マギレコRTA ワルプルギス撃破ルート脳筋傭兵チャート   作:スパークリング

60 / 60
息抜きでちょいちょい書いていた番外編が書きあがってしまったので投稿します。
本編はもう少しお待ちください。

以下、ネタバレとキャラ崩壊注意です。


番外編 Side.八雲みたま 怪談白物語

「はい、これで定例会議お終いね」

 

 これはとある日の調整屋さんでの出来事。

 

 ワルプルギスの夜との戦いを終えたあと、月一で開かれる定例会議。

 参加者は、わたしこと調整屋さんの店主である八雲みたま、西の統括のやちよさん、東の統括の十七夜、中央の相談役のひなのさん、『マギウス』の件で活躍して重鎮入りをしたななかちゃんとこのはちゃん、そして神浜最強の魔法少女であるモモちゃんの計七人。

 

 内容としては神浜の情勢や起こった出来事についての細かな報告、そして新たに起こした新組織の『神浜マギアユニオン』での活動報告の大きく分けてふたつ。

 特に後者に関しての情報の開示が大きいわね。

 わたしにモモちゃん、ななかちゃんとこのはちゃんは協力することは約束しているけど『神浜マギアユニオン』には加入していないから、どういう成果を上げているのかはこの会議を通さないとしっかりと耳に入ってこない。

 

 わたしやモモちゃんを始めとした、何人かの魔法少女が『神浜マギアユニオン』に参加しないことが明かされたときは一時騒然となった。

 モモちゃんが入らないならと弟子であるかりんちゃんが、モモちゃんの味方で居続けると帆奈ちゃんが相次いで不参加を表明し、さらにそこにななかちゃんとこのはちゃんまで不参加の意を示したのだから。

 

 まぁでも、実際は何も問題はない。

 言ってしまえば、わたしたちは野党みたいなものだから。

 与党である『神浜マギアユニオン』の動向を監視して、問題があると思ったら指摘する立場にいるだけで、協力関係にはある。

 

 中立派はいつの時代も必要なもの。

 全員が同じ組織に加入すると色々と問題が起こるから、それを食い止めるためにもストッパーは必要不可欠。

 だからまずわたしとモモちゃんは『神浜マギアユニオン』に参加することを断念した。調整屋のわたしと最強の戦闘能力を誇るモモちゃんならストッパーとして充分に機能するから。

 そしてそれぞれ別の思惑があるだろうけど、それでもわたしたちの意思に賛同した子たちがこちら側に入った。ただそれだけなのよ。

 

 だからこうして定例会議をしていても全然ギスギスしていないし、全員が全員言いたい放題できるから結構砕けた感じで進んで行く。

 特に変な話題もなかったからどんどん話が逸れて行って、終わった時にはもうただの女子会になっていた。

 机の上にお菓子が散乱して、雑誌やらなんやらがごちゃごちゃになっている。

 

「思った以上に早く終わったし、ゲームでもやらない?」

 

 調整屋さんが始まるまで全然時間があるし、この後もメンバーたちに予定がないことを聞いていたわたしはそんな提案をする。もはや定例会議後のお約束でもあった。

 

「そうだな。それで何をする?」

「『パラノイア』でもします?」

「やめておきましょう……。このメンバーで『パラノイア』はやりたくないわ」

「いっつもデブリーフィングに行く前に全滅するからのう……」

「本当に、なんでそうなってしまうんでしょうね」

「大体おまえらのせいだからな?」

「ひなのさんも人のこと言えないわよぉ?」

 

 うーん、『パラノイア』はダメみたいね。

 わたしは結構好きなんだけど……まぁ、あれはもうちょっと良心的な子が来てくれないとすぐにみんな死んじゃうからダメよねぇ。

 それなら……。

 

「じゃあ……『怪談白物語(かいだんはくものがたり)』でもする?」

 

 知る人ぞ知るTRPG『怪談白物語』。

 何回か回しているうちに、楽しいけどゲームマスターをやりたくないという人を続出させるゲームを提唱してみた。あと最近やっていないし。

 

「あれは……やってもよいが、私はゲームマスターをやらんぞ?」

「私もゲームマスターはお断りよ」

「私もちょっと……」

 

