目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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84.鬼狩りたちの目覚め。断罪せよ、心につけ入る悪鬼を

 日の呼吸を使いながら、前方三両を守っていると、後方の車両から落雷のような音とかなりの揺れが発生した。

 

「おわ!?」

 

 その揺れの原因が何か理解できるけど、これ程までの衝撃とは思わなかった。

 バランスが軽く崩れる。

 だが、すぐに体勢を立て直した私は人を襲おうとしている肉塊を斬り裂いた。

 かなりの速さで煉獄さんの匂いが近づいてくる。

 そろそろ合流する頃か。

 

「竈門少女!」

 

「おはようございます、寝坊助柱さん。」

 

「ははは! それは掘り起こしてくれるな!! 引きこもりたくなる!!」

 

 寝坊助という言葉に軽く恥ずかしげに顔を赤らめながら指摘するなと言ってきた煉獄さん。

 その姿に小さく笑いながら、肉塊をある程度斬りつける。

 

「作戦は?」

 

「うむ! 手短に話すとこの汽車は八両編成だ! 故に、俺は後方五両を守る! 残りの三両は黄色い少年と竈門弟妹が守る! そして君と猪頭少年は、三両の状態に注意しつつ、鬼の頚を断ち切る!! いいな!」

 

「了解しました。なんとなく見当はついているので、炭治郎たちの様子に気をつけながらやってきます。絶望を蜜に楽しむ鬼に、ちょっとした贈り物をしてきますね。」

 

「理解が早くて助かる! では、作戦を開始するとしよう!!」

 

「はい。」

 

 手短に作戦内容を聞いた私は、彼の指示を承諾する言葉を口にする。

 それを聞いた煉獄さんは、満足気に頷いた後、足に力を加えて床を蹴り飛ばした。

 

「はっっや……」

 

 一瞬にしていなくなった煉獄さんの姿に思わず速いと言葉を漏らす。

 だが、すぐに頭を切り替えては、辺りの肉塊を斬り裂いていく。

 

「ねえちゃん!!」

 

 “ヒノカミ神楽 日暈の龍 頭舞い!!”

 

 そんな中背後から炭治郎の声が聞こえてきた。

 振り返ってみれば、彼は陸ノ型を使用して、辺りの肉塊を斬り裂いていた。

 

「流石炭治郎。しっかり教えたことができてるな。」

 

「うん!」

 

 その姿を見て優しく声をかければ、炭治郎は笑顔を見せた後、再び日の呼吸を使い肉塊を斬り裂く。

 

「ねえちゃん、ここ、おれがやるから!」

 

「わかった。任せるよ、炭治郎。ああちょっとした助言だ。ヒノカミ神楽は神楽として舞っていただけあり壱から拾弐ノ型まで全て繋げることができる。まだ動きにムラがないこともないが、長時間舞えるように訓練したから炭治郎も動き続けることができるはずだ。試してみな。」

 

「わかった!!」

 

 合流した炭治郎に日の呼吸の秘密を軽く教えると、彼は小さく頷いた後、壱ノ型から繋げ始める。

 

「一車両全体を守るのは骨が折れるが、炭治郎ならできるよ。頼んだからな、みんなのこと。」

 

「うん!!」

 

 彼の声を聞くなり、近くの車窓から屋根へと移動して石炭が積まれてる前方へと走る。

 つけていた鈴を外した厄除の面を装着して、日の呼吸を使いながら、同時に透き通る世界へと入る。

 

「鬼の頚!! 鬼の急所ォオオオ!!」

 

「おっと。」

 

 伊之助の声が聞こえてきた。

 このセリフはよく知っている。

 次に起こる展開も。

 

 視界に入った伊之助が、複数の手に襲われている。

 

 “日の呼吸 玖ノ型 輝輝恩光!!”

 

 その手を全てねじれ渦と同じ攻防一体技として使える玖ノ型を使い、その肉塊を斬り裂き、伊之助の安全を確保した。

 

「伊之助! 鬼の頚が真下にある! 頼めるか!?」

 

「ああ!!」

 

 “獣の呼吸 弐ノ牙 切り裂き!!!"

 

 伊之助が繰り出した斬撃がこの車両の床を破壊して、魘夢の頚の骨を露出させる。

 すぐにこれを断とう。

 

 そう思った矢先だった。

 ずるりと言う嫌な音と嫌な匂いがした。

 すかさず碧羅の天ではなく灼骨炎陽を使用する。

 辺りに鮮血が飛び散った。

 

「うお!? キモッ!! なんだこれキモッ!! 目玉がぎょろぎょろ大量に出てきやがった!!」

 

「血鬼術だな。目を合わせたら眠る感じだろ?」

 

「目を合わせなきゃいいんだな!!」

 

「そういうこと。まぁ、あんたの場合どこに目があるのかわからないから相手も合わせづらいだろうがな。」

 

 冷静に分析を伝えながら、私は透き通る世界を使いながら刀を振るう。

 無数の裂傷をつけることで、魘夢の動きを鈍らせて行く。

 伊之助は襲いくる手を全て斬り払い、魘夢の回復を鈍らせる。

 

 ……不意に、伊之助の背後で揺らめく人の姿が視界に入る。

 彼は錐を片手に伊之助に襲い掛かろうとしていた。

 

「物騒なことやろうとすんじゃないよ。」

 

 すかさず私は錐目掛けて刀を振った。

 伊之助に襲い掛かろうとした運転手の手は傷つけない。

 

 パキンッという音が発生し、錐の先が折れる。

 それに驚く運転手の首に、私は手刀を叩き込んだ。

 

「!?」

 

 運転手が意識を失う。

 やれやれと溜息を吐きながら、とりあえずその人を抱えた私は伊之助に目を向ける。

 

「伊之助! これだけ斬った今なら狙える!! 頚を断つ!!」

 

「!!」

 

 “獣の呼吸 肆ノ牙 切細裂き!!”

 

 伊之助に指示を飛ばせば、彼はすぐに反応しては、床に大きな一撃を叩き込む。

 それにより再び露出した魘夢の頚の骨。

 思った通り、目と手を斬りまくられた魘夢の回復速度はかなり落ちているようで、修復が追いついている様子がない。

 

 運転手を安全地帯に一旦座らせた私は、すぐに刀を握り直す。

 

「どうやら、私の方が先だったみたいだな、下弦の壱。」

 

 “日の呼吸 弐ノ型 碧羅の天!!”

 

 刀を両腕で握りしめ、腰を回す要領で空に円を描くように振るう。

 垂直方向に強力な一撃を叩き込むそれは、かなりの威力を誇り、固い骨すらも容赦なく断ち斬る。

 

「ギャッ…ギャアアアア!!!

 

 辺りに断末魔が響き渡った。

 

 

 

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