日記形式を使った時系列すっ飛ばし、その2です。(ぶっちゃけw)
シーズン6(2001年度版)で放送されたエピソードで介入できそうなものがほとんどなかったので、原作で重要だった部分を押さえつつ、ダイジェストに簡潔にまとめて行こうと思います。
――×月〇日(晴れ)
今日、またもや大変な事が起こった。
スキー旅行に出かけて行った新一君達少年探偵団の面々が、路線バスに乗った直後にバスジャックにあったという。
幸い大した怪我も無く人質になった全員が助かり、バスジャック犯たちも全員逮捕されたと聞く。
犯人たちの目的は、自分たちのリーダーである
元々、矢島を含むバスジャック犯たちは宝石強盗グループであり、先月、爆弾を使って宝石店を襲ったばかりだったらしい。
その一件で矢島だけが警察に捕まり、残された犯人達が彼を警察から解放させるために起こしたのが今回のバスジャックだったという訳だ。
残念な事に、バスジャックの事件が解決するよりも前に矢島は解放されてしまったが、バスジャック犯が一網打尽となった今、彼が再び捕まるのも時間の問題だろう。
……この一件はそれで幕引きとなったが、一つだけ気がかりなことが事件後に哀君の口から聞かされる事となった。
バスジャック犯が確保された直後、その犯人の一人が誤ってバスに仕掛けた時限爆弾を起動してしまい、爆弾が爆発する前に全員が急いでバスから脱出して事なきを得たのだが、その時新一君が目暮警部たちと一緒に駆けつけてきた伊達刑事に『爆破の衝撃で怪我をした』と理由をつけて哀君をこの病院に運んで行ってほしいと耳打ちをしたらしい。
そうして、伊達刑事の手によってこの米花私立病院へと運び込まれて来た哀君は、真っ青な顔でカタカタと毛布にくるまって震えながら、驚きの事実を私たちへと伝えてきた――。
――どうやら、その路線バスに『例の組織』の人間が乗っていたのだと言うのだ。
彼女は『組織』に長年身を置きすぎたせいか、その人物が『組織』の関係者であるのかないのかは近づいて来ただけで分かるようになったと言っていた。
それ故、バスの中に『組織』の人間が紛れ込んでいた事が彼女にはすぐに分かってしまったのだ。
――偶然か、それとも必然か。新一君や哀君の正体を知って近づいて来たのか、そうでないのか。
謎は深まるばかりだ。
今後は今以上に周囲の動向に目を光らせる必要があるのかもしれない。
そう言えば、新一君から後で聞いた話だが、バスジャックされた時、新出君と最近蘭君たちの高校に新しく英語教師としてやって来たジョディという女性教師も偶然そのバスに乗り合わせていたらしい。
その二人も無事だったようでホッとした。
――×月◎日(晴れ時々曇り)
バスジャックの一件以来、表情に暗い影を落とす事が多くなった哀君だが、それも日に日に元気を取り戻しているようだった。
姉である明美君が彼女のそばに付きっ切りでいたのが幸いしたのかもしれない。何はともあれ良かった。
そういえば今日、新一君がウキウキ気分で明日、毛利君と蘭君と一緒に大阪に行くと言っていた。
何でもアメリカで活躍しているスポーツ選手三人が大阪でレストランを開店するらしく新一君たちはそのオープンパーティーに参加しに行くのだとか。
しかもそのスポーツ選手三人の内の一人が、新一君があこがれているプロサッカー選手らしく、名前は確か――レイ・カーティスと言っていたなぁ。
まぁ、実をいうと私もそのパーティーの招待状を貰ってはいたのだが、仕事の都合上どうしても抜けることが出来ないため、今回は欠席させてもらう事にしたのだ。
私は行く事は出来なくなったが、新一君達には是非とも私の分まで楽しんで行ってくれたらと思う。
――×月●日(曇り)
今朝、大阪にいる服部平次君から私に直接連絡があった。
何でも、新一君たちが参加したオープンパーティーで殺人事件があったらしい。
事件自体は直ぐに解決したらしいのだが、犯人が何と新一君が憧れていたあのレイ・カーティスだったという。
「あの一件で工藤の奴、結構へこんでるさかい、そっち帰ったら元気付けたってや」と服部君から頼まれてしまった。
私はてっきり大阪で憧れの人に会えて
しかし、大阪から帰って来たばかりの新一君は少し暗い雰囲気は残しつつもいたって元気そうだった。