 ゲームマスターを体験したことがあるモモちゃんとやちよさん、このはちゃんが渋る。

 

「大丈夫よぉ。わたしがやるから♪」

「本気ですか? あんなにGM泣かせなゲームはありませんよ?」

「大丈夫大丈夫♪ シナリオも……ほら、調べたら出てきたし、これを使うから♪」

 

 pi○ivって便利よねぇ。

 

「ふむ、八雲が大丈夫と言うなら止めないが」

「覚悟した方がいいぞ? アタシたちは結構言いたい放題言うからな?」

「というか昔散々な目に遭わされた恨みを晴らさせてもらうぞ?」

「本当よ。何度あなたのせいで酷い目に遭ったか……」

「任せてちょーだい。じゃあみんな『職業』と1~6までの『数字』と好きな『ファ○タ』の味を決めておいてねぇ。知っていると思うけどぉ、『職業』と『数字』は被っちゃダメよぉ」

 

 

 

 

 

 決まったかしらぁ?

 それじゃあ順番に自己紹介をどうぞ。

 あ、わたしの『性格』は無しで行くわぁ。だからのびのびとやっていいわよぉ。

 

「『脚本家』の和泉十七夜だ。数字は1。ファ○タは……毎回困るな。あんまり飲まないからな。すまんが飲んだことのあるグレープだ」

「『編集者』の星奈百恵じゃ。数字は2、ゴールデンアップルが好きじゃよ」

「結構渋いですね。『霊媒師』の常盤ななかです。数字は3、普通にオレンジが好きです」

「『科学者』の都ひなのだ。数字は4、メロンソーダが好きだぞ」

「『呪術師』の静海このはよ。数字は5、マスカットが好きだったわ。復刻しないかしら」

「はぁ……『無職』の七海やちよ。数字は6、私もグレープが好きだわ」

 

 あ、やちよさんが『無職』なのねぇ?

 やーい、あなたむーしょくっ♪

 

「やちよむーしょくっ」

「ちゃんと働けよ無職」

「うむ。働かないのならせめてここで役に立つんだぞ、無職」

「くっ……これだから『無職』だけは嫌だったのよ……!」

 

 恐怖耐久度が高い上にデメリットがないからいいじゃない? それでもあなたむーしょくっ♪

 

「……むかつく!」

 

 それじゃあpi○ivに投稿されているシナリオ、『蘇良【ほしとまんまる工房】』様作成の『事故物件?』をお話ししていくとするわぁ。

 頑張って十個のキーワードを改変してねぇ。

 

 みんなで怪談を話し続けて百回目。

 これまで以上に怖いやつ、とっておきのやつをトリのわたしが話しちゃうわよぉ?

 

 これはわたしがひとり暮らしを始めた時の話なんだけどね。

 

「うん? 『ひとり暮らし』ではなくて『調整屋』を始めた時の話ではなかったかの?」

「いきなり来ましたね」

 

 星奈百恵

 1D6(2以外成功)→ 5 成功

 

 ああ、そうだったわ調整屋さんを始めた時だったわぁ。

 『ひとり暮らし』はキーワードよぉ。

 

「ほい来た」

「幸先良いですね」

 

 魔法少女になって調整屋さんを始めた時なんだけどねぇ、実は最初にお店にするために目を付けた廃墟はこの『神浜ミレナ座』じゃなくて中央区にある廃墟だったのよ。

 駅からも近いし中央区は西からも東からもアクセスが容易だったから丁度いいと思ってね。

 

 で、そこで調整屋さんとして営業していたある日のことだったわぁ。

 調整屋さんに来た子たちと怪談話をすることになってねぇ、とっても盛り上がったのよぉ。

 

「『怪談話』ではなくて『猥談話』で盛り上がったんじゃないの?」

「ちょっ」

 

 七海やちよ

 1D6(6以外成功)→ 4 成功

 

 そうだったわぁ、うっかりうっかり。

 

「間違えんだろ」

 

 あ、『怪談話』はキーワードよぉ。お見事ねぇ。

 まぁそれでもやちよさんは無職なんだけどぉ。

 

