転生してはや数日、ゴブリンの村にも慣れてきた
それは村人たちも同じようで、初めはとても丁重に扱われていたのだが、今では仲良しだ
「もうすっかり馴染んでるな、カレン」
撫でてもらったりブラッシングしてもらったりしていると、背後から声がした
声の主はリムル。
村の人とも仲良くなったとはいえ、私のことを呼び捨てにしてくれるのなんてこの
(まあね。みんな優しくしてくれるし、私、この村大好きだよ)
「それはよかった。」
私の言葉に嬉しそうにする村人やリムル
リムルは、そこでだ、と話を切り出す
「カレン、この村のもう1人の主として一緒に住まないか?」
リムルの提案に耳を疑う
拾ってきた魔物を飼うのはまだわかる
だが、主としてというのはどうだろうか
拾ってきた得体の知れない魔物を主として認める者など居ないのではないか
そう思い、皆の方を見る
だが、嫌がる者は誰一人としておらず、むしろ歓迎ムードだった
リムルは続ける
「こんなに直ぐに村人たちからの信頼を得たんだ。
お前には何かがある。だから俺に協力して欲しい」
(でも…)
「頼む、お前にしか出来ないんだ」
明らかに説明不足の頼み事だが、断れる雰囲気ではない
そして、私は前世から頼み事に弱い
私にしかできないなんて言われてしまうと終わりだ
ましてや推しの頼みである
はあ、とため息をつき口を開く
(わかった、協力する)
根負けして承諾してしまった。
まあ、たしかに住むところも何も無いし、能力もほとんどないからここにいられる方がいいのかもしれないけど…
リムルはあまり分からないが、顔を輝かせて
「よし、じゃあ早速特訓だな!」
なんてことを言い、動き出す
特訓だと聞いて、少しワクワクする
魔物の本能だろうか。それとも能力を試したいという好奇心だろうか
どちらにせよ少し暴れてみたいのだ
前世で感じていた閉塞感。それをこの世界では感じない
不謹慎ではあるが死んでよかったと思った瞬間であった
………………
…………
……
リムルを追いかけて着いた先は封印の洞窟
リムルとヴェルドラが会った場所だ、聖地巡礼である
(ここは?)
嬉しさで顔がにやけそうになるのを抑えてリムルに聞く
この世界のことを知っていることは内緒にすることにした。
私が介入することによって物語を変えたくないのも理由の一つだ
「ここは俺とヴェルドラっていう竜が出会った場所だ
ここには魔物が沢山いるから少し戦闘訓練をしようと思う」
そう言って洞窟に入っていくリムル
訓練と言うより、実践の気がしなくもないが細かいことは気にするなと言われそうなので静かについていく
それから2時間ほどリムルに戦い方を教わり、魔物を捕食してスキルを手に入れた
まず、ジャイアントバットの吸血、超音波
吸血は使いそうにないが、超音波はかなり有能だった。
このスキルのおかげで喋ることが出来るようになったのだ
これで思念伝達を無駄に使わなくて済む
次に、アーマーサウルスの身体甲装
鎧のように体を硬化させることができる
更にはブラックスパイダーの粘糸、綱糸、エビルムカデの麻痺吐息など。
そして、獲得した中で特に使えそうなのは、リムルに教わった魔力感知。
常用スキルらしく常に発動しているが、目の前だけでなく背後の様子も見えるのだ。魔素の動きから物を特定しているようである
他に、もうひとつチート級の能力があった
なんと、リムルの捕食者とは違い、私のスキルは一部だけで解析しコピーすることが出来るのだ
これは
とにかく、様々なスキルを手に入れ、思う存分戦うことのできた私たちは満足して村に帰ったのだった
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