グラブル!~クールボケな団長とゆかいな仲間たち~    作:黒猫館長

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全くR制限ある内容ではないですよ。


第六話「やらないか?」

 今日は待ちに待ったハロウィンだ。団の子供たちも大人もいろんな仮装に身を包んでお菓子の交換を行っている。「トリックオアトリート」と言いながら。

 

サラ「だ、団長さん!」

 

グラン「なんだ?」

 

サラ「トリックオアトリート!」

 

グラン「ではこれをくれてやろう。」

 

 グランはジャックオランタン柄の袋に入ったクッキーの包みを渡す。

 

サラ「ありがとうございます!」

 

グラン「羽目を外すのはいいが、食べ過ぎるなよ。」

 

サラ「はい!…あの団長。」

 

グラン「なんだ?」

 

サラ「どうでしょうかこの仮装?」

 

グラン「ヴァンパイアの仮装か?」

 

サラ「はい!」

 

グラン「悪くない。」

 

 サラは黒いマントに水着と赤いペンダントと、少々露出の激しい格好だ。だが笑うときに見える彼女の八重歯が何ともその仮装にあっている。

 

グラン「だがお前ほどの年ならばもっと明るい色のドレスでもよかろう。今度何か買ってやるか。」

 

サラ「えっ!?いやそれは…。」

 

グラン「嫌か?」

 

サラ「いえ!えっと…うれしいです。団長とお買い物って…。」

 

グラン「予定を開けておく。忘れていたら催促にこい。」

 

サラ「は、はい!」

 

 もじもじと嬉しそうにうつむくサラの頭を一度撫でたグランはほかの団員たちのもとを回るためにその場を後にした。それを物陰から見つめるのはやはりゾーイとシャレムだ。

 

ゾーイ「何を自然にデートに誘ってるんだ団長はあああ!」

 

シャレム「やはり一度撃っておくか?ケイオスレギオン撃っておくか!?」

 

 本当はすぐにでも拘束してお仕置きしたいところではあるが、今日の計画上今グランの前に現れることはできないのだ。もどかしさに震えながらも、監視だけはしてその過程で会う団員にお菓子を配っている。

 

ゾーイ「だが今日は団長にいたずらするという私たちの目的のために、まだ耐えるしかない。」

 

シャレム「わかっている。今はまだクッキーが残っているからな。機をうかがうぞ。」

 

 

グリームニル「あ、団長!トリックオアトリート!」

 

グラン「ようグリリン。これでいいか?」

 

グリームニル「やったーありがとー!でさでさどう?今日の俺ははちょっと違うと思わない!?」

 

 グリームニルは中二病的なポーズを決めそう聞いてくる。

 

グラン「……。」

 

グリームニル「あれ?そんなに見つめられるとそれはそれで恥ずかしいんだけど…。」

 

グラン「…そうか。マリス化か。」

 

グリームニル「さっすが団長!せっかくポンメルンからもらった魔晶丼でかっこいい漆黒の風を手に入れたのにみんな気づいてくれなくてさー。」

 

グラン「お前が漆黒の風をつけてもイメージ通り過ぎてインパクトがないんじゃないか?」

 

グリームニル「え、ほんとに!?…じゃあどうすればいいかな…。」

 

グラン「そうだな…。」

 

 

ゾーイ「何やらすごく盛り上がっているな。仮装のために魔晶を使うとは尊敬すべきかあきれるべきか。」

 

シャレム「わたチはあいつは苦手だ。」

 

 

グラン「てことでまずは色のついた風の形を動物に寄せるのはどうだ?」

 

グリームニル「いいなそれ!わが勇猛なる眷属よ、幾億戦の刃となりて敵を蹴散らせ!みたいな。」

 

グラン「うむ。ではこれをまず練習に使え。出来たら報告しろ。」

 

グリームニル「オッケー!」

 

グリームニルはグランに紙きれのようなものを手渡されると意気揚々と帰っていった。

 

ゾーイ「何渡したんだ?」

 

シャレム「子猫のイラスト(グラン手描き)だな。」

 

ゾーイ「絶対グリームニルのためじゃないな。」

 

シャレム「あいつは猫好きだからな。」

 

 するとまたグランが移動を始めたついていこうとすると後ろから声をかけられる。

 

カリオストロ「わーストーカーなんていけないんだー♡」

 

 ハロウィン衣装に身を包んだカリオストロだ。

 

シャレム「ストーカーとは何だ?」

 

カリオストロ「好きな人にずっと付きまとっちゃう変態さんのことだよー。カリオストロも昔から困らされちゃってるんだ。」

 

ゾーイ「そ、そうじゃない!実はだな…。」

 

