弟と弟の幼馴染と娘と、木枯らし荘へと向かって、私はびっくり。
だってそこにいたのは、かつての仲間たちだったから・・・
私は鬼道芽。
雷門中学校サッカー部キャプテンの松風天馬の、11歳上の姉です♪名字が違うのは、4年前に、10年前のイナズマジャパンだった有人こと鬼道有人と結婚したから。今では、3歳の娘の母です。
「本当に、びっくりっ!どうしたの・・・?」
「ふふっ、芽、どう?皆に来てもらったのよ」
サプライズに、私はびっくり&うれしくて、顔を真っ赤にしている。そして、春奈ちゃんのところへ行き、手を握る。
「春奈ちゃん!立向居君との結婚、おめでとうっ!!」
「「えぇ~っ!?」」
・・・そう声をあげたのは、弟の天馬と、天馬の幼馴染の葵ちゃんだった。
「音無先生、結婚されてたんですかぁ!?」
「まだ言ってなかったのね。まぁ、そのうち話すわ」
春奈ちゃんは、顔を真っ赤にして笑っていた。すっごくかわいい。
「・・・ってか、姉ちゃんは知ってたの!?」
今度は天馬。でも、そんなの・・・
「当り前でしょ?だって、義理の妹だもの♪」
そう、私の夫の有人と、春奈ちゃんは実の兄妹。ただ、幼いころに事故で2人とも両親を失い、別々の親に引き取られたから、名字も違うけど。
まぁ、有人の妹だから、私の義理の妹にもなるってわけ。
それがひと段落した時、私は、夏未の顔色が悪いことに気がついた。
「夏未・・・大丈夫・・・?顔色、すごく悪いよぉ?」
「だい、じょうぶ、よ・・・うぅ・・・」
今度は、奇麗なハンカチを口にあてて、必死に吐き気をこらえているようだった。
「・・・もしかして・・・」
「「「「デキた?/デキました?」」」」
「っ・・・//////!!!・・・ハイ」
なんと今度は、夏未の第3子妊娠発言!夏未たちの第1子は、2人が19歳のときにできた子だった。第2子は21歳のときにできた子で、いよいよ3人目だった。
「夏未ぃ~!!おめでとぉ~!!」
「あ、ありがとうっ」
照れる夏未、すごくかわいい♪そのあとも、なんだかんだガールズ(ウィメンかも・・・w)トークを楽しみました。
「それじゃあ、芽さん、また会おうね」
「またお話しましょうね、芽さんっ!」
「それじゃあまたね、芽」
結局私と娘の有美は、木枯らし荘に泊まることになった。もう7時になったため、冬花、春奈、夏未はそれぞれの家へと帰って行った。
「ふぅ・・・それじゃあ、天馬、いっしょに遊ぼっかっ!」
「うん!姉ちゃん!!」
皆が帰ったため、私は弟と遊ぶことにした。娘の有美は、すでにもう寝ている。天馬は、サッカー部のメンバー表を眺めていた。
「何それ。・・・サッカー部のメンバー表・・・?そーやー有人も見てたわ」
「鬼道さん、ちょっと前まで雷門のコーチだったからね」
「マジで?初耳・・・」
天馬と話してると、こんなことしょっちゅう。
だって有人、家では全く何にも話してくれないんだもん・・・中学のころからずっとそう・・・でも、私の言葉は、どんなに小さな声でも、絶対に聞き逃さなくて・・・
10年前・・・
「きどーくーん!きーどーくーんー!!」
「・・・なんだ松風」
その時私は、まだ松風だった。
「鬼道くんはさぁ、なんでそんなに頭いいの?うらやましいよ?それに運動神経も抜群だし、そんなんじゃ・・・好きになっちゃうよ・・・」
最後はボソッとつぶやいた。
でも、それが鬼道くんには伝わってたみたい。いつもはポーカーフェイスの鬼道くんが、みるみるリンゴのように顔を真っ赤にして、私のことを見つめてきたことを覚えてる。
「松風、今なんといった・・・」
ごまかそうとした。でも、鬼道くんの顔を見てたら、ごまかせないってわかったから、観念して告白した。
「えっ・・・す、す、すっ!・・・好きになっちゃうよって・・・言いました」
その瞬間、私の体は鬼道君の体におさまっていた。今度は、私の顔が真っ赤だった。
「ちょ、え・・・鬼道くんっ・・・!?」
「・・・俺は、今はポーカーフェイスなんて無理らしい。とてもうれしいんだ・・・松風」
うれしくって、びっくりして、あの時の心境は、今でも言葉で表せられない。でも、本当に本当に・・・嬉しかった。しばらくして、私は静かに口を開いた。
「き、鬼道くん・・・私ね、初めて帝国学園と雷門がサッカーの試合、した時があったでしょ?あの時はね、帰宅部だったの。毎日が楽しくなくて、すべてがモノクロっぽくって、とにかく無彩色の世界で・・・でも、鬼道君と会ってから、毎日が鮮やかだった。私、弟も今3歳でね、お母さんも仕事でいないし・・・不安だったけど、鬼道君を見てたら、なんだか安心できて・・・いつの間にか、鬼道くんが好きになってたみたい・・・迷惑じゃなかったら、好きでいてもいいですか・・・?」
「当り前だ。むしろ、俺のほうからお願いしたいところだ」
そう、いつもそう。私のことはたくさん知ってるのに、私は有人のこと・・・何にもとは言わないけど、まだ知らないことのほうが多いんだなーって思う。
「ね、姉ちゃん・・・?」
「どうしたの、天馬」
「どうしたじゃないよ!なんで・・・泣いてるの?」
ナイテル・・・?
私は自分の頬に、そっと触れた。私の指は、濡れていた。―――自分の涙だった。
「ごめんね、天馬。・・・なんか、有人は私のことたくさん知ってるのに、私は知らなさすぎるなぁ・・・って思ってたの」
正直に言うと、天馬は笑顔で言った。
「姉ちゃんは鬼道さんのこと、好きなんだね。だったら大丈夫!きっと、大丈夫だからね!!」
あぁ・・・天馬、あなたは私の自慢の弟ね。
大好きよ。あなたも―――大切な人、見つけるんだよ?