「お主むーしょくっ!」

「なんでキーワード当てたのに煽られるのよ……」

「それが『無職』の宿命ですから」

「というかちょっと待って。もしかして今から私たち、みたまさんの猥談話を聞かないといけないのかしら?」

「それは……嫌だな」

「別の意味で恐ろしい話を聞く羽目になってしまったな」

 

 恥ずかしいから端折っちゃうけどねぇ、最後に『廃墟選びは慎重に』って言って話を纏めたの。

 なんでも廃墟でヤることヤっていたらしいのよ、その子たち。

 で、なんで『廃墟選びは慎重に』って話すのかというとねぇ? 廃墟になってしまうような建物は事故物件の可能性があって、怪奇現象に悩まされることが多いんだって。

 その子たちも廃墟で人目を忍んでエクスタシーしていたらしいんだけど、途中で不可解な出来事が起こって一気に熱が冷めて色々と垂れ流しながら逃げ出したそうよ?

 

「やめろ八雲! 色々と最悪だ!」

「なんでそんなノリノリで順応してんだよ!」

「やちよさんもやちよさんですよ……」

「もっと他にやりようがあったのでは?」

「困らせてやろうと思ったのに……こんなはずじゃ……」

「じゃからお主は無職なのじゃ!」

 

 あなたむーしょくっ♪

 

「七海むーしょくっ」

「とりあえず十七夜は真顔で煽らないでちょうだい……。ごめんなさい、反省しているわ」

 

 まったく、無職のせいで全然話が進まないわぁ。

 続けるわよぉ?

 

 で、後になってその廃墟を調べてみるとねぇ?

 そこにかつて入居した人たちの大半が怪奇現象に悩まされて出て行ってしまったそうなのよ。

 そのせいで入居希望者がいなくなっちゃって、管理人も手放してそのまま廃墟になっちゃったらしいわぁ。

 

「私が聞いた話だと『怪奇現象』じゃなくて『露出狂』に悩まされていたらしいけれど……」

 

 静海このは

 1D6(5以外成功)→ 6 成功

 

「あ、成功したから『呪術師』の効果で6の無職さんにダメージが入るわ」

 

 七海やちよ

 恐怖耐久度 5 → 4

 

「天罰ですね」

「天罰じゃな」

「怪談話を猥談話にした無職に対するな」

「くっ……これだから無職は嫌なのよ!」

 

 それでもあなたむーしょくっ♪

 あ、『怪奇現象』はキーワードよぉ。順調ねぇ。

 

「あとキーワードは七個だな」

 

 で、それでね。

 その話を聞いてわたしは怖くなったわぁ。

 ここは大丈夫よね? 露出狂が出るなんて噂は聞いたこともないし、不審者が出るような注意喚起もされていないから大丈夫よね? ってね。

 

「それはそうなるわ」

 

 するとその子たちは、この廃墟に関しては変な噂は流れていないよと、実際にここで営んでいても露出狂が現れることはなかったよと言ってくれた。

 安心して胸を撫でおろしたわぁ。

 

「安心するなバカ!」

「別の意味で事故物件じゃないの!」

「変なオバケよりも質が悪いですね」

 

 それからしばらく経ってね。

 

「『しばらく』ではなく『七十年』経ったんじゃありませんか?」

 

 常盤ななか

 1D6(3以外成功)→ 3 失敗

 

「あ、失敗しました」

 

 常盤ななか

 恐怖耐久度 4 → 3

 

 なに言っているのよななかちゃん。わたしまだ十七歳よぉ?

 で、しばらく経ってねぇ、夏休みに入ったのよ。

 

「『夏休み』に入ったんじゃなくて『冬休み』に入ったんじゃないの?」

 

 七海やちよ

 1D6(6以外成功)→ 3 成功

 

 ああ、そうだったわ冬休みだったわ。

 でもキーワードじゃないわよ残念だったわね今どんな気持ち? 無職のやちよさん?