 カリオストロに事情を説明する。

 

カリオストロ「ほへーそっかぁ。じゃあ、カリオストロがあと何個クッキー持っているか聞いてきてあげるよ。」

 

ゾーイ「本当か!?」

 

カリオストロ「うん!まっかせといて!お礼はお菓子がいいなあ。」

 

ゾーイ「ああなら、もうほかの団員には配り終えたし残りはあげよう。シャレムもいいか?」

 

シャレム「ああかまわないぞ。」

 

カリオストロ「やったーありがとー!」

 

シャレム「で、その猫かぶりはいつになったら終わるんだ?気持ち悪い。」

 

カリオストロ「うっせ!」

 

 

 ゾーイのためにカリオストロは団長の持っているクッキーの数を聞きに向かった。もうほとんど配り終えたようで彼の持っていた袋はほとんどしぼんでいる。大した数ではないだろう。だが聞くだけでは面白くない。せっかくあの二人が見ているのだしにゃんにゃんしまくって嫉妬に狂わせてやるぜ!と意気込んだ。

 

カリオストロ「あ、いたいた。」

 

 グランは何やらベンチ?に座っている。休憩しているのだろうか?こんなところにベンチなどあった覚えはないけれど…。カリオストロはいつもの美少女モードで彼に話しかけた。

 

カリオストロ「団長さーん!トリックオアトリートだよ!」

 

グラン「…。」

 

カリオストロ「?団長さん?」

 

 一時の静寂を終えてグランは口を開く。

 

グラン「よかったのかそんなにホイホイついてきて。」

 

カリオストロ「!?」

 

グラン「俺は、ノンケだってかまわないで喰っちまう人間なんだぜ?」

 

カリオストロ「だ、団長さん?」

 

 カリオストロの心は慌ただしく揺れ動いていた。なんだおかしいぞ今日の団長は!?このセリフってまさか…いや確かに俺は元男だしもしや団長にはそっちのけが!?っていうか俺今誘われてるのか!?

 

グラン「ところで、こいつをどう思う?」

 

 グランが自らの隣にあった、大きな物体にかかっている布を外す。それは等身大の筋肉質な男の像だった。よく見ると飴細工だ。これが今回のお菓子だとでもいうのか。

 

カリオストロ「…すごく…大きいです。」

 

グラン「うれしいこと言ってくれるじゃないの。」

 

 グランはベンチから立ち上がりカリオストロに顔を近づける。

 

グラン「やらないか?」

 

 カリオストロは顔面が沸騰する心地だった。完全に誘われてる!いいのかこれいいのか!?今女の体だし問題ないっちゃないってそうじゃないけど…団長にだったら…。

 

カリオストロ「は…は…。」

 

グラン「これでいいのかルナール。」

 

カリオストロ「は?」

 

ルナール「ええさいっこうだったわ!これでいい耽美絵巻ができそうよ。」

 

グラン「鼻血でてるぞ。」

 

 ルナールが背後から出てきたかと思うと、彼女は鼻血を吹き出しながらペンを走らせている。

 

カリオストロ「え、団長さん…これどう言うこと?」

 

グラン「ああ、ルナールの頼みでな。お前が来たら決められたセリフを言ってほしいと。ご丁寧に絵まで入れて説明された。」

 

 グランはポケットに入ったセリフをカリオストロに見せる。

 

カリオストロ「…。」

 

ルナール「今日の昼にお菓子はいらないからいたずらするって言ったでしょ?でも女の子になった男と屈強な男のからみ…そそるわ。」

 

グラン「あの飴細工はルナールからだ。俺からのはこれだ。」

 

 そうしてクッキーを渡される。

 

カリオストロ「…。」

 

グラン「どうかしたか?」

 

カリオストロ「あ、…。」

 

グラン「?」

 

カリオストロ「アルス・マグナ!」

 

 巨大な衝撃音がグラン・スルース艇内全域にわたって響きわたった。

 

カリオストロ「ふーんだ!バーカバーか!」

 

グラン「?さすがに悪ふざけが過ぎたか?」

 

 ファランクスで何とか被害はないようだったが、あたりを見回してみる。いまだ勢いよくペンと鼻血を走らせるルナールと、倒れているあほが二人いた。

 

グラン「何をしているのだこいつらは。」

 

ゾーイ「はは…団長がカリオストロと…。」

 

シャレム「嘘だ…あいつが男好きなんて嘘だ…。」

 

グラン「世話の焼ける奴らだ。」

 

 グランは二人を担ぎ上げて大きなソファーのある休憩室へ向かった。

 

 

 

 

