「おねえちゃーん、パパ、どこぉ?」
「お姉ちゃんは幼稚園、パパはサッカーよ」
私は床に座り込む息子を見ながら、答える。―――最も、大きくなってきたお腹が邪魔して、顔はあんまり見えないけれど。
私は雷門・・・円堂夏未。全く、結婚して数年たつのに、まだ言いなれないわ。
この子は、息子の光陽。今日は熱で、幼稚園を休んでいる。この子は、鬼道くんと芽の娘さん・有美ちゃんと将来結婚する!・・・が口癖。全く、最近の子供は、ませているんだから・・・。
この子―――光陽が“お姉ちゃん”と呼んでいたのは、今5歳の娘・華咲。“パパ”というのは、夫の円堂守君のこと。そして・・・
ポンッポンッ
「あら、今日は元気ね」
今は、3子妊娠中。性別は女の子だったはず。華咲は女の子だけど、サッカーが大好きで、
男の子みたい。こういう活発な子供は大好き。でも、2人目の女の子くらいおしとやかになってほしい。じゃないと、光陽もサッカーが好きだから、3人もサッカーっ子がいたら、私の体が持たないわ。
「ママぁ・・・げんきだねぇ」
「ふふっ、そうね。早く生まれてきて頂戴?ママもお兄ちゃんも、早く会いたいのよ?」
この子の名前は決まっていないけれど、きっとまた・・・いい名前が付くに決まってるわ。
椅子に座ったまま、数時間が過ぎた。
編み物をしていたから、あっという間だった。もうすぐ、華咲を迎えに行かないといけない。
「それじゃあ、行こうかしら」
「おねえちゃんのとこ!?なら、ぼくもいくぅ!!」
光陽が、私のスカートの橋を引っ張ってくる。熱で休んでいるのに・・・仕方がない。なんていったって、この子はお姉ちゃんっ子。きっとこの子が生まれたら、いよいよシスコンに、なっちゃうでしょうね。
「わかったわ、一緒に行きましょう」
「やったぁ!!」
「あら、夏未!」
「え・・・芽じゃない!数か月ぶりね」
幼稚園の門の前であったのは、芽だった。まぁ、芽の娘さんの有美ちゃんもここの園児だから、当たり前といえば当たり前。
「わぁ・・・すっかり大きくなったねぇ!」
「ふふっ、でもまだまだよ?」
「分かってるよぉ。だって、私も一応、母親だし?」
芽とそんな話をしていると、娘たちがやってきた。華咲は、友達と話している。ちょっと後ろで、有美ちゃんが1人で歩いている。年齢が違うから、しょうがないのだろうけど・・・
「あっ!ママっ!あのね、今日ねっ!!」
「分かったから、後で聞くから・・・ね?」
芽はというと、心配そうに有美ちゃんを見つめる。
「どうしたの、有美?」
「あのね・・・こうようくんいなかったから・・・しゃみしかったの・・・」
そういう事ね、というように、私たちは顔を見合わせ笑う。光陽は、有美ちゃんの近くへと行く。
「ゆみちゃん!ぼく、もうげんきだから!あした、いっしょにいこうね!!」
「こうようくんっ!!うんっ!やくしょく!!」
子どもというのは、本当にかわいい。
「じゃあね、夏未。産まれそうになったら、言うんだよ?ww」
「分かってるわ、ありがとう」
芽と別れ、私たちは家へと帰る。今、すごく幸せ。
「ただいまー!」
辺りが暗くなってきたころ、円堂くんが帰ってきた。
「パパっ!!」
「パパぁー!!」
子どもたちが、お父さんの所へと走ってゆく。その光景を、私は、微笑みながら眺める。
こういう風景、すごく癒されるわ。
「お帰りなさい、円堂君」
「あぁぁぁ!夏未、座っとけ!!」
「え・・・いいわよ、大丈夫よ」
―――なんて、実はウソ。でも、頑張んないと・・・ね。
「いいから!ほら、座って!!」
「・・・ふふっ、ありがとう」
私は、かわいい子供たちと、優しい夫に囲まれて・・・シアワセね❤
ちょっと円堂家は、ブラコン系を語るには、幼すぎかと思いまして・・・^^;