ブラコンorシスコン!?   作:御沢

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剣城兄妹V2

只今学校へ向かう途中・・・。

京介が私の荷物を持ってくれているから、私の荷物は軽い・・・というかない。そんなにやさしい京介なんだけど、制服がちょっと・・・やたらと昭和のヤンキーくさいため、周りからの視線が痛い。

 

 

「あれっ、剣城、瑠奈?」

後ろから聞きなれた声が聞こえた。ゆっくりと振り返るとそこにいたのは・・・

「天馬か・・・」

サッカー部のキャプテンで、私と同じクラスの天馬だった。いつもに増して天パがもこもこなのを見ると、どうやら朝練には参加できなかったようだ。

「おはよう、天馬。・・・朝練には、参加しなかったわけじゃなくて、参加できなかったみたいね」

・・・図星だったらしく、天馬は顔を赤らめて、下を向いてしまった。でも、私はそれより気になることがあった。

「今日、私たちが休んでいるの、誰が伝えたの?」

「・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

やっぱり天馬は伝えていなかったみたいだ。はぁ・・・と頭を抱えてみせると、京介が肩を組みながら天馬に言った。

「瑠奈を困らせるな」

 

 

結局神童先輩が、私たち兄妹は、毎度のことだからまたその理由だろうと推測してくれ、天馬はあの髪の毛を見ると、事情を理解したようだった。でも私は思った。・・・やっぱり神童先輩にも、お兄ちゃんのこと、言ったほうがいいのかな・・・。

「大丈夫だ、必ず話すから」

急に京介が言ってきた。

京介は分かってくれたんだ・・・。やっぱり京介は、とても頼りになるお兄ちゃんだな。

 

 

数時間後・・・

 

 

「リンゴの個数を求めたいとき、リンゴの個数をx(個)とする。ミカンとリンゴを合わせて15個買ったんだ。すると、ミカンの個数は何個と表せるかわかるか?剣城」

「・・・え・・・?」

只今数学の授業中・・・。担当は、ちょっと前とかが薄くなってきた40歳くらいの先生。話し方とかすごく面白いのに、いやなところであててくるんだよね。本当、いやになるわ。・・・まぁ、わかるからいいんだけど。そんなことを考えながら、私は発表し始めた。

「リンゴの個数をx(個)とおくのなら、ミカンは(合計の数)―(リンゴの個数)で求められることになるので、(15-x)個となります」

若干先生が、悔しそうな顔をしたが、すぐに笑顔になって、

「そうだ、正解だ。よく出来たな」

とわざとらしく褒め始めた。でも、私はただ単に疲れるだけ・・・。あぁ、お兄ちゃんや京介ともっと話していたいな・・・。

 

 

「はぁ・・・本当に疲れたわ・・・あの、えこひいき教師が」

「瑠奈、あてられちゃったもんねぇ~」

今は昼休憩。雷門中の昼休憩は、長い。弁当を食べる時間をのぞいて、1時間半。だから、同じサッカー部のマネージャー・空野葵と話す時間も、たくさんあってありがたい。

只今、2人で屋上にいます。・・・まぁ、ちょっと離れたところに神童&霧野先輩や天馬、信助、京介などの・・・要するに、サッカー部のメンツがたくさんいるのだけど。だから、正確には、『2人で話している』ということになる。

ふと、横にいた葵が、顔を赤らめながら話しかけてきた。

「・・・ね、ねぇ、瑠奈・・・。て、天馬って、キャプテンっぽいよね・・・しっかり、まとめられているし・・・」

「・・・いつになれば、告白するの?そりゃ、天馬は恋愛対象としてではないと思うけど、芽さんLOVEだけれど・・・早く、自分の心に区切りをつけちゃいなさいよ、葵?」

 

 

・・・そう、葵は天馬のことが好き。

でも、なかなか告白できていなくて、只今苦戦中・・・。

 

 

「瑠奈、天馬が呼んでいる」

上から低くやさしい声が聞こえてきた。―――京介だった。

「天馬が・・・?あ、そうだった、サッカー教えてあげてほしい人がいるとか言ってたわ。でも、部員たちは次の試合のための調整で忙しいから、私が教えてあげることになっていたのよ」

天馬が呼んでいることに若干・・・かなり苛立っていた京介に事情を説明した。すると案の定、京介は安心したような顔をした。そんなに私が、天馬といるのがいやなのかしら?そりゃぁ、今朝はちょっと困らされたけど、別にもう大丈夫なのに・・・。

「じゃあ、行ってきます」

そういうと、私は天馬のところへと向かった。

 

 

「天馬、教えてあげるって話でしょ?」

唐突に、私は本題に入った。天馬がいろいろぶつぶつ言っているけれど、それはとりあえず無視した。

「そうだよ・・・。あのね、教えてほしいのは、俺の姪っ子の有美ちゃんなんだ」

「有美ちゃん・・・あぁ、鬼道さんと芽さんの娘さん。てっきり鬼道さんに教えてもらっているものだと思っていたわ」

有美ちゃんというのは、先ほども説明したように鬼道有人さんと天馬のお姉さんの、旧姓松風芽さんこと鬼道芽さんの娘さん。

鬼道さんは、かつて日本中を歓喜に包んだ『フットボールフロンティア・インターナショナル』で、日本代表・イナズマジャパンの司令塔として活躍した人。現在は、帝国学園と鬼道財閥の総帥を掛け持ちしているとかで、有美ちゃんがサッカーを教えてほしいとは言っているが、なかなか教えてあげられていないらしい。だから、奥さんの芽さんから天馬に、そして私に伝わったらしい。

「有美ちゃんは、サッカーが知りたくて仕方がないみたいなんだけど・・・俺もキャプテンだから、なかなか練習に参加しないわけにはいかなくて・・・」

成程、そういうことか。私は大方納得した。でも、まだ納得していないことが1つ・・・。

「そうか。なら、寝坊して練習を忘れたのは誰だったか」

「つ、剣城・・・!」

そう、私の納得していなかったことは、いつの間にかきていた京介の言ったことと同じこと。―――要するに、今朝のことだ。

「そうよ、私も同じこと言おうとしていたわ。・・・でも、まぁ、ときには仕方のないことかもね」

「あはは・・・」

そう乾いた笑い声だけ残して、天馬は信助たちのところへと向かった。

 

 

「・・・まったく、自分のことは棚に上げるんだな」

「・・・そうね、同意するわ」

 

 

 

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