目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 久々に筆(指……?)を取りました。
 リハビリのようなものなので、内容はグダグダです……汗
 とりあえず、いくつもやってる連載と混ざらないようにがんばります!汗
 この話から、一ページ内で展開が一気に変化する時の間として、❁.。.:*:.。.✽.。.:*:.。.❁.。.:*:.。.✽を使っていきます。


98.帰りの遅い家主を迎えに行こう

 と、まぁ、煉獄さんを送り出した私なんだけど……

 

「………遅いな。」

 

 煉獄さんが夕餉の時間前になっても帰ってこない件。これまで彼が時間とか約束を破ることはなかったはずなんだけど、親子喧嘩に送り出してから早くも数時間。

 そろそろ賑やかな日○さんボイスが聞こえて来てもおかしくないのに、全くと言ってその声が聞こえてこない。

 

「れんごくさん……おそいね……」

 

「うー……」

 

「うん。帰ってくる気配が全く感じ取れない。」

 

 ひょっとして、厄介なことにでもなったんだろうか?鬼と遭遇したとか……。それとも、親子喧嘩が長引いているのか、話し合っているのか……。

 なんであれ、何かあったのは確かだと思う。嫌な予感みたいなのはないから、彼の命に関わるようなことが起こっているわけではないんだろうけど……。

 

「……迎えに行ったほうがいいかな?」

 

「うん……。おれは、むかえにいったほうがいいとおもう。だって、なにかあったんだとしたら、しんぱいだから。」

 

「ムン!」

 

「うーん……禰豆子も同じ意見か……」

 

「う!」

 

「……そうだね。迎えに行ってみようか。あ、でも炭治郎と禰豆子はお留守番した方がい」

 

「え!?」

 

「うー!?」

 

「………。」

 

「……いったら……だめなのか……?」

 

「う〜〜〜〜……」

 

「…………え〜〜〜っと……」

 

 今にも泣きそうな表情を見せる竈門兄妹の姿を見て言葉を詰まらせる。いや、だってさ……一応、煉獄さんが向かったのは、炎柱邸煉獄家本家(実家)でしょ?

 原作の初対面槇寿郎さんは、炭治郎が連れていた禰豆子に対してなんの言及もしてなかったけど、私が今辿ってるこの話はいろいろ変わってるわけで、同じようにスルーされるとは限らないわけじゃん?

 しかも、鬼兄妹、二人に増えちゃってるしさ……。だから連れて行っていいのか……。

 

 

「う〜〜〜………」

 

「ねえちゃん……」

 

「………わかった。わかったから泣きそうな顔しないでくれないかな?二人がそんな顔してると私も悲しくなってくるから!」

 

 どうするべきかと考えていたが、二人があまりにも悲しげな表情と上目遣いでずっと見てくるものだから折れてしまう。

 この美男美女兄妹……可愛らしすぎるというか、とにかく、顔がいい。しょんぼり顔でも顔がいい。

 あんな風に見られると、誰だってオチると思う。

 

「おれたちもいけるな、ねずこ!」

 

「う!」

 

 了承の言葉を返せば、それはもう素晴らしいほどの笑顔を見せて顔を見合わせる竈門兄妹。狙ったのか?とばかりの清々しい姿に溜息をついてしまった。

 まぁ、それはそれとしてだ……。どうやって二人を連れて行こうか……。確か、原作では無限列車の話が終わってすぐに炭治郎が煉獄家を訪ねた話になっていたはず……。

 だから、禰豆子は背負い箱の中で眠っていたよね……。でも、この二人……現在進行形で起きてんだよなぁ……。

 

「……どうやって二人も連れて行こうか。」

 

「「?」」

 

「あー……うん、こっちの話だから気にしないでいいよ。」

 

 私の呟きに疑問符を浮かべる二人の様子に、苦笑いを返す。じっと見つめてくる二人の頭を撫でてやれば、気持ちよさそうに目を細めた。

 可愛いな……とほっこりしながらも、二人を連れた煉獄家訪問方法を考える。

 しかし、ふと、私はあることを思い出した。それは、もう、この物語は彼の物語と完全に逸脱しているため、これから先はどうなるかわからないということを。

 

 ─────……そうか、考えなくてもいいんだった。どうせもうこの物語(人生)は私が知る、優しい一人の少年の物語(人生)じゃなくなったんだし。

 