 

「おまえむーしょくっ!」

「これだから無職は……」

「変なところでチャレンジャーになるからいつまで経っても職が決まらないんですよ」

「辛辣すぎるでしょう!?」

 

 それで冬休みに入ってねぇ、課題に追われたり、調整屋さんの仕事をしたり、友達と遊んだりしてね、充実したものだったのよ。

 

「おいおい、『課題』じゃなくて『変質者』に追われたんだろ? そしてアタシの職業の『科学者』の効果でさらにもうひとつ変えるぞ。遊んでいたのは『友達』とじゃなくて『セフレ』とだろ?」

 

 都ひなの

 1D6(4以外成功)→ 2 成功

 

 『課題』はキーワードよぉ。

 ああ、そうだったわ。私は変質者に追われて、セフレと遊んでいたのよ。

 

「怖いのベクトルが違うわね」

「どんどん八雲が痴女になっていくな」

「ていうか変質者現れているじゃないの。あなたと猥談していた子たち嘘吐いているじゃないの」

「多分冬になってから出てきたんじゃろうな」

「あの廃墟の近くで不純異性交遊が多発しているとかそんな噂が流れたのでしょうね」

 

 まぁ、そんな感じで爛れた冬休みを謳歌していたある日の夜こと。

 いつものように変質者に追われて調整屋さんに逃げ込んで、もうくたくたになっちゃって窓際にあるソファに座って一息ついたのよ。

 

「普通に家に帰りなさいよ」

「というか警察に被害届を出せ」

「逆に補導されるからダメなんだろ」

 

 それでちょっと休んでいるとね、ふと風が頬を撫でたのよ。

 

「頬を撫でたのは『風』じゃなくて『変質者』じゃろうて」

 

 星奈百恵

 1D6(2以外成功)→ 2 失敗

 恐怖耐久度 3 → 2

 

「むぅ、失敗。じゃが『編集者』の効果でキーワードをひとつ開示してくれ」

 

 はいはーい。

 キーワードは(コロコロ)……残念、『課題』。もう出ちゃっているわねぇ。

 

「無駄骨じゃったか」

 

 それで風が頬を撫でたのを感じ取って、その方を見たのよ。

 追いかけてくる変質者が行ったかどうかを確かめるために少しだけ開けていた小窓、そこから吹いてきたのね。

 

 もう行ったかしら?

 そう思ったわたしは窓の外に目を向けたわ。

 するとね、真向いの建物が目に入ったの。

 少し太い大通りを一本隔てた建物。ぼんやりとだけど、その建物の窓辺だけ見えたのよ。

 

「ん? 確かその廃墟は『大通り』ではなくて『三途の川』を隔てていたはずだが?」

 

 和泉十七夜

 1D6(1以外成功)→ 1 失敗

 恐怖耐久度 3 → 2

 

「む、失敗か。だが『脚本家』の効果で失敗しても書き換わるぞ」

 

 そうだったわ三途の川を隔てていたんだったわ。

 残念だけど『大通り』はキーワードじゃないわよぉ。

 

「そんなもん中央区にないぞ」

 

 どっこいわたしが見つけた廃墟の前にはあったのよ。

 で、その三途の川を隔てた先にある建物の中にね、人影が俯いているように見えたのよ。

 なんとなくだけど気になっちゃって、その人影をもっと観察してみたいと思っちゃったの。

 

 その人影は窓辺に佇んでじっとしていたわ。

 ただただじっとしていたのよ。

 

「その『人影』って確か『フェリシアさん』じゃなかったかしら?」

 

 静海このは

 1D6(5以外成功)→ 3 成功

 

「今度は私に飛び火しましたか」

 

 常盤ななか

 恐怖耐久度 3 → 2

 

 『人影』はキーワードよぉ。

 ああ、そうだったわフェリシアちゃんがじっと俯いていたのよ。

 

「む? 『じっとしていた』のではなくて『タバコを吸っていた』のではないのかの?」

 

 星奈百恵

 1D6(2以外成功)→ 3 成功

 

 ああ、そうそうフェリシアちゃんがタバコを吸っていたのよ。

 それはもうずっとねぇ?

 

「グレてるじゃないの」

 

 それだけの特に変化のないつまらない光景に五分と持たずに飽きちゃってね。

 

「非常にショッキングな光景だと思いますが?」

 

 いやビックリはしたわよ?

