだが、今はむしろ彼の向上心や、少しずつ力をつけていっては、そこそこの力ある鬼を倒していることが評価されて、彼と一緒に鍛錬している隊員が増えたと笑いながら言っていた。

 

 ああ、見舞いといえば、那田蜘蛛山の入口付近にいたあの隊員も見舞いに来てくれている。

 時にはキャラメルを持って来てくれたり、村田と尾崎さんのように、何気ない話題を持って来てくれたりして退屈しない日々だ。

 

 尾崎さんとは同性ということもあり、非番が重なった時に、二人でちょっと町に行ってみないかと誘われる程に仲良くなった。

 同性の友達が欲しかったので、かなり嬉しい。

 いつか、蜜璃やしのぶ、カナヲやアオイ、すみ、きよ、なほたちとも友達になりたいところだ。

 

「優緋さん。体調はどうですか?」

 

 そんなことを考えながら、病室の天井を見つめていたら、しのぶさんが体調はどうかと話しかけてきた。

 いつもの問診の時間になったらしい。

 

「しのぶさん。はい。皆さんのおかげでとても良くなりました。まだ僅かな気怠さはありますが、一週間前に比べたらぜんぜん違います。」

 

 一週間、退屈かと思ったけど、思ったより早く時間が経ってよかったな、楽しかったし……なんて思いながらしのぶさんに今日の体調を教えると、にこりと穏やかな笑みを向けられた。

 相変わらず綺麗な笑顔だな……匂いは複雑な感情を訴えて来てるけど。

 

「では、今日から機能回復訓練に入りましょう。未だに残る気怠さは、一週間寝たきりだったこともあると思うので、それの改善も兼ねて。」

 

 彼女から感じ取ることができる匂いから、複雑な感情を抱いていると、素晴らしい笑顔で機能回復訓練を始めることを告げられた。

 

「……機能回復訓練?」

 

「はい。」

 

 首を傾げながら問いかければ、彼女は肯定するように頷いたあと、移動することを口にする。

 私はそれに従って診療ベッドから降りる。

 しのぶさんはそれを確認するなり、ゆっくりと病室を退室していった。

 

 

 

 ………しばらく彼女の後ろを歩いていると、訓練場と記された部屋に着く。

 しのぶさんがそこに入って行くので、私も続いて部屋に入った。

 そこにはアオイとすみ、きよ、なほの三人組と、カナヲの姿がある。

 

「機能回復訓練はここで行います。初めてですから、最初に軽い説明をしますね。」

 

「はい。」

 

 訓練場に入るなり、口を開いたしのぶさんに短く返事を返した私は、その場に正座して座り込む。

 話を聞くならば、それ相応の姿勢をしなくては……。

 

「まず、優緋さんには、寝たきりで硬くなった体を、彼女たちにほぐしてもらいます。その次に反射訓練を行います。あちらの机には、薬湯が入った湯呑みが複数置いてあります。それを互いに掛け合うのですが、湯呑みを持ち上げる前に相手から湯呑みを抑えられた場合は湯呑みを動かせません。最後に、全身訓練として訓練場全体を利用した鬼ごっこをします。相手はカナヲとアオイ……そして、時間がある時に私がお相手しますね。」

 

 ……………ん!!?

 

「え、しのぶさんも相手に………?」

 

 な、なんかおかしな言葉が聞こえて来たような気がしたので、確認するように声をかける。

 

「はい。反射訓練と全身訓練……時間がある時にはどちらとも私が相手になります。」

 

「な、なぜに……!?」

 

 間違いではありませんでした……。

 いやいやいやいや!!

 なんで現柱も訓練の相手になるんだよ!?

 

「なぜって……それはもちろん、優緋さんの力を伸ばすためですよ。新人でありながら十二鬼月を相手に無傷で倒すことなど、滅多にないことですからね。鬼のご兄弟を連れていることに関しては、賛否両論……いえ、どちらかと言うと否定意見が過半数でしょう。しかし、優緋さんの純粋な実力に関しては、私たち柱もある程度評価しています。なので、お館様の意向もあり、なるべく実力を伸ばす方向となりました。これは、柱合会議にて話し合った結果です。だから、少しだけ覚悟していてくださいね? 新人であろうとも、私は容赦するつもりはありませんから。」

 

「……ま……マジっすか……?」

 

「はい。」

 

 笑顔で肯定されてしまった。

 え……私、原作以上にきつい目にあうのではこれ……?

 いや、ありがたくはあるけど病み上がりでいきなり……?

 

「さぁ、では始めましょうか。まずは体をほぐしましょうね〜。」

 

「…………は、はい……。」

 

 正直言ってすごく泣きたい。

 明らかにハードな修行になるじゃん……!!

 常中維持や痣の発現にはもってこいかもしれないけど絶対きついじゃん!!

 せめて一週間に一度だけにしてくれしのぶさん!!

 

 ……って、言えたらどれだけいいことか。

 そんなの言えるわけがない……。

 言ったら最後、厄介というかめんどくさいというか、最悪な事態になる未来しか見えない!!

 

 はぁ……三ヶ月……私は持つのだろうか…………?

 

 

 

 

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