元魔術師の付き添い人になりました   作:つりーはうす

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2話

「姉さん!姉さん!」

「おい、あそこだ!生存者がいるぞ!」

「はい、先輩」

魔術攻撃があったと思われる場所に二人は着くと、泣き崩れている少女とそれに抱き抱えられている女性を中心に、周りはすべて焼き尽くされ、跡形もなくなり、そこら一体が荒野と化していた。

 

 

 

 

「帝国国境警備隊です。大丈夫ですか」

「ちょっとまってください、先輩」

先輩が生存者の元に駆け寄ろうとしたが、オダは先輩の手を引き、なんとか踏みとどまらせた。

 

 

 

「何をするんだ、オダ君!一刻も早く彼女らを助けないと」

「落ち着いてください先輩。おそらく彼女らがこの状況を引き起こした張本人かと思われます。だとすると、怪我を負っているとはいえ、とんでもない実力の持ち主です。そして一番のポイントは、その彼女たちがこちら側(アルザーノ帝国)の人間なのかがわからない点です。なので、ここは慎重に動くべきです」

「ではどうしろというんだ!」

先輩が顔を近づけ、激しい口調でオダに問い詰めてきた。

 

 

 

「まず身元が分かるまで拘束すべきです」

「一人は見たところ重傷だぞ」

「分かってます。とりあえず俺に任せてください」

オダはゆっくりと、警戒して彼女らに近づいた。

 

 

 

「アルザーノ帝国国境警備隊の者です。動かないでください。大人しくすれば何もしません。ですが何か変な素振りを見せれば・・・わかりますね」

オダは腰につけていたホルスターから愛用の魔銃"ジムノペディ"を引き抜き、銃口を彼女らに向けた。

 

 

 

「て、帝国宮廷魔導士団所属、イヴ=イグナイト十騎長です。この人は帝国宮廷魔導士団リディア=イグナイト百騎長です。お、お願いします。姉を、姉を助けてください」

そう言うと、彼女は軍の記章と階級章をオダに見せてきた。

帝国軍に所属しており味方のようだ。

 

 

 

「イグナイト家の者か・・・」

「先輩?どうかしたんですか?」

「いや、何でもない」

さっきまでとはうって変わり、先輩は神妙な面持ちでこの二人を見ていた。

が、それも一瞬のことで先輩はイヴ十騎長に話しかけた

 

 

 

「周りに敵は?イヴ十騎長」

「い、いません。姉が、リディア百騎長がすべて倒しました」

あんな大規模な魔術攻撃を行なったのは、気を失っているこの人によるものらしい。

一人であれほどの魔術を発動させるなんて一体何者なんだ、この人は。

 

 

 

「よしオダ君。周りに敵勢力はいないらしい。身元もわかったし、拘束する必要もないな。応援部隊が駆けつけるまでに二人に応急措置を施してくれ。俺は回復魔術なんて不得意中の不得意だからな。頼んだぞ」

「それ、自慢することじゃないですよ。先輩」

そう言いうと、オダは一番傷を負っており、現在も気を失っているリディア百騎長の手当てから始めた。

 

 

 

「お願いします。姉を助けてください」

「分かりました。少し離れてください」

気を失っており一見すると重傷だが、命に係わるほどではなさそうだ。

よし、始めるか。

オダは治療を開始した。

 

 

 

術式起動(ブート)法医呪文(ヒーラースペル)

オダは魔晶石を手に持ち、起動術式を唱えると、リディア百騎長を中心に術式が展開される。

すると外見上の傷はみるみるうちに修復された。

 

 

 

「うそ・・・。軍用じゃないただの回復魔術なのになんて力なの」

 

「驚いたかい?イヴ十騎長。あれがアイツが持っている魔術特性(パーソナリティ)「性質の維持・持続」を利用した固有魔術(オリジナル)だ。魔晶石に魔術式を刻印し、魔力を込めることで、いつ、どこでも、だれでも同じ効力で魔術が発動できる。しかもアイツが持っている魔銃"ジムノペディ"にその魔晶石を埋め込むことで、魔術が無詠唱かつ魔晶石に込めている魔力が尽きるまで発動もでき、威力も調節できる優れものさ。

まあただの一節詠唱だけなら軍のエリートの奴らでも出来ることだが、アイツの固有魔術(オリジナル)で一番すごいところは他人の汎用魔術、そしてなんといっても他人の固有魔術(オリジナル)までも発動できることだ。一体どういうカラクリなんだろうな。

まあ他人の固有魔術(オリジナル)、汎用魔術を一度使うと二度使えない使い捨てだし、詠唱もしなければならないけどな。今使っている回復魔術だってアイツのではなく、魔術学院でお世話になった凄腕の回復術師の娘さんの魔術だそうだ」

 

「なに自慢気に説明しているんですか、先輩。自分のことじゃないのに。それより最後の方から俺のこと貶してませんか?」

「まあまあ気にするな。可愛い後輩の活躍を伝えるってのが先輩の役割だろ」

「はあ、まあいいです。とりあえず外傷は治療しました。次はイヴ十騎長の応急措置をするので来てください」

「は、はい」

 

 

 

彼女らの応急措置が終わると応援部隊が駆けつけてきた。

後は彼らに任せよう。




オリジナルについてはあまり突っ込まないでください、お願いします
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