 でもそんなことよりまた変質者が来ないかどうかの方が気になっちゃってね、見張りを再開したの。

 

「そういえばおまえ変質者に追われていたんだったな」

「その割に随分と余裕だったな」

 

 魔法少女だからねぇ?

 それにいざとなったらモモちゃんとか十七夜を呼べばいいから意外と余裕だったのよ。

 

「すでにそのいざという時じゃなかったのかの?」

 

 まぁまぁ、そんなことはいいのよ。

 でね、気が付いたことがあったのよ。

 初めて見つけたあの日以降、必ずフェリシアちゃんが夜になるとあの窓辺に佇んでタバコを吸っているってね。それはもうずうっとね。

 だんだん気味が悪くなってきちゃったのよ。

 

「今更かよ」

「最初から怖いわよ」

 

 そもそも見なければいいだけの話だからまだ良かったのよ。

 それである日の午後の事なんだけどね。

 

「『午後』ではなくて『未明』ではなかったですか?」

 

 常盤ななか

 1D6(3以外成功)→ 4 成功

 

 そうそう未明の事だったわぁ。

 

「零時を回っているぞ」

「なんでそんな時間まで調整屋にいたのよ」

 

 その日は家に帰りたくなくて調整屋さんに泊まることにしたのよ。ほら、ベッドとかあるし。

 それで深夜になってちょっと目が覚めちゃって……なんか物凄く向かいの建物が気になったのよ。

 

「唐突ですね」

 

 ちょっとそこに行ってみようっていう衝動に駆られたわたしはその建物に向かったわ。

 なんでフェリシアちゃんがタバコを吸っているのかが気になってしょうがなかったのよ。

 

「今になって気になり始めたの?」

 

 うん。

 それに本当はフェリシアちゃんじゃないかもしれないじゃない? よく似ている別人かもしれないし、悩みがあるなら相談に乗ろうかなって。

 なんにせよ、本当にわたしが見たのがフェリシアちゃんだったのか確かめたくなって、向かいの建物に向かったの。

 そうしたら絶句したわ。

 

 問題の建物はどこにでもある一軒家。

 でも表札がなくて庭も荒れ放題。どう見ても空き家だったのよ。

 

 窓からだとその建物は二階の窓辺しか見えないから塀を越えた先にある庭の様子なんて知らないし、ましてやその建物がある三途の川沿いをわたしは歩いたことがなかったから、そこがまさか空き家だなんて思いもしなかったの。

 

 訳が分からなくなったわ。

 じゃあわたしが見ていたフェリシアちゃんらしい人物は、どうしてこんな空き家にいたの? って。

 

「おまえだって廃墟に住み込んでいるじゃないか」

「というか間違えすぎだぞ八雲。その『空き家』は『みかづき荘』だっただろう?」

「ちょっとぉ!?」

「ふははっ」

 

 和泉十七夜

 1D6(1以外成功)→ 5 成功

 

 そうそうやぁねぇ、わたしってば。

 無職のやちよさんの家のみかづき荘だったわぁ。

 『空き家』はキーワードよぉ。

 

「よし。残るキーワードは四つだな」

「なるほど。みかづき荘ならフェリシアさんがいるのも納得ね」

 

 そうねぇ。なんでわたし怖がっていたのかしらぁ。

 

「十七夜、あなた急に喋り始めたと思ったら……!」

「いや、自分だけ出遅れてしまったからな。少し気合を入れて介入させてもらったんだ」

「気合の入れ方が違うのよ! というかあなたの能力で失敗しても書き換わっちゃうじゃない! これじゃあ、シナリオ的にみかづき荘が事故物件になっちゃう流れじゃないの!」

「うるさいぞ、無職」

「あの、無職の方は静かにしてもらっていてもよろしいでしょうか?」

 

 やーい無職んち、おっばけやーしきー!

 

「覚えていなさいよ……!」

 

 話を続けるわよぉ?