ゾーイ「う…。」

 

グラン「起きたか?」

 

ゾーイ「ここは?」

 

グラン「休憩室だ。」

 

ゾーイ「…私は確か…。そうだ、カリオストロは!?」

 

グラン「あいつはルナールのいたずらに怒って奥義打って居なくなった。後で何とかする。」

 

ゾーイ「いたずら?」

 

グラン「ああ…つまり…。」

 

 グランはゾーイにも事情を説明する。

 

シャレム「つまりお前は男好きというわけではないんだな!?」

 

グラン「起きたのか。何の話かは知らんが、俺は男だ。同性を性愛対象になどするわけがあるまい。」

 

シャレム&ゾーイ「ほっ…。」

 

グラン「菓子も配り終えたし、そろそろパーティーが始まるだろう。準備をしておけ。」

 

ゾーイ「あ、そうだ団長!」

 

グラン「ん?」

 

シャレム「菓子を配り終えたといったな?」

 

グラン「ああ。」

 

ゾーイ「なら、…」

 

ゾーイ&シャレム「トリックオアトリート!団長!」

 

 二人はグランに向けて手を出した。

 

シャレム「お菓子がないなら」

 

ゾーイ「いたずらするぞ!」

 

グラン「そうか。」

 

 グランはテーブルに置いてあった盆を二人に差し出した。シュークリームだ。

 

グラン「かぼちゃのシュークリームだ。試作だが、悪い味ではないだろう。」

 

ゾーイ「あ、あれ?お菓子はもう配り終えたって…。」

 

グラン「ああ。団員用のクッキーは終わった。これはお前たち用だ。」

 

シャレム「…食べていいか?」

 

グラン「構わん。」

 

ゾーイ「じゃあ…。」

 

 シュークリームを口に入れた瞬間、かぼちゃのカスタードが口の中いっぱいに広がり芳醇な香りととろけるような甘みが二人を襲った。

 

シャレム&ゾーイ「ほああ…。」

 

グラン「どうだ?」

 

ゾーイ「すごくおいしいぞ!」

 

シャレム「うむ。」

 

グラン「ならよかった。」

 

 その時のグランの顔は珍しくも微笑んでいた。慣れていないせいで顔が熱くなってしまった。いたずらができなかったのは残念だが、これのおかげで大満足だ。

 

グラン「それでだ。」

 

ゾーイ「ん?」

 

グラン「トリックオアトリート?」

 

 ハッとする。自分の周りを見渡してもお菓子の袋らしきものはない。そういえばカリオストロに残りは全部上げてしまったんだった。

 

ゾーイ「えっと今はないな…。」

 

シャレム「…。」

 

グラン「ではいたずらだ。」

 

 グランは何やら魔道具のようなものを取り出した。とてつもない魔力が込められていることが傍目でもよくわかる。

 

シャレム「な、何をする気だ?」

 

グラン「なに、ペットを量産するだけだ。」

 

 

 

 

 それからしばらくして団内のハロウィンパーティーが始まった。

 

ローアイン「今日のパーティー楽しんでいきましょー!」

 

エルセム&トモイ「うぇーい!」

 

 いつも以上に豪華な食事がテーブルいっぱいに並べられ、団員たちは和気あいあいと会話を弾ませながらそれを楽しんでいる。

 

アンチラ「んーおいしー!」

 

ヴァジラ「こっちもうまいぞー!」

 

アニラ「ほれケチャップがほっぺについておるぞ。」

 

ヴァジラ「あ、ありがとー!」

 

 

グリームニル「うわーあああ!お菓子食べ過ぎてうまそうなご飯が食べられないよおおあああ!」

 

シヴァ「自業自得だろう。」

 

ブローディア「そうだぞ。いついかなる時も食べられるよう腹を鍛えなければ…。」

 

シヴァ「!?」

 

 

 そんな中グランは

 

ゾーイ「にゃー!にゃーにゃにゃー!」

 

シャレム「にゃーにゃー…にゃーん。」

 

 猫耳を身に着けたゾーイとシャレムとをお供に料理をあさっていた。

 

コルル「かわいいでゴンす!」

 

エウロペ「耳に触ってよろしいでしょうか?…ん…やわらかい。」

 

シャレム「にゃ…。」

 

 今の二人はグランの制作した猫耳型の魔道具のせいでネコ語しか話せなくなっている。いまだネコ語から人語への翻訳機能はできていないのだが、いずれは猫と完全に対話が可能になるだろう。また大量の魔力を使って拘束しているので、二人はグランが許可しない限り猫耳を外すことができないのだ。

 

グラン「どうだこの魔道具は?」

 

