目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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92.継子への勧誘

 お館様と話した翌日。

 自身の痣のこともあり、一日休んだだけで体調が全快になった私は、蝶屋敷の訓練場にて、善逸と伊之助を眺めていた。

 

 なぜかって?

 善逸と伊之助が、しのぶさんたちに修練を頼んだからだよ。

 どうやら、煉獄さんと一緒になって上弦の参である猗窩座と渡り合っていた私の姿を見て何かしらの火がついたのだとか。

 急に時間がある時に修行をつけて欲しいと言ってきたとカナヲから聞いた。

 

 理由に関して何だが、どうやら善逸は、ぶっ倒れるまで戦った私の姿を見て、守られた上、無理をさせてしまったと思ったらしく、私を守るにまで至らなくても、支えるように戦えるくらいには強くなって、少しでも負担を減らしたいと言っていたそうだ。

 

 しのぶさんから聞いた。

 

 伊之助に関しては、私に対する闘争心だった。

 修行の様子を見ようと訓練所に足を運んだ瞬間、直接宣戦布告してきたよ。

 “絶対ェすぐに追いついたあと、テメェをけちょんけちょんに負かして追い抜いてやるからな!”って。

 挨拶代わりの猪突猛進な突進と一緒に。

 もちろん、突進は軽々躱しておいた。

 遅かったし。

 

「竈門少女はいるか!」

 

「ん? 煉獄さん?」

 

 なんて、善逸と伊之助が修行を始めた理由をひとり物思いにふけながら回想していたら、煉獄さんの声が聞こえて来た。

 

「ここにいたか! 探したぞ!」

 

「声でかっ……じゃなくて、どうかしましたか?」

 

 訓練所の出入口から顔をひょっこりと覗かせてみると、そこにはやはり煉獄さんの姿があった。

 蝶屋敷の仕事をこなしていたなほちゃんたちが、慌てて煉獄さんの後を追ってる様子から、おそらくアポなしなんだろう。

 

「賑やかだと思えば、煉獄さんじゃないですか。どうしたんです?」

 

「ああ、竈門少女に少し用があってな!」

 

「声の大きさは抑えてください、煉獄さん。治療中の隊士たちも数人いるので。というか、治療所、または病院では大きな声で話すのは原則禁止ですよ。」

 

「すまん! 以後気をつけよう!」

 

「だから声が大きいです。」

 

 ……なんか、目の前で妙なコントが発生した。

 気をつけようと言いながらでかい声で話してどうする。

 

「用とはなんでしょうか?」

 

 まぁ、煉獄さんの声の大きさに関しては今は一旦置いといて……。

 私に用事とはいったいなんなのやら……。

 妙な既視感を覚えながらも、とりあえず煉獄さんに用件を聞く。

 

「うむ。俺の継子にならないかと誘いにきた!」

 

「…………え……。」

 

「………あー……やっぱりそうなりますか。なりますよね。」

 

 どーんと胸を張り、どこを見てるのかわからない表情で継子にならないかと誘いにきたことを告げる煉獄さん。

 ひくっと引き攣った笑みを浮かべながら固まってしまう。

 しのぶさんは呆れたような声音で予想してましたよと言いたげに呟く。

 

「此度の猗窩座との戦いの際、君が見せてくれた実力は凄まじかった! 君と共に修練を重ねれば、猗窩座にも刃が届くだろう! そこで、君を俺の継子とし、一緒に鍛えていきたいと思うのだがどうだろうか!? 悪い話ではないと思うのだが!」

 

「煉獄さん、うるさいです。」

 

「あはは……。」

 

 煉獄さんの声圧に苦笑いする。

 

「うーん……継子……ですか……。どなたかの継子になると言うのは、まだ考えていないのですが……」

 

「ならば今考えてくれ!」

 

「あ、でしたら私も便乗してもいいですかね? 私もまだ、完全に諦めていたわけではないので。」

 

「いや諦めてなかったんかい……!!」

 

 ……まだ私を継子にすることを諦めていなかったとは。

 まさかの事実にびっくりである……。

 

 しっかしどうしたものか……。

 しのぶさんも煉獄さんも簡単には諦めてくれなさそうな二人だが……。

 きっぱり言うべきなんだろうか……。

 

「…………け、検討させてもらいます。」

 

「またそう言ってはぐらかすんですか。」

 

 ワー……シノブサンノ刺々シイ視線ガ刺サルヨー…………。

 

「………えっと……。」

 

 どうしたらいいんだこれ……。

 え?

 選ばなきゃ駄目なわけ………?

 

「竈門少女! どちらの継子になるんだ!?」

 

「もちろん、私の継子ですよね?」

 

「竈門少女の呼吸の型には、こちらに類似してるものがある! 俺は炎の方が合ってると思うのだが!」

 

「……………。」

 

 二人の柱にどちらの継子になるんだと問われ、思わず無言になる。

 助けを求めるように善逸たちに目を向ければ、善逸は全力で首を左右に振った。

 伊之助はよくわかってないのか首を傾げている。

 

 コノヤロー……助けてくれる人は居ないのか……!!

 うーん……うーん………。

 

 どちらの継子を選べばいいんだ……?

 元々誰かの継子になるつもりなかったから断りたいんだけど。

 でも、ことあるごとに継子になれと言われるのもなぁ………。

 むむむ………。

 

「………じっくり考えたいので後日じゃ駄目ですか?」

 

 考えるだけ考えたけど、うん。

 答えが全然出てこなかった。

 だって継子なんて考えてなかったし!

 日の呼吸極めて、柱を助けて無惨フルボッコにすることしか考えてなかったし!!

 

「むぅ……! なるべく早く決めて欲しいのだが……」

 

「でしたらこうしましょう。優緋さんにはしばらく私と煉獄さん両方の訓練を受けてもらい、優緋さんが合ってると判断した方を選んでもらうんです。そうですね……期間は四週間。互いに二週間ずつ交代で優緋さんに訓練をつけましょう。そして、最後は優緋さんにどちらの継子になるか決めてもらう……これならどちらを選ばれても文句は出てきませんよね?」

 

「え?」

 

「うむ! それは名案だ!」

 

「ちょっと?」

 

「では決まりですね。優緋さん。返答は後日という言質はとりました。今更やっぱり無し、などいいませんよね?」

 

「…………ハイ……。」

 

 後日じゃ駄目かなんて言うんじゃなかった……。

 自身の発言に後悔しながら、泣きたくなるのを我慢して頷く。

 もうどうにでもなれ……。

 

 

 

 

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