 それなら、もう、どうにでもなれって感じで投げ出せばいいか。だって、もう私の知ってる話じゃないんだから。

 

「そんじゃ、煉獄さんのご実家に向かうとしますか。箱に入んのと、一緒に歩くの……二人はどっちが……」

 

「ねえちゃんといっしょにあるく!!」

 

「ムー!!」

 

「……即決だな。食いつく勢いってこういうことか。じゃあ、久々に三人で歩くとしますかね。あ、でも、一応背負い箱は持っていかないとな。どれくらいの距離かわかんないし。」

 

 そうと決まれば……と、私はいつも部屋に置いてる背負い箱を背負い、ゆっくりと立ち上がる。

 煉獄さんの実家……場所知らないけどなんとかなるとは思う。いざという時は天王寺に聞けばいいだろうし。

 

「………ん?」

 

 なんて考えていると、一羽の鎹鴉が庭の塀に止まっているのが見えた。私に何か訴えるような……どうにかしてくれって言いたげな様子を見せている。

 

「……もしかして、煉獄さんの鎹鴉?」

 

 確認するように言葉を紡げば、塀の上の鎹鴉は小さく頷き、私の方に飛んできて、肩に止まる。

 

「……ひょっとして、派手にやり合ってんのか、煉獄さん。」

 

「アア。アンタガケシカケタンダカラ ナントカシテクレ。」

 

「……なんかごめん。ちゃんと責任取るわ。」

 

 どうやら、私がいろいろけしかけたせいでちょっと……いや、この子の反応からしてかなりトラブったらしい。

 となると、それをやらかす原因を作り出した張本人が責任を以って火消し作業をするのは道理だろう。

 煉獄家のことに、赤の他人で、なおかつ、原作の炭治郎とは違って、痣を常に発現している上、耳飾りをつけちゃってる私が口を出すのはあれだし、むしろ火に油な気がしてならないため、行くのもどうかと思うが………うん。

 

「しょうがない!やらかした以上どうにかするしかないもんな!腹を括って行くか!」

 

 もうどうにでもなれ!!と考えながら、屋敷の外へと足を踏み出す。

 

「あ、すみません!屋敷の留守番お願いします!」

 

「はい。わかりました。」

 

 短時間とはいえ、屋敷を空けるわけだから、念のために屋敷にて雑務などをしてくれる隠の人には声をかけ、屋敷の門をくぐり抜ければ、肩に乗っていた煉獄さんの鎹鴉が空へと飛び上がった。

 ……カラスって、意外と強く地面を蹴って飛び上がるよな。かなりの力が肩にかかったわ。

 まぁ、そんなことはどうでもいいか。とりあえず煉獄さんの鎹鴉の案内に従って、煉獄家へと足を運ぶとしますかね。

 

 

 

     ❁.。.:*:.。.✽.。.:*:.。.❁.。.:*:.。.✽

 

 

 ……あれからしばらくして、煉獄さんの鎹鴉の後を追うように道を歩いていると、大きな屋敷が視界端に映り込んだ。

 その屋敷の方へと鎹鴉が向かっている様子から、あれが煉獄家のご実家なんだろう。

 

「おおきいな……」

 

「うー……。」

 

「流石は、炎柱のご実家って感じだな。炭治郎と禰豆子を預かるために用意してくれたあの炎柱邸別邸以上にでっかい屋敷だ。蝶屋敷と同じくらいありそうだな。」

 

 両手に弟妹を連れながら、炎柱邸のご実家の印象を話す。あの屋敷の塀、こっちの方にまで続いてんだけど。どんだけ敷地でかいんだこれ。

 そんなことを思いながら、歩みを進めていると、屋敷内がやけに賑やかであることに気がつく。

 言い争い……というより、完全な争い物理のような……いや待て待て待て待て。

 

「先に話し合いしろって忠告したはずなんだが!?」

 

 え?話し合いの末のこれなわけ!?本気の殴り合いをしてるような雰囲気があるんだけど!?

 確かに本気で親子喧嘩してみたらって言ったけど、ここまで激しいものは……いや、似たようなこと言ったわ!!

