「姉さん!姉さん!」
「おい、あそこだ!生存者がいるぞ!」
「はい、先輩」
魔術攻撃があったと思われる場所に二人は着くと、泣き崩れている少女とそれに抱き抱えられている女性を中心に、周りはすべて焼き尽くされ、跡形もなくなり、そこら一体が荒野と化していた。
「帝国国境警備隊です。大丈夫ですか」
「ちょっとまってください、先輩」
先輩が生存者の元に駆け寄ろうとしたが、オダは先輩の手を引き、なんとか踏みとどまらせた。
「何をするんだ、オダ君!一刻も早く彼女らを助けないと」
「落ち着いてください先輩。おそらく彼女らがこの状況を引き起こした張本人かと思われます。だとすると、怪我を負っているとはいえ、とんでもない実力の持ち主です。そして一番のポイントは、その彼女たちが
「ではどうしろというんだ!」
先輩が顔を近づけ、激しい口調でオダに問い詰めてきた。
「まず身元が分かるまで拘束すべきです」
「一人は見たところ重傷だぞ」
「分かってます。とりあえず俺に任せてください」
オダはゆっくりと、警戒して彼女らに近づいた。
「アルザーノ帝国国境警備隊の者です。動かないでください。大人しくすれば何もしません。ですが何か変な素振りを見せれば・・・わかりますね」
オダは腰につけていたホルスターから愛用の魔銃"ジムノペディ"を引き抜き、銃口を彼女らに向けた。
「て、帝国宮廷魔導士団所属、イヴ=イグナイト十騎長です。この人は帝国宮廷魔導士団リディア=イグナイト百騎長です。お、お願いします。姉を、姉を助けてください」
そう言うと、彼女は軍の記章と階級章をオダに見せてきた。
帝国軍に所属しており味方のようだ。
「イグナイト家の者か・・・」
「先輩?どうかしたんですか?」
「いや、何でもない」
さっきまでとはうって変わり、先輩は神妙な面持ちでこの二人を見ていた。
が、それも一瞬のことで先輩はイヴ十騎長に話しかけた
「周りに敵は?イヴ十騎長」
「い、いません。姉が、リディア百騎長がすべて倒しました」
あんな大規模な魔術攻撃を行なったのは、気を失っているこの人によるものらしい。
一人であれほどの魔術を発動させるなんて一体何者なんだ、この人は。
「よしオダ君。周りに敵勢力はいないらしい。身元もわかったし、拘束する必要もないな。応援部隊が駆けつけるまでに二人に応急措置を施してくれ。俺は回復魔術なんて不得意中の不得意だからな。頼んだぞ」
「それ、自慢することじゃないですよ。先輩」
そう言いうと、オダは一番傷を負っており、現在も気を失っているリディア百騎長の手当てから始めた。
「お願いします。姉を助けてください」
「分かりました。少し離れてください」
気を失っており一見すると重傷だが、命に係わるほどではなさそうだ。
よし、始めるか。
オダは治療を開始した。
「
オダは魔晶石を手に持ち、起動術式を唱えると、リディア百騎長を中心に術式が展開される。
すると外見上の傷はみるみるうちに修復された。
「うそ・・・。軍用じゃないただの回復魔術なのになんて力なの」
「驚いたかい?イヴ十騎長。あれがアイツが持っている
まあただの一節詠唱だけなら軍のエリートの奴らでも出来ることだが、アイツの
まあ他人の
「なに自慢気に説明しているんですか、先輩。自分のことじゃないのに。それより最後の方から俺のこと貶してませんか?」
「まあまあ気にするな。可愛い後輩の活躍を伝えるってのが先輩の役割だろ」
「はあ、まあいいです。とりあえず外傷は治療しました。次はイヴ十騎長の応急措置をするので来てください」
「は、はい」
彼女らの応急措置が終わると応援部隊が駆けつけてきた。
後は彼らに任せよう。
オリジナルについてはあまり突っ込まないでください、お願いします