とある探偵世界の冥土帰し   作:綾辻真

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毎回の誤字報告、及び感想ありがとうございます。


カルテ29:加藤祐司/片桐真帆【3】

SIDE:三人称視点。(服部平蔵(はっとりへいぞう)遠山銀司郎(とおやまぎんしろう)の会話)

 

 

「……おお、来たか遠山」

「すまんな平蔵。仕事が立て込んでしもうて来るのが少し遅うなった。お前と和葉からの連絡で急ぎはしたんだが……」

「ん?何や和葉ちゃんもお前に連絡しとったんか」

「ああ。お前からの電話の後すぐな……。んで?天守閣から火のついた男が落っこちて来たんやって?どこにいるんや()()()()()は?もう搬送されたんか?」

「いんや、死んだ奴はおらん」

「……あん?どういうことや?」

「言葉通りの意味や。生きて今、近場の病院の集中治療室の中や」

「火ダルマになって天守閣の上から落ちたんやろ?……まず、助からんと思うが」

「……あの男は運が良かった。すぐそばに型破りな医者の先生が居合わせてくれたおかげで命拾えたんやから」

「医者……?――!ひょっとして、お前の部下の病気治してくれたっちゅう、カエル顔の先生か?」

「いやぁ、聞きしに勝る凄い先生やったで。救急車が来るのも待たずこの場で躊躇いなく手術を行ったんや。……しかも手術の腕も目を見張るもんでなぁ、年甲斐もなく子供みたいに高揚してしもうたわ」

「ほぉ~、お前がそうまで嬉々として絶賛すんのも珍しいわ。……それ程までに凄かったみたいやのぉその先生は」

「お前も一度、あの先生の手術を見てみれば俺の気持ちも分かると思うで?実に興味深い先生やからな」

 

「ほぉ~ん……。んで?平蔵。()()()()()()()()()()()()()()()()()

「…………」

「その先生や火ダルマになった男の事件でわざわざ俺を急ぎここへ来させるんはお前らしくないからのぅ。……もっと他に俺に話したい重要な事があったんとちゃうんか?」

「ハハッ、流石察しがええのぅ。……実はな、火ダルマになったその男の連れの中に、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「聞き覚えのある?」

「ああ。――」

 

 

 

 

 

 

 

「――()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SIDE:大滝悟郎

 

 

「――しかし、大変ですなぁ大滝警部も……。()()()()()()()()()

「まぁ、これが仕事ですから……」

 

背中からかけられた毛利さんのその言葉に、私こと大阪府警捜査一課で警部を務めている大滝悟郎(おおたきごろう)は、苦笑を浮かべながらそう答え返していた。

昨日起こった浪花中央体育館での殺人事件。――確かに、それと今回の事件の連続で、毛利さんの言う通り少々疲労がたまっているのは否めないが、そこは職務上割り切るしかない。

それに、前日の事件は平ちゃん(服部平次)が即行で解決してくれたから長引かずに済んだんで、事件を二つ掛け持ちする事がなくなったと思えば気が楽だ。

 

「……けど、よう分かりましたなぁ。被害者だというその男の名前が加藤祐司(かとうゆうじ)やと」

 

現場に足を踏み入れながら手袋をはめると、私は後ろにいる毛利さんにそう問いかける。

すると、毛利さんからすぐに答えが返って来た。

 

()()()を見たんですよ」

「……バッジって?」

 

怪訝な顔でそう尋ねると、毛利さんは続けて説明をしてくれた。

 

「被害者の男性の胸に小さな桐紋(きりもん)が付いていたんですよ。……秀吉の家紋である五七の桐が。それで直ぐに、()()のツアー仲間で、()()()だった人だと分かって、顔を確かめてもらったんスよ」

 

そう言いながら毛利さんは、自身の背後に佇む四人の男女へと視線を送る。

――それは先程。私がここに到着した際に被害者の関係者だと名乗って来た四人であった。

 

