ブラコンorシスコン!?   作:御沢

11 / 17
青とオレンジV2

「瑠奈・・・あの、ごめん・・・」

「いいのよ、葵。気にしないで。そのうち・・・話さないといけなかったんだから・・・」

そういう瑠奈の顔は、やっぱりひきつっていて、私は直視できなかった。

 

 

「お兄ちゃん、京介」

「こ、こんにちわ・・・」

私は、緊張したまま2人のところへ向かった。瑠奈は、しばらく間をおくと、話し始めた。

「お兄ちゃん、こちら私のクラスメイトで、サッカー部のマネージャーの空野葵さん。

葵、こっちは私と京介のお兄ちゃんの、剣城優一」

「よろしくね、空野さん」

「ど、どうもぉ・・・」

顔を真っ赤にして、私は頭を下げた。超恥ずかしかった。人見知りはしないけど、この剣城3兄妹、全員美男美女ばっかり・・・。私は、あいた口がふさがらなかった。

 

 

しばらく瑠奈たちと話した後、私は病院を後にした。そして、今は天馬の家に向かっている最中。雨宮くんに、ちゃんと渡したということの報告。・・・そして、天馬に会いたかった////

ピンポーン。

ひと時代前のチャイムが、木枯らし荘に響いた。はーい、と出てきたのは秋さんだった。

「あら、葵ちゃん。天馬に用事?」

「はいっ!あの、天馬いますか?」

「えぇ、あがって行って♪」

私は、お言葉に甘えて、部屋にあがらせてもらった。部屋では、天馬がゲームをしていた。確か、去年の冬に出たサッカーゲーム。サブタイトルに、シャインとかダークとかついていたっけ。確か、今年も出るはず。絶対買う!葵も買って、いっしょに対戦しよう!って言われてる。

「天馬、雨宮くんに渡してきたよ?」

「あ、ありがとう!あ、そうそう」

ゲームをやめて、天馬は一旦自分の部屋に戻った。そして、すぐに戻ってきて、私の目の前に箱を差し出してきた。

「はいっ!誕生日プレゼント!!」

「!!・・・ありがとぉ!」

・・・やばい、今、すっごく嬉しい♪

 

 

ルンルン気分で、私は家へと帰った。途中でプレゼントを開けてみると、それは、ピンク色のシュシュとバラの花のコサージュだった。もう中1だから、さすがに何をあげればいいか悩んだろうな。だって去年まで、お菓子の詰め合わせとかだったもん。

「たっだいまぁ~っ!」

元気よく家のドアを開けると、パァンッと派手な音がした。一瞬事態が理解できなかったけど、それはクラッカーの音だとすぐに分かった。

「おかえり、葵」

「ごちそう、作ってるのよ。おめでとう」

「お母さん、お父さん・・・ありがとう!」

そのまま席に着き、私たち親子は、カルパッチョ、チーズフォンデュ、ケーキ・・・などたくさん食べた。すごく楽しい時間だった。そして、プレゼントをもらう。

今年は、ストラップだった。すごくかわいいピンク色と水色のサッカーボールのストラップ。それと、淡いピンクのワンピースだった。なんか、天馬のくれたシュシュともコサージュとも合いそうで、なんだか嬉しくなった。

「ありがとっ!お父さん、お母さん!」

「いやいや、いいんだよ。それより葵、大事な話があるんだ」

そのお父さんの深刻そうな顔に、私は何も言えず、ただ黙って席に着いた。

 

 

「お父さん、お母さん・・・お話って、なに・・・?」

お母さんは、何も言わなかった。・・・というか、何も言えないようだった。お父さんは、まじめな瞳のまま、すぅ・・・と息を吸い、そして話し始めた。

「葵は、3歳のときにうちに来たんだ」

「えっ・・・それって・・・私・・・養子・・・なの・・・?」

信じられない、と瞳を見開く私に、お母さんが瞳を潤ませながら、つぶやいた。

「・・・ごめんなさい。黙ってて。でも、あなたを引き取った時から、中学1年生になったら話そうって・・・そう決めていたの・・・」

私は、秘密にされていたショックもあったけれど、それよりも大きな“仮説“があった。それは、今日の昼のこと。雨宮くんが話していた、雨宮くんの“双子の妹”―――。もしかしたら、それが私なのかもしれない・・・という仮説。

「・・・お母さん、お父さん・・・話してくれて・・・ありがとう。・・・あ、あのさ・・・私に・・・兄弟とかいるの・・・かな?」

バクバクする心臓を抑えながら、必死に平静を装って、お母さんに聞いた。お母さんは、急にキョトンとした顔になり、そしてしばらく考えた後、答えてくれた。

「確かいたと思うわ・・・お兄さんだったはず。本当は、そのこも引き取りたかったのだけど、そのこは体が弱くて・・・引き取る前に病院に入院してしまい、結局引き取れなかったの。それがどうかしたの?」

「ううん・・・何でもないけど、ちょっと気になっちゃって・・・」

間違いない。99%私は、雨宮くんの双子の妹だ。念のため、私はもう1つだけ質問した。

「私のもとの名前、お母さんとお父さん、覚えてるの・・・?」

「えぇ。確か・・・雨宮・・・そう、雨宮葵だったはずよ」

 

 

―――間違いない、私と雨宮くんは・・・双子の兄妹。

 

 

私は話の後、ケータイをいじりまくっていた。お母さんとお父さんは、あまり私がショックを受けていないから、ちょっと驚いていたけど、すぐにいつもの生活に戻った。私がケータイで電話していたのは、瑠奈だった。自室に戻り、今の心境を誰かに訴えたかった。

「もしもし、私だけど」

「知ってるわ。だって、あなたの携帯でしょう?」

冷静な瑠奈。あぁ、この声聞くと安心できる。そして、私はすべて今日知ったことを打ち明けた。瑠奈は、驚きもしなかったし、何も言わずにただ黙って聞いてくれた。そして、一言いった。

「いいじゃない。双子って、楽しいのよ?」

「え?」

思わず間抜けな声を上げる。瑠奈は、続けた。

「私も双子でしょ。双子って楽しいの。おなじ遺伝子から同じ時に生まれた人がいるのよ?考えとかが同じなのに、その理由が違っていたり・・・あぁ、もう!要するに、そのことを打ち明けちゃいなさい、太陽君に。だって、太陽君、会いたがってるんでしょ?“双子の妹”のあなたに」

「瑠奈・・・わかった、私言う!」

あぁ、瑠奈の言葉って、親友の言葉って・・・偉大だなぁ・・・。本当に、ありがとう。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。