セン「すごくかわいいです!これを使えばソラ君(若い猫)とも話せるようになるんですか?」

 

グラン「それにはもう少しかかりそうだが、最終的にはそうしようと思っている。」

 

ソラ「にゃにゃんニャー!(すごい技術じゃないか!さすが団長だ!)」

 

グラン「む?そうか。」

 

セン「っていうかソラ君の言葉が普通にわかる団長って一体…。」

 

グラン「ということで今晩はお前も人語禁止だ。語尾には必ずにゃんといえ。」

 

セン「どうしてそうなるんですか!?…にゃん。」

 

グラン「お前のそういう律儀なところは気に入っているぞ。」

 

ゾーイ「にゃにゃにゃにゃんにゃにゃーん!(何センの頭を撫でているんだこのたらし!)」

 

グラン「さて、あとは…。」

 

 

 吠えるゾーイの頭も撫でて落ち着かせると、グランはこの陽気な場で唯一不機嫌な顔をしている彼女に会いに行った。

 

グラン「カリオストロ。」

 

カリオストロ「あ?なんだよ?」

 

グラン「酒だ。」

 

カリオストロ「あっそ。」

 

 グランはカリオストロの前にグラスに注がれた葡萄酒を置く。

 

グラン「悪かったな。今日は悪ふざけが過ぎた。」

 

カリオストロ「あっそ。」

 

 カリオストロは葡萄酒を一気にあおるとまたそっぽを向いた。

 

グラン「だが、意外だな。お前はこのようないたずらには慣れている方だと思っていたが…。」

 

カリオストロ「慣れていただあ!?」

 

 ガンとテーブルをたたく。

 

カリオストロ「慣れてるわけねえだろ封印されるまでずっと研究ばかりでそんな経験皆無だっつうの!」

 

 グランが再び注いだ葡萄酒を再度あおる。

 

カリオストロ「こちとらな!本気で一晩共に過ごす覚悟までしたんだぞ!そんな乙女心をもてあそびやがって!お前じゃなかったら今すぐぶっ殺してやるとこだ!」

 

グラン「一晩共に過ごす?」

 

カリオストロ「そうだよ!」

 

グラン「そんなことがしたかったのか?別に構わんぞ。」

 

カリオストロ「は?」

 

団員達「!!!!?」

 

 カリオストロはリンゴになった顔面など気にする暇もなく問い直す。

 

カリオストロ「お前本気で言ってんのか?」

 

グラン「ああ。まあお前が男の姿ならさすがにないが。今のお前なら構わんぞ。」

 

カリオストロ「………本気なんだな。」

 

グラン「ああ。」

 

カリオストロ「っじゃあ今日はお前のところに行くからな!もう撤回させないぜ!?」

 

グラン「わかった。」

 

カリオストロ「っつう(//∇//)!」

 

 するとカリオストロは逃げるようにその場から離れてしまった。

 

ゾーイ「にゃんやnyなにゃnyななn!」

 

グラン「もはやネコ語にもなってないぞ?」

 

ジン「まさか団長の守備範囲がそれほどとは…。」

 

グラン「?」

 

カタリナ「私もビィくんと…。じゅるり。」

 

ビィ「ひぃ!?」

 

シャレム「にゃん…にゃ…にゃにゃにゃん…(嘘だ…あ…あいつがあんな猫かぶりと…?)」

 

エウロペ「シャレム様!?シャレム様-!?」

 

セン「だ、団長さん⁉シャレムさんが泡を吹いて倒れちゃいました!」

 

グラン「まったく、騒がしいやつらだ。そこら辺のソファーに放り込んでおけ。あとビィ超逃げて。」

 

 その日団員たちは大いに盛り上がった。二人の会話の内容は瞬く間に広がり、グランとカリオストロの関係を疑う者が続出するも、それを直接聞けるものはなく、疑問の残るままパーティーは幕を閉じるのだった。ゾーイはグランを攻撃しようとしたところでシヴァ、エウロペら聖晶獣組に取り押さえられた。

 

ソラ「にゃにゃにゃんにゃんにゃにゃんニャン(また変な誤解が生まれてるぞ。何とかしてやったらどうだ?)」

 

ルシオ「彼ならこのまま放っておいても大丈夫でしょう。それにこのままの方が面白そうですよ?」

 

ソラ「にゃんにゃーにゃんんにゃにゃにゃにゃん(ったくいい趣味してるぜ。ある意味一番いたずらに成功したのは意図せず団長だったようだな。)」

 

ルシオ「それにしても、あなたは思った以上にクールですね。」

 

 

 そうしてグラン達のハロウィンは終わりを告げるのだった。




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