 

 急いで煉獄家の正門の方へと走って行ってみれば、そこでは一人、小さな男の子が箒を持ったままオロオロしていた。間違いなく千寿郎君だろう。

 

「あ、兄上も父上も落ち着いて……」

 

 走って近寄って正門から中を伺ってみれば、そこには本気の殴り合いをしていると思わしき煉獄親子の姿が。

 あちゃー……と思わず頭を抱える。話そうとしたら殴られる煉獄さん(兄)がなんとも痛々しい。

 いや、仕返しもしてる雰囲気ありますけどね!?

 

「なぁ、君……」

 

「え!?あ、わ、私ですか……?」

 

「そう。君。私、一応杏寿郎さんの継子やってる鬼狩りなんだけど、状況教えてもらっていい……?」

 

「あ、兄上の継子……?そ、そういえば、確かに兄上の手紙に……!確か、竈門……優緋さん……でしたよね?」

 

「そ。あまりにも師範が遅いから迎えにきたんだけど、目の前でこれなもんだからよくわかんなくってな……。いや、まぁ、多分、私が原因の一つというか、元凶なんだろうけど、あまりにも予想の斜め上すぎてね……。どうしてこうなったのか話を聞いても?最初は話し合いして来たらどうかって言ったはずなんだけど、話し合いの末のこれ……?」

 

「じ、実は……」

 

 と、とりあえず現状分析を……と、箒を持っていた千寿郎君に話を聞いてみると、どうやら、最初は確かに話し合いを煉獄さんはしに来たらしい。

 でも、槇寿郎さんが、お前と話すことはないと追い返そうとしたのだとか。

 確か、原作の夢の中……記憶を辿っていた煉獄さん、柱になったことを槇寿郎さんに伝えに来た時、くだらないとか、柱になったところで、自分も煉獄さんも大したものになれないのだからと突っぱねていたんだっけ?

 確か、かつての炎柱の手記に記されていた、あのチート剣士、縁壱さんの話を知り、自身の無力さ、才能のなさに打ちのめされた上、程なくして妻である瑠火さんを失ったことによって、酒に溺れ、何もかも嫌になって、八つ当たりをするかのように。

 

 で、今回のもそれの延長戦みたいなものだと思われる。話すことはない……には、多分、僅かながらの罪悪感もありそうだけど、大まかな理由は、八つ当たり……じゃないかな。

 まぁ、今はその憶測は置いといて……だ。

 

 千寿郎君曰く、普段の煉獄さんなら、槇寿郎さんがそう言ったら、また日を改めるとか言って踵を返したらしい。

 でも、今回は何度も槇寿郎さんに声をかけたのだとか。しかし、槇寿郎さんは応じることはせず、あまりにもしつこい煉獄さんに帰れと酒が入った容器を投げつけた。

 だけど、それでも煉獄さんはそれでも諦めなかったらしい。結果、殴り合いに発展したとのこと。

 酒が入ってるせいもあるのか、若干理性が飛んでいるようだったとは千寿郎談である。

 

「……どうしてそうなった…………!!」

 

 酒は飲んでも飲まれるな!!と叫びたくなる。どうすりゃいいんだこれ!!

 

「……あー……えっと君は……」

 

「あ……えっと……煉獄 千寿郎です……」

 

「そうか。じゃあ、千寿郎君。この屋敷にも井戸はあるよね?井戸から水をたくさん汲みたいから、ちょっと案内してくれるかな?」

 

「か、構いませんが……水を何に使うんですか……?」

 

「ちょっとね。」

 

 大量の水を何に使うのか、その質問に対して少しだけ言葉を濁す。千寿郎君は不思議そうな表情を私に見せてきたけど、親子喧嘩物理が少しでも治るなら、と思ったのか、すぐに井戸に案内してくれた。

 さて……ヒートアップしてる二人の頭を冷やすとしましょうかね。

 

 

 

 




 と、言うことでお久しぶりです。
 しばらく休載していましたが、少しずつ進めようと戻ってまいりました。
 今回はオリジナル回……?いや、原作も若干入るかな?
 煉獄家実家訪問の話になりました。
 かなり展開が狂うとは思うのですが、なんとか煉獄親子の確執をなくすための話になる予定です。
 前以上にグダグダしてしまうと思いますが、どうぞ応援等をよろしくお願いします。

 これからは亀の歩み以上のノロノロでありながらも、ちょくちょく話を更新できたらいいな……。

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