確か……四人の中で一番背の高い男性が福島俊彰(ふくしまとしあき)さん。

逆に四人の中で一番背が低い、髭の生えた老人が糟屋有弘(かすやありひろ)さん。

そして、四人の中で唯一の女性で眼鏡をかけた片桐真帆(かたぎりまほ)さん。

最後の糸目の男性が脇坂重彦(わきさかしげひこ)さん、だったか……。

 

「……と言うか、何ですか?秀吉役って」

「ああ。……旅行中の余興として、ツアーメンバーにクジで戦国時代の有名人になり切ってもらって、罰ゲームみたいな事をやってたんです」

 

『秀吉役』だの何だのと良く分からない単語が出て来たので再度、毛利さんにそう問いかけると、答えてくれたのは四人組の一人である福島さんだった。

福島さんはそのまま私に向けて言葉を続ける――。

聞けば彼らの参加するツアー名は『8日間太閤秀吉巡りツアー』と言うらしく、ツアー参加者は皆秀吉ファンでインターネットで知り合った者たちが集まり、豊臣秀吉ゆかりの地の名古屋から京都を回り、ここ大阪へとやって来たのだとか。

そして毎日朝食後に皆でクジを引いて、それぞれ『信長』『秀吉』『家康』などの家紋のバッチを付けて役を決め、その日の一日はそれぞれの役の名前で呼び合いながら『信長』役の人をもてなさなければいけないというのがルールらしい。

 

「……ちなみに僕は『光秀』役で、『家康』役は糟屋さん。脇坂さんは『信長』役で、片桐さんは『ねね』……。そして、天守閣から落ちた加藤さんが『秀吉』役だったと言うわけです」

「……ほぅ、そらぁ楽しそうでんなぁ」

 

福島さんから説明されるツアー内容に内心、少し変わってるなぁとか思いながら、私は彼らに向けてさらに問いを重ねていた。

 

「……けど、何でツアー仲間があんななるまで分からんかったんですか?」

「あ、いえ……」

「……急にいなくなったからワシらも探しておったんじゃよ」

「派手な赤いフリースを着てたから……すぐ、見つかると思ったんですけど」

「まさかあんな所から……派手に燃えて落ちて来るとは思わなかったわ」

 

答えようとしていた福島さんだったが、それに割って入る様に糟屋さんが……そしてそれに続く形で脇坂さんと片桐さんが順にそう声を上げてきた。

するとそこで、毛利さんが唐突な言葉を彼らに向けて投げかけてきた。

 

「ところで……加藤さんが自殺を図った動機は分からないんスか?」

「え、ええ……全然」

 

少々戸惑いながらそう答える脇坂さんをしり目に、私は毛利さんに向けて問いかけた。

 

「何で、自殺って分かるんです?」

「こんなに雨が降っているのに屋根の上に出る者はまずいない。しかも、彼が着ていたのは火が着きやすいフリースだ。屋根に出て自分で火を着けた証拠です」

 

胸を張って得意げにそう答える毛利さんを見ながら、私は「は、はぁ……」と気の抜けた相づちを打つ。

自殺かどうか決めるのはまだ早計だと思うが……まぁ、かの名探偵がそう言うのならそうなのかもしれない。

そんな事を考えながら、私は「それにしても……」と、目の前で胸を張り続けている毛利さんをジロジロと眺めながら、先程から思っていた事を口にする。

 

「……けど、よう事件に巻き込まれる人でんなぁ。何かに憑かれとんのとちゃいますか?」

 

そう言った瞬間、毛利さんはこちらに顔を近づけて来ると、小声でひそひそと呟き始めた。

 

「……いやいやぁ。それを言うなら本部長の息子さんの方ですよ」

「……えッ!?平ちゃんもここに居てるんですか!?」

「ええ。息子さんだけでなく。本部長本人もあそこに」

「ええッ!!?」

 

そう言って毛利さんが指さす方向に、私は驚きながら振り向く。

見ると確かにそこには服部本部長が立っており、鑑識の人と何かを話しているのが見えた。

しかもその隣には、いつの間に到着したのか遠山のおやっさんの姿まである。

 

「……ああ。息子さんの方はさっきコナンと一緒に大阪城の中に入って行きました。……もう少ししたら戻って来るんじゃないですかね?」

 

本部長たちの姿を見てポカンと立