どうやら、こっちに帰って来るまでにある程度ショックから立ち直ったようだ。
『組織』相手に不屈の闘志を燃やす子だ。これしきの事でうじうじと尾を引く事はしないだろう。
そう言えば、こっちに帰って来て早々、警察から事情聴取を毛利君達と受けたと聞いた。
何でも帰りの新幹線の中で佐藤刑事と高木刑事がとある麻薬密売人の被疑者を護送している所に偶然出会い、そこでその被疑者が何者かに殺害される事件が起こったらしい。
まぁ、その事件自体も新一君のおかげで直ぐに解決したみたいだが……今更ではあるが、彼ってよくよく事件に遭遇するよねぇ~……。
――□月▽日(晴れ)
ちょっと見ないうちに蘭君と哀君の仲が良くなっていた。
以前までは哀君が蘭君を何かと避けていたのだが、少し前に伊豆に旅行に行った際にそこで起こった殺人事件をきっかけに仲良くなったらしい。
その殺人事件と言うのが
「ちょ、ちょっと彼女と話が出来るようになったってだけよ!別段、そう親しくなったわけでもないわ」と、帰ってきた哀君が照れ臭そうにそっぽを向いてそう言い訳をしてきたのを見て、私と明美君が思わずニヤついてしまったのはここだけの話だ。
――▼月△日(晴れ)
今日、
何でも哀君と少年探偵団と一緒にキャンプからの帰り道、奥多摩市に新設されたツインタワービルを訪れた時に偶然ジンたちの乗る黒のポルシェを見つけたらしい。
しかし、追いつく間もなくその車は去って行ったため、本当に彼らの乗るポルシェなのかは分からなかったようである。
だがもし仮に、そのポルシェが彼らの車だったとしたら、彼らはそのビルで何をしていたのだろうか?
――▼月&日(晴れ時々曇り)
新一君がツインタワービルのそばで黒のポルシェを見つけたその数日後、今度はそのビルの建造計画に関わっていた市議の
哀君からその話を聞いて私は思わず顔をしかめていた。
殺害された二人とは面識は無いが、医師の性分故か面識は無くても誰かが殺されたと聞くとどうにも気分が悪くなる。
一体犯人は誰なのだろう。もしや『組織』の仕業なのだろうか?
……明日はツインタワービルのオープンパーティーが開催される日だ。
私にもそのパーティーの招待状が届いていた。
最初は欠席しようと思っていたが、このビルの関係者が二人殺害されている手前、どうにも嫌な予感がする。
それに、ついこの間大阪で起こったレストランのオープンパーティーの事件の例もある……。
ここは様子を見るために参加する事にしよう。万が一の時もかねていつもの医療道具と携帯型無菌室も忘れずに準備しておく。
そう言えば、あのビルのオーナーである
そして実は、毛利小五郎君とは大学時代の先輩後輩の間柄だったとか。
それ故、彼もパーティーに招待されているらしい。
何事も無く、無事に終わってくれればいいが……。
――▼月%日(晴れのち曇り)
嫌な予感と言うのはどうしてこうも当たってしまうのだろうか。
新一君たちとやって来たツインタワービルのオープンパーティーで予想通り事件が発生してしまった。
会場の舞台に上がっていた常盤美緒氏が日本画家の
慌てて毛利君たちの手で彼女は降ろされ、直ぐに私が応急処置を施した。
幸いな事に吊るされていた時間が短かったために、私の応急処置で何とか彼女は一命を取り留めることが出来た。
そうして駆けつけてきた救急車に彼女と一緒に私も乗り込むと、急ぎ米花私立病院へと向かった。
事件の事も気がかりだったが、それは新一君が必ず解決してくれるだろう。
私は私が出来る事を全力で
――▼月$日(晴れ)
ツインタワービルの事件の翌日。病院にやって来た新一君の口からようやく事件解決の報告とその全容を知ることが出来た。
連続殺人事件の犯人は、常盤氏に富士山の絵を贈った如月峰水氏だった。
彼は西多摩市の外れにある小高い丘で見た富士山の風景に感銘を受け、そこに家を建てて終生までそこで富士山の絵を描き続けて行こうと決めていたらしいのだが、その富士山の絶景をあのツインタワービルで遮られて真っ二つに割られる形となり、それが犯罪に走る引き金となってしまったようだ。
何も知らない第三者が聞けば、この動機は『殺人に走る事の程でもないのでは?』と思うかもしれない。
