「おはよ~、秋姉~」
「あら、おはよう、天馬。そうそう、今日、芽が来るって言ってたわよ?」
「うっそ!姉ちゃんがっ!?」
それを聞いた瞬間、俺のテンションはMAXになった。―――やった!姉ちゃんが帰ってくる!!
俺は、松風天馬!
サッカーが大好きで、雷門中学校サッカー部のキャプテンをやってるんだ!さっきまで一緒にいたのは、親戚の秋姉こと木野秋さん。俺が1人暮らししている『木枯らし荘』の管理人をやりながら、俺の面倒も見てくれているんだ。
そして、俺がさっき喜んだのは・・・姉ちゃんが帰ってくるからなんだ!姉ちゃんは、松風・・・じゃなくて今はもう旧姓松風芽の・・・鬼道芽のこと。(←そんなに『鬼道』と言いたくないのかw)
俺よりも11歳年上だけど、すっごくやさしくて、俺の自慢の姉ちゃんなんだ!ただ、最近は俺から見たら姪っ子になる、有美ちゃんの面倒や、鬼道さんの補佐(鬼道さんは鬼道財閥&帝国学園の総帥&帝国学園サッカー部の監督)で、全然会えていなかった。だから、大好きな姉ちゃんに会えるのは、とっても嬉しいんだ!
「♪~~~~♫~~~」
「て~んまっ!どうしたの、そんなにご機嫌で」
「葵!おはよう!!」
登校中、後ろからやってきたのは、幼馴染の空野葵。葵は、サッカー部のマネージャーで、休日とかもよく遊ぶんだ。あ、そういえば遊ぶといえば・・・
「そういや葵、新雲学園の太陽、覚えてる!?昨日一緒に遊んだんだ!その太陽と葵って、2人とも何事にもひたむきで、なんかすごく似てる!!」
「・・・はぁ?なによぉ、急に何言いだすかと思ったら・・・」
葵は、ちょっとあきれたような顔をした。機嫌が悪くなったのかな?と、少しさみしかった。でも、そんなことはなかった。だから、俺はまた笑顔になって、サッカーについて話し始めた。
俺は、今じゃあ鬼道さんのこと、尊敬してるけど、姉ちゃんと結婚した当時は、かなり嫌いだったな~。姉ちゃんとも口を利かなかったし、その時はまだいっしょに暮らしていた母さんにもたくさん八つ当たりしたんだ・・・(汗)
でも、姉ちゃんが子供を身ごもった時、すごくうれしかったな!俺にとっては、なんだか妹が出来たみたいだった!
・・・って、今授業中だった!今、先生にあてられたら、俺絶対答えられない!・・・でも、それには瑠奈があてられた。やっぱり瑠奈は、不機嫌になっちゃったけど。
早く放課後になってほしいけど・・・今は昼休み!1時間半の昼休み、いつもならサッカーやってるけど、今日は瑠奈にお願いがあるんだ~。姪っ子の有美ちゃんにサッカー教えてあげてほしいから、でも、俺たちは無理だから、実は剣城よりサッカー上手な、瑠奈に教えてもらうんだ!
瑠奈は、快くOKしてくれた。予定も決めたところで、携帯を見る。・・・えぇ!?まだ、45分も残ってる・・・(涙)仕方がないから、俺は図書室へと向かった。
「あれ、速水先輩・・・じゃないですか?」
「え・・・て、天馬君!どうしたんですか、天馬君が図書室に来るなんて・・・!!」
なんだか速水先輩に驚かれたけど、とりあえず図書室の椅子にすわり、かばんからサッカーの雑誌を取り出して、あるページを開く。
「ん~?これってだれだろ~?」
「どうしたんですか、天馬君」
「先輩、このクロスワードパズルがわかんないんです~(涙)」
俺が今やっていたのは、サッカー専門のクロスワードパズル。問題としては、『「炎のストライカー」とは誰だ』とか『鬼道有人と不動明王を合わせて何と呼ぶ』とかサッカーについてのことばっかり!!俺にとっては、最高の雑誌なんだ!
俺が今解けないでいるのは、『ニース・ドルフィンは通称何と呼ばれている』という問題。どこかで聞いたことあるのに、思い出せない・・・。あぁ、今すごく悔しい!!
「『ドルフィン』・・・ですよね、天馬君?通称というか、名字呼びですけど・・・」
・・・速水先輩は、あっという間に答えを言って去って行った。
速水先輩、かっこいい・・・っ!!
また携帯を見てみると、今度は昼休憩終了5分前。よし、早く戻って準備をしよう!!
そして放課後~!!
サッカー!さっかー!soccer・・・じゃなくて!今日は姉ちゃんが来るから、部活やすむんだ!ごめんなさい、神童先輩、円堂監督、でも俺は、姉ちゃんとの約束のほうが大切なんです!!
「あっ、天馬、部活行こっ!」
「ごめん、葵っ!今日、姉ちゃんが来るんだ!!」
「えっ!?芽さんがっ!?じゃあじゃあ!私も行く~っ!!」
・・・ということで、葵と2人で木枯らし荘へと帰った。その途中だった。後ろから黒い大きな車―――リムジンがやってきて、中から聞きなれた声が聞こえた。
「天馬と葵ちゃんじゃない!久しぶりね~!!」
「てんまにぃとあおいおねえちゃん、ひしゃしぶり!!」
「姉ちゃんと有美ちゃん!」
「芽さんと有美ちゃん!」
そう、そこにいたのは姉ちゃんと有美ちゃんだった。俺と葵は、手を取り合って喜んだ。
そして、姉ちゃんが運転手さんに頼んで、リムジンに乗せてもらったんだ♪
in 木枯らし荘
「芽っ!久しぶりね~」
「秋ぃ~!それに、夏未、春奈、冬花!」
俺たちはびっくりした。木枯らし荘には、秋姉以外にも、円堂監督の奥さんの夏未さんをはじめ、雷門中学校の教師の音無先生や、太陽の担当看護婦さんの冬花さんもいる。そういえば、皆姉ちゃんとは10年前、いっしょにイナズマジャパンとしてマネージャーをした仲なんだっけ。
姉ちゃんはというと、有美ちゃんを葵に預け、話しこんでいた。仕方がないから、俺も葵たちのところへと向かった。
「話し、こんでるね・・・^^;」
「そうだね・・・はぁ・・・」
あっ、ヤバッ・・・俺がため息つくと、いつも葵は・・・
チョン・・・チョン・・・
「う”わぁ!」
「ほら、ため息つくと幸せが逃げていくぞ?」
・・・今日は、葵との時間を楽しもうかな。