「シズさん、」
夕食が終わったタイミングを見計らってシズさんに声を掛ける。
お昼に少し話しただけだったので話し足りなかったのだ。
シズさんは私に気づくと仮面の下で表情を緩めたように見えた。
「カレンさん。どうしたの?」
「少しお話ししたくて。いいかな?」
私の問いにシズさんは頷くと、どこへ行こうかと言って私を抱き上げた。
………………
…………
……
街が見渡せる丘の上で、シズさんは私を膝に乗せて撫でながら話をしてくれた。
召喚されたこと、炎の精霊を憑依させられたこと、その所為で友人を殺めてしまったこと…
隠したいこともあるだろうに、沢山話してくれた。
「なんだか、全て話さないといけない気がして。」
見透かされてるのかな、とシズさんは笑った。
それから、
「最後にあなた達に会えてよかった。」
そんなことを言った。
大袈裟だよ、と2人で笑ったが、シズさんの言う通り最期の時は近い。
結末を知っているから何かできないのかと考えてしまい、泣きたくなる。
それを知ってか知らずか
「カレンさん、友達になってほしいの。」
「え、いいの?」
こくりとシズさんが頷く。
私はもう長くないから…そんな思いが聞こえた気がした。
「……なろう!友達。」
シズさんに向かい合い前足を差し出す。
シズさんは前足を握ってありがとうと笑った。
…だが、そんな時間も長くは続かない。
その時は突然やってきた。
村に戻る途中でシズさんが苦しみ出したのだ。
(リムル……!)
まずい。
そう直感し思念伝達で助けを求める。
勿論エレン達も呼んでもらうように伝えた。
「……さて。」
助けが来ることが確実になったところで炎の上位精霊、イフリートに向き合う。
リムルとエレン達が来るまでの時間稼ぎくらいなら私にもできるだろう。
今私が使えるスキルの中で効きそうなのは……
《解。粘綱糸が有効と思われます。》
なるほど。動きを封じればかなり時間を稼げるだろう。
智慧之王の助言をヒントにイフリートの動きを封じる。
イフリートは抵抗し、新たな魔物を生み出した。
「うわぁ……」
確かにこんなシーンあったけどね? 流石にこれはひどいと思うの。
だって、カーバンクル一匹、しかも生まれたてだよ?
もう少し手加減してくれても良くない?
これは終わった。と覚悟した時
「水氷大魔槍!」
後方からのエレンの声とともに氷が魔物に突き刺さる。
振り返るとランガに乗ったエレンと、擬態したリムルに乗ったカバルとギドがいた。
間に合ったようだ。
「じゃあ、後は任せた!」
それだけ言って後ろに飛び退くと3人は拍子抜けという顔をする。
だが、私には攻撃系のスキルがない。仕方ないのだ。
決して怖いわけではない。
私にできるのは助言と奴らの動きを封じることだけ。
ひとまず魔物にも粘綱糸を巻きつける。
それから……
「リムル、エレンの技コピーして! あいつらに効くから!」
「わかった!」
「エレン、カバル、ギド、そいつ自爆するから気をつけて!」
「えぇぇ!?」