 

 無職のやちよさんが最近中央区に引っ越してきたことを思い出したわたしは安心して調整屋さんに戻ったわぁ。まさかご近所さんだったなんてねぇ。

 

 でもだとしたら、別の疑問が浮かんできたわぁ。

 なんで他のみかづき荘の子たちはフェリシアちゃんがタバコを吸っているのを止めなかったのかしらぁって。

 絶対に止めるでしょうし、そもそもフェリシアちゃんはタバコを吸うような子じゃないのにどうしてタバコを吸うようになっちゃったんだろうって。

 

 そんなことを考えているとね、突然わたしの電話が鳴ったの。

 こんな夜遅くに誰かしらと電話に手を伸ばして確認してみると非通知の文字。間違い電話かしらと思って放置したんだけど、一向に鳴りやむ気配がない。

 

「え? ちょっと待った。『電話』じゃなくて『ポケベル』が鳴ったんじゃろ?」

 

 星奈百恵

 1D6(2以外成功)→ 2 失敗

 恐怖耐久度 2 → 1

 

 何を言っているのよ電話に決まっているじゃないのモモちゃん。もうポケベルはほとんど意味がない世の中よぉ?

 

「ぐっ。じゃがキーワードを。キーワードを寄越すのじゃ!」

 

 えっとねぇ(コロコロ)……キーワードは『夜』よ。頑張って改変してねぇ。

 

「! ならば『夜遅く』に電話が来たのではなく、『朝早く』に電話が来たのでは?」

 

 常盤ななか

 1D6(3以外成功)→ 6 成功

 

 ああそうだったわぁ。

 考えているうちに寝落ちしちゃって、気が付いたら五時半くらいになっていたのよぉ。それで丁度目が覚めた時に電話が来たのよ。

 

 さっきも言ったけど『夜』はキーワードよぉ。

 残りは三つ。頑張ってねぇ。

 

 それでね、非通知だから気持ち悪いし、こんな朝っぱらから電話なんてしたくなかったから拒否ボタンをタップして切ろうと思ったの。

 だけど、なぜか指はわたしの意に反して応答ボタンの方へと伸びていくの。「あれ?」って思ったけど、なぜか応答ボタンの方に向かっていく人差し指。力も込めていないのに、なにかに吸い込まれていくように手が動くの。

 「いや……! いやよ、やめて!」と心が叫んでいるのに、全然体が言うことを聞いてくれないの。

 

「『叫んでいた』のではなくて『君が代を歌っていた』のではなくて?」

 

 静海このは

 1D6(5以外成功)→ 2 成功

 

「え? 2って……」

「私じゃ。死んでしもうたぞ」

「『霊媒師』の私が代わりにダメージを引き受けましょう」

 

 常盤ななか

 恐怖耐久度 2 → 1

 

「すまんのう」

「いえいえ。百恵さんはどんどん改変してください」

「もう話が終わっちゃうから外れてくれた方が嬉しいまであるからね」

「そうじゃな。無職の割にいいアイデアじゃな」

「やちよさん、むーしょくっ!」

「……ああ、うん。そうね」

 

 凹まないで、きっといいことあるわよ。

 それでも無職なんだけどね♪

 

「みたま、あなたは本当に覚えておきなさいよ。困るようなやつぶっこみまくって滅茶苦茶にしてやるわ……!」

 

 はいはい無職無職。

 続けるわよぉ。

 

 気が動転していたのかしらねぇ、なぜか『君が代』を歌いながら応答ボタンをタップしてスマホを耳に当てると、『ぎし、ぎし』というなにかが軋むような音が聞こえてきたの。

 

「『ぎし、ぎし』ですって? その後に『あん、あん』が続かなかったかしら?」

「! ぐふっ……」

「ふははっ!」

「早速ぶっこんできましたね」

 

 七海やちよ

 1D6(6以外成功)→ 4 成功

 

 『ぎし、ぎし』はキーワードよぉ。

 

「お手柄じゃのう無職」

「うむ、よくやったな無職」

「残りふたつですね。感謝します。でも早くお仕事を見つけてくださいね」

「あなたたちもうるさいわよ! 早く続けなさいよみたまぁっ!」

 

 はいはい無職無職。

 

 それで、えっと?

 ああ、そうそう。『ぎし、ぎし、あん、あん』っていう喘ぎ声が聞こえてきたのよ。

 

「最悪な朝だな」

 

 そしてねぇ、『もう見てくれないのかよ?』というどことなくフェリシアちゃんに似た声が聞こえたあと、また、『ぎし、ぎし、あん、あん』という喘ぎ声。

 

「自分たちは今、とてつもなく酷い話を聞かされているな」

「一番かわいそうなのはフェリシアさんね」

「お主が元凶じゃろうて」

 

 わたしの体はまだ言うことを聞いてくれない。

 ベッドから起き上がって、一歩、また一歩……みかづき荘が見える窓に向かって行って……見えないように閉めていたカーテンを開けて、わたしの視線は吸い寄せられた。今日はタバコを吸っていなかったわぁ。

 

 まっすぐ、まっすぐ、フェリシアちゃんはわたしを見ていたの。目を離すことができなかったわぁ。

 フェリシアちゃんは口をにぃ、と三日月に裂いて笑っていたの。

 

「みかづき荘に住んでいるからな」

「というか違うであろう? 『笑っていた』のではなくて、『恍惚な表情を浮かべていた』のじゃろう?」

「ちょっと、百恵さんまで!」

 

 星奈百恵

 1D6(2以外成功)→ 2 失敗

 

「あ、死んでしもうた」

「代わりに受けます」

 

 常盤ななか

 恐怖耐久度 1 → 0

 

「キャラロストですね。残りのキーワード、頼みましたよ」

「うむ、任せよ。それで、キーワードはなんじゃ?」

 

 (コロコロ)……残念、キーワードは『人影』。もう出ちゃっているわねぇ。

 

「ぐ、ななかすまん」

 

 それで、そんな恐ろしい表情で笑っていたフェリシアちゃんなんだけど……わたしね、気が付いちゃったの。

 フェリシアちゃんの体が揺れていることに、そして首が異様に伸びているのに。

 

「アタシがぶっこぬくぞ。『科学者』の効果で二枚抜きだ。『揺れていた』んじゃなくで『素っ裸』で、『首が異様に』じゃなくて『ベッドで』伸びていたんだろ!」

「あー……もう、めちゃくちゃね」

「年長者が揃いも揃って壊れてしまいましたか」

 

 都ひなの

 1D6(4以外成功)→ 3 成功

 

 そうそう、見間違えちゃったわぁ。

 フェリシアちゃんの体が素っ裸で、そしてベッドで伸びていたのよぉ。

 

「なにをどう見間違えたんだ?」

 

 ちなみにふたつともキーワードじゃないわよぉ。残念でした♪

 

「ただフェリシアさんを辱めただけじゃないの」

「あなたたち謝っておきなさいよ」

「謝るときはお主も一緒じゃぞ、無職」

 

 それでその、ベッドで伸びているフェリシアちゃんの笑みが深くなった瞬間、わたしは小さく悲鳴を上げて気を失ったの。

 

「上げたのは『悲鳴』じゃなくて『雄たけび』じゃろうて」

 

 星奈百恵

 1D6(2以外成功)→ 3 成功

 

 そうそう。雄たけびを上げて鼻血を噴き出しながら気絶しちゃったのよ。

 

「興奮しているんじゃないわよ」

 

 後日、わたしはインターネットで、新しいみかづき荘について調べてみたの。

 

「『インターネット』で調べたんだっけか?」

 

 あら、なんだったかしら?

 

「『ニャルラトホテプに訊いて調べた』って言っていなかったか?」

 

 和泉十七夜

 1D6(1以外成功)→ 1 失敗

 恐怖耐久度 2 → 1

 

 そうだったわぁ。

 知り合いのニャルちゃんに訊いて調べてもらったんだったわ。

 

「みたまさんって何者ですか?」

「気軽に神格呼び出すなよ」

「というか普通に問い詰めればよかったんじゃないのかの?」

 

 それで話を聞くとねぇ、どうもあそこは、住んだ女の子たちを痴女に変える家だったらしいの。

 

「は?」

「なんて?」

「お主は一体何を言っておるのじゃ?」

 

 なんかの神話的な術式が仕込まれていたみたいでね、住んだ子たちをみんな痴女に変えちゃうんだって言っていたのよ。

 そう、あの朝わたしが見た、わたしに見られることで興奮していたフェリシアちゃんのように。

 

「え? ということはですよ? もしかして見えてなかっただけで、他のみかづき荘の方もそんな状態だったのでしょうか?」

「酷い飛び火の仕方をしておるな」

 

