みんなの頼れるスタッフさん 作:SUN
ある日、
「…………」
「…………」
気まずい空気が二人の間に漂っていた。
椅子に座りデスクに向かいパソコンを叩く男とその傍らで地面に直接正座している少女。
片方は我らがスタッフモブ。
そしてもう1人は、
「………フゥ」
「………っ」ビクッ
小動物のように縮こまっている緑髪の少女。
モブが息を吐くだけで体を強ばらせる彼女は全くモブと視線を合わせようとしなかった。
「……なぁ、るしあよ」
「は、ははははいぃ……」
『るしあ』と呼ばれた少女の返事をした声は震えていた。
『潤羽るしあ』。
緑髪の小柄なネクロマンサーの少女。
その叫びは聴く者の鼓膜を破壊するほどで、『圧』2大トップの一角である。
後は胸がつるpe「おい」(ↂ⃝⃓⃙⃚⃘_ↂ⃝⃓⃙⃚⃘)、…………すみません。
「なんでここに呼ばれたかわかる?」
「……こ、心当たりは1つ、あ、ある…のです……」
「おう、言ってみ?」
そう言われ何度か深呼吸をし、息を整えた彼女は言葉を恐る恐る言葉を吐き出した。
「……は、配信部屋のこと……なのです」
その言葉を聞きモブは、パソコンのEnterキーを、
ダンッ!
と力強く押した。
「っ!」ビクッ
「まああれや、とりあえず俺が言いたいことは……ついにやったなお前」
「………」:(;゙゚'ω゚'):
「何?あなたゴジラの生まれ変わり?」
「ち、違うのです」
か細い声を精一杯絞り出するしあ。
「うん、ならどして配信部屋の窓ガラスが全部割れるの?」
しかし、そこへ容赦なく追撃していく。
ただでさえちっこいるしあがさらに小さく見えてしまう。
「うぅ……そ、それは……」
「あとさ、机も割れたしキーボードもイカレたんだけど?その衝撃でパソコンも地面に落ちるし。……あれだけあんま物叩くなとか、叫びすぎだとか、俺はなんっ回も言ったな?」
「は、はい……」
「ねえ、俺の仕事増えたんだけど?新しく液晶だとか机だとかパソコンだとか、全部取り替えなきゃだし、マイク機器だってほぼ使い物にならなくなったしよ。予算とかどうやってひねりだせばいいのよこれ」
「あう……」
「何よりそれを昨日やったのに、その日のうちに俺に報告しなかったよな?なんですぐ言わないの?今日配信しようとしてたやつもいるんだけど?」
「う、う、う……」
そうやってモブが責めていると、
「うわああああああん!ごめんなさいなのです!」
そう叫び出し、泣いてしまった。
「っ!おい、ちょ、おま━━」
「わざとじゃないのですよ!負けてばっかりで悔しくて!いつもより叫んでしまっちゃっただけなのです!ごめ!ごめんなさいぃ!」
「え、えぇ……」
まさか泣かれるとは思っていなかったモブ。
どうすればいいかわからず困惑してしまう。
「…とりあえず費用はお前から半分くらいはもぎ取るから」
「うわああああああん!」
とりあえず無視して再びキーボードを叩き始めるモブだった。
◆◆◆
「予算がおりませんでした」
あれから数日、お偉いさんへ申請書を提出したモブだったが、交換しては幾度となく壊すこの事務所についにお金を出すことを躊躇うようになってしまっていた。
「というわけでだ……るしあ」
「は、はい!なのです!」
こんなことになるかもしれないと予想していた彼はとある作戦を実行しようと目の前でビシッと姿勢を正するしあに声をかけた。
「やるぞ」
「わ、分かったのです!」
その作戦とは━━
「募金お願いしまーす!」
「ぼ、募金お願いするのでーす!」
事務所にての募金活動だ。
朝、スタッフのみんなが出勤してくる時間に事務所があるビルの入口にて大きな箱を2つ、2人で手分けして持つ。
そして、入口の両脇に2人で立ちお金を恵んでもらうという魂胆だ。
普通、物珍しい目で見られるだけの光景、しかし、
「モブくん……」
「あ、ども」
仕事仲間のスタッフA。
「……苦労してるね」
「おかげさまで」
「……5万入れておくね」
「あざす」
同情してくれる仕事仲間たちがお金を恵んでくれるのだ。
その後も他の仕事仲間のスタッフたちがこぞって同情金を募金箱へと入れてくれて行った。
そして、
「るしあそっちはどうだ?」
「あ、はい。皆さん恵んでくれたのです」
「そかそか、んじゃあとは……るしあ」
「はい?」
こてんと首を傾げるるしあ。
「お前の先輩や同期、後輩らを全員集めてくれ」
「え、でも全員とはまだ連絡交換してないですよ?」
「呼べるだけでいいぞ」
「は、はあ……じゃあ」
その後、メンバーたちの財布が軽くなったことは言うまでもない。
るしあをバカにしてる訳では無いので、はい。
普通に好きなので、はい。
番外編でちょっと書いてみたいストーリーがあるんですけど、誰の番外編見てみたいですかね?
今までの話の中で出てきてない人の話でも、出てきた人でもどっちでもいいので感想欄とかでこの人のストーリー見てみたい!と書いてくれると助かります。
よろしくお願いします。