しかし、後から知った話だがどうやらあのツインタワービルの建設は市議の岩松氏が市の条例を強引に改正して建てられたものだったらしい。
しかも、その裏では岩松氏と常盤氏の間で何やら口外出来ないような『取り引き』もあったのではないかと言う話だ。
もしそれが本当なら如月氏が何かしらの筋でそれを知り、それで彼らに殺意を覚えたとしてもあながちおかしくは無いのかもしれない。
それに如月氏は残りの人生全てをかけて富士山の絵を描くために、今の自宅が建つ場所を終の棲家と定めていた。
そこに常盤氏たちに水を差される形となったのだから、尚更なのかもしれない。
とは言え、殺人を犯してしまった事で今後如月氏が生きている内にその家に戻る事はもはや無理かもしれない。
せめて牢の中とは言え、彼の好きな絵を描いていく時間がある事を私は切に願う。
新一君からの話を聞き終えた私がそんな事を思っていると、最後に新一君の口から驚くべき事実……いや、『推測』が飛び出してきた。
この時まで私は知らなかったのだが、二番目に殺害された原佳明氏の殺害された時間、如月氏にはどうやら完璧なアリバイがあったらしい。
という事は、原佳明氏を殺害したのは如月氏ではないという事になる。
新一君から詳しく聞いてみると、原氏は射殺されており、手には銀のナイフを持っていたという。
警察の見解では犯人と対峙した時に抵抗するためにそれを握ったのではないかと言う話らしいのだが……しかし、新一君の考えは全く違っていた。
殺害された原氏が握っていたのは『銀』のナイフ。『銀』はローマ字で『GIN』と書き、読み方を変えると――。
――『ジン』となる。
――つまりこれは、原氏が残したダイイングメッセージであり、原氏があの『組織』と何らかの関わりがあったことを示していた。
しかし決定的な証拠は何もないため、推理の域を出ていないと新一君は漏らしていた。
だが、原氏のパソコンのデータが消去されていたり、『TOKIWA』にあるコンピューターが何者かによって破壊されていたらしいので、それと動機内容から接点があるは思えない如月氏の犯行と言う可能性は限りなく低いだろう。
もし、新一君のその推理が正しいのであれば、原氏は何故、『組織』に殺害されたのだろうか?
事件自体は如月氏の逮捕で解決したものの、いくつもの謎を残した一件だった。
命を拾うことが出来た常盤氏ももうすぐ退院する。
しかし、会社のコンピューターが破壊されたことに加え、岩松氏方面から警察が『取り引き』の事実を突き止められたらしいから、今後すぐ、彼女と彼女の会社が大打撃を受ける事は避けられないだろう。
大変な目にあるだろうが、自業自得として受け入れるしかない。
そうそう、最後にもう一つ。
今日、新一君が
その内容は、先日手に入れたばかりの
実はツインタワービルのオープンパーティーの時、余興で行われた三十秒当てゲームで運よく大当たりを出すことが出来、彼は『マスタング・コンパーチブル』を手に入れたのだ。
しかし喜んだつかの間、一つ問題が浮上した。
それが、その車を停めておくための駐車スペースが毛利探偵事務所の周辺には何処にも無かった事だ。
蘭君から奥さんの英理君に頼んで弁護士事務所が使っている駐車場を一部レンタルすれば?と提案されたようだが、彼女に頭を下げるのが嫌だった毛利君は即却下したらしい。相変わらず変な所で意地を張るねぇ。
だが、このままじゃどうしようもなかったため、私の所に相談の電話を入れたという経緯らしい。
私は少し考えた末、彼に
彼もようやくマイカーを手に入れることが出来たんだ、その祝いとしてこれぐらい気前良くしても罰は当たらないだろう。
それに、彼には志水君の妹さんの件で世話になった礼もある。
電話越しでも明らかに小躍りして喜んでいるのが見て取れる毛利君の声を聞きながら、私はやれやれと肩をすくめた。
――◇月●日(晴れ時々曇り)
今日、定期検診にやって来た伊達刑事から昨日、コンビニ強盗の事件に出くわした話を聞いたのだが……。
正直なところその内容がやや支離滅裂な部分があって全部は理解できなかった。
いや、コンビニ強盗事件の全容は理解できたのだが、何故かその事件に佐藤刑事と
……うん、意味が分からない。どうしてそうなった???