 わたしが最初、調整屋さんと使っていた廃墟は事故物件じゃなかったけど、今はみんなも知っての通り新西区の『神浜ミレナ座』に変えたわ。

 

「英断ですね」

「というか充分事故物件だったと思うが?」

 

 わたしが使っていた廃墟が事故物件じゃなくても、向かいにある建物が事故物件の可能性がある。

 みんなも廃墟だけじゃなくて、新しい生活を送るための家を探しているなら、自分が住もうとしている家だけじゃなくて、周りの家のことも調べることをお勧めするわ。

 

 ……はい! これでしゅーりょー!

 

「あ、あれ? 終わった?」

 

 うん、終わったわぁ。

 当てたキーワードは八個。残念でした♪

 

 それじゃあ感想を聞かせてもらおうかしらぁ。わたしの怪談が怖かったか、怖くなかったか。

 

「怖かったぞ」

「うむ、怖かった」

「怖かったです」

「怖かったな」

「ええ、怖かったわ」

「充分怖かったわよ。いろいろな意味で」

 

 満場一致ね。

 それじゃあ今日はわたしの勝ち♪

 

 ということで、お疲れ様ぁ。

 

『お疲れ様(だな、じゃ、です)』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、全員でフェリシアに謝りに行くわよ」

「お主は土下座するんじゃぞ?」

「全部の元凶はやちよさんだからねぇ」

 

 

 

 

 

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 レギュレーション▼ ・開始時期はメインストーリー第一章開始と同時。▼ ・第十章クリア後EDが再生開始した時点でタイマーストップ。▼ ・難易度はスタンダードモード。▼ ・DLC(イベントストーリーおよび一部魔法少女ストーリー)の使用は全面禁止。▼ DLC禁止についてですが競技上の理由は特にありません。DLC解放用アイテムである追想の欠片が購入できず、他走者と…


総合評価:916/評価:8.13/完結:17話/更新日時:2021年01月29日(金) 19:30 小説情報

マギアレコードRTA ワルプルギス撃破ルート南凪チャート(作者:みみずくやしき)(原作:魔法少女まどか☆マギカ)

レギュレーション:難易度はハード。スタート時期は1年前。▼ニューゲーム選択と共にタイマースタート。ワルプルギスの夜撃破後、第一部ED終了時にタイマーストップ。▼2023/08/01 第二部完結しました。▼〇追記▼時々質問があるので帆秋くれはちゃんのイメージ図を描きました(2022/01/30 新しくしました)。▼【挿絵表示】▼魔法少女衣装(古め)▼【挿絵表示…


総合評価:10075/評価:9.33/完結:141話/更新日時:2023年08月01日(火) 18:10 小説情報

原作ミリしらさやかちゃん(作者:洒落た機長)(原作:魔法少女まどか☆マギカ)

原作をほとんど知らない元一般人がさやかちゃんに転生し、頑張るお話。


総合評価:634/評価:7.52/連載:12話/更新日時:2026年04月17日(金) 01:38 小説情報

環姉妹の真ん中っ子(作者:匿名)(原作:魔法少女まどか☆マギカ)

 環姉妹の真ん中っ子がお姉ちゃんに内緒で魔法少女宗教マギウスの翼に入信する話。▼ 二部未読+アニメ版の設定を都合よく混ぜてます。▼(タグの理由)▼ ガールズラブ→ねむちゃん▼ ガールズラブ+R15→アリナパイセン▼(設定改変について)▼ この小説では魔法少女の因果(魔力)は契約後も増えることがあります。加齢による魔力の衰えとかは特に無いです。▼ そのため、梓…


総合評価:656/評価:8.96/連載:10話/更新日時:2026年05月09日(土) 18:48 小説情報

お姉ちゃんは何でもできる【完結】(作者:難民180301)(原作:魔法少女まどか☆マギカ)

鶴乃ちゃんの姉に転生したハイスペックオリ主がほのぼのする話。▼旧題:マギレコ転生女オリ主モノ


総合評価:7143/評価:8.97/完結:27話/更新日時:2020年10月18日(日) 09:08 小説情報


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