「夕香、これなんかどうだ?」
「う~ん、星かぁ・・・」
只今、愛しの夕香とともに、とあるアクセサリーショップに来ている。さっき、公園であってから、偶然のデートだ。
本当に、ついているッ!!
心の中でガッツポーズをしつつ、俺は夕香の隣を歩く。
「ねぇねぇ、健丸?星にしようかな、それともハートの方がいいかなぁ?」
イヤリングの形の事で、ぐっと俺に近づいてきて、俺を見上げる形の夕香。
夕香のかわいさに、俺の理性ゲージが((殴
「俺的には・・・夕香のかわいさが引き立つハートの方が・・・」
「そぅ?なら・・・ハートにするねっ!」
笑顔を振りまきながら、夕香はレジへと向かおうとする。そんな夕香の腕をつかみながら、俺は言う。
「いいよ、俺が払う」
すると夕香は、さらに嬉しそうな顔をする。
「ありがとう、健丸!大好きぃ!!」
・・・夕香=天使という方程式が、俺の頭の中で出来上がってきた。
「ありがとーございましたー」
店員さんが、丁寧に頭を下げて見送る。
「健丸、ありがとっ!大切にするっ!!」
「あぁ、ずっと大切にしてくれよ」
やばい、いい雰囲気だ。このままでいたいけど・・・時間が過ぎてゆく。
「あ・・・もう帰んないと・・・虎丸さんが心配しちゃう」
―――そうだった、夕香は豪炎寺さん以外にも、虎丸さんという人とも一緒に住んでいる。だから、しょうがないか・・・。
「ホント、ごめんねっ?でも、ありがとっ!楽しかったわ!」
にこにこの夕香を見ていると、そんなこと、どうでもよくなってくる。そうだよな、また明日も会えるんだから。
「うん、じゃあ・・・また明日」
「また明日!」
そういうと、俺たちは別れた。
俺は1人で帰路に着く。
もういい時間だし、蘭丸にも夕飯を作ってやらないといけない。
ウチは両親が共働きで、蘭丸のご飯は、小さいころから俺が作ることになっていた。小さいころと言っても、俺が中学に入ってからだが。
「ただいまー、蘭丸ー、いるかー?」
「いるよぉ、おかえりー」
いつものように、蘭丸の声がリビングから聞こえてくる。ふと足元を見ると、男物のローファー。そうか、そういう事か。
「いらっしゃい、拓人君」
しばらくの間があった後、返事が聞こえてくる。
「お邪魔しています」
俺は靴を脱ぎ捨て、リビングへと向かう。
そこにいた2人は、一緒に勉強していた。蘭丸も拓人君も珍しくポニーテールにして、頭をかきむしる。こうしてみると、2人はとてもいい親友なんだと思う。すごく良く似ている。いや、似すぎてむしろ違っている気もしてくる。
「よくわかりましたね」
拓人君が、俺を見上げ、質問してくる。
「ローファーがあっただろ?だからだよ」
「あ・・・それもそうだな・・・」
蘭丸が、はっとした顔をする。そして、2人は顔を見合わせ、笑いあう。やっぱり、この2人は本当にいい親友だ。
「そうだ、拓人君も一緒に食べていくか?」
「そうだよ、神童も食べていくといいよ!」
ふと提案してみる。拓人君は、笑顔になってうなずく。こういう所も似ている。
「そういえば拓人君って、弟居たっけ?」
「あぁ、拓也のことですか?」
只今ディナー中。
否、ディナーというよりは、サパーか。・・・まぁ、どうでもいいけど、ディナーの方が響きがイイから、ディナーにしておく。
拓人君は、そういえば長男だったな、なんて思いつつ質問する。拓人君は、ちょっとだけ弟君―――拓也君について話してくれた。
「そうか・・・やっぱり、拓也君の事が大好きなんだな」
「えっ!?・・・確かに、そうかもしれませんね」
・・・拓人君と蘭丸の違いと言えば、ちょっと拓人君の方が大人かもしれない、という点か。
こういう時間も、幸せだと感じた。