しかもその時、伊達刑事本人や佐藤刑事の父である正義警視正の方でも何かとバタバタと動き回っていたらしい。
残念な事に話の内容を全て飲み込むことが出来ず消化不良のままとなってしまったが、伊達刑事の今日の定期検診はつつがなく終了した。
フゥと一息ついたのもつかの間、伊達刑事が退室したタイミングで今度は新一君から電話がかかって来た。
何か用かな?と彼に尋ねてみると、神妙な口調で彼は手短に要件を口にしてきた。
――『カエル先生。新出先生には気を付けた方が良い』と……。
……どういう事なのだろうか?
更に問いかけようとしたが、新一君からそれ以上の返答を聞く事は出来なかった。
――◇月〇日(晴れ)
先日の新一君からの電話内容が気になり、少し悶々とした日々を送っているとまたもや妙な事件が起こったことを
新一君と哀君を含む少年探偵団を連れて『ポール&アニーのアニマルショー』を見に行った帰り、そのアニマルショーのスポンサーであるランディ・ホーク氏によく似たジェイムズ・ブラックと言う外国人と偶然知り合う事になったらしいのだが、直後に刑事に成りすました数人の男たちにジェイムズさんが誘拐されたのだという。
どうも誘拐犯たちはジェイムズさんをランディ氏と間違えて誘拐してしまったらしい。
人違いした事で危うく殺されかけたジェイムズさんだったが、佐藤刑事たちや新一君の機転で犯人たちを一網打尽にすることが出来たという。何はともあれ誰も死者が出ずに済んでよかったと、話を聞いていた私もホッと胸をなでおろした。
そして、肝心の妙な事はこの後に起こった。
何でも犯人たちを捕まえた直後、警察の事情聴取を受ける前にジェイムズさんが忽然と姿を消してしまったらしい。
ふむ……一体何者なのだろう。事情聴取を受けると何か困る事があるというのだろうか?
◇ ◆ ◇
番外:『シカゴから来た男』エピローグ。
「――いつ気づいたんです?彼らがニセ刑事だと……」
「彼らが私に当たり前のように日本語で話しかけてきた時だよ……。彼らが
「…………」
「しかし驚いたよ……。君があの長髪をバッサリ切るとは……」
「ゲン直しですよ。……恋人にふられっぱなしなもんでね」
「それで?わざわざ私を呼び寄せたのだから……その恋人とはよりを戻せそうなのか?」
「ええ……後悔させてやりますよ……私をふった事を。――血の涙でね……!」
「フッ、そうか……。それはそうと
「……確証はありませんが、だいたいの目星は既につけています。十中八九、そこにいるかと」
「……珍しいね。この手の捜索に関してはしっかりと裏付けをして捕捉する君が、妙にあいまいじゃないか」
「仕方ありませんよ。何せそこは日本の中にありながら、まるで別世界のように
「…………。一体、何処なんだねそこは?」
「――『米花私立病院』。……いずれ近い内、本腰を入れて探りを入れてみるつもりです……」
軽いキャラ説明(原作とは違う結末を辿った者たちのみを掲載)。
・常盤美緒
劇場版第5作『天国へのカウントダウン』に登場する被害者。
小五郎の大学時代の後輩であり、常盤財閥の令嬢にしてIT企業『TOKIWA』の社長。
岩松、原と共に市の条例を強引に改正してまでツインタワービルを建造したがために、如月の怒りを買ってしまい三人目の被害者として殺害されてしまう。
今作品では、現場に冥土帰しが居合わせた事でからくも命を拾うことが出来た。
しかしその後、『組織』に会社のコンピューターを破壊された上、岩松の方面から裏取引があったことが警察の捜査で明るみとなり、各方面からたたかれる日々を送る事となる。
・如月峰水
岩松、常盤を殺害した犯人。
今作では常盤を殺しそこなったために、原作よりも刑罰は軽くなるも、それでも年齢が年齢なだけに恐らく一生牢屋の中で過ごす事になる可能性が高い。
『あとがき』
今回、新しく「一部日記形式」のタグを追加しようとしたのですが、タグ内がもう満杯だったらしくかないませんでした。
そのため次からは新しいタグを「あらすじ」の欄に記入していこうと思います。
また次回は、今回本文の中にあった佐藤刑事と白鳥警部の結婚話(正確にはお見合い)のエピソードを冥土帰しの手によって救済された二人の人物の視点を中心に書いて行こうと思っております。
加筆:なお、宮野明美が生存した事で灰原が彼女の自宅に電話を入れる事は無く、ジンたちによるツインタワービルの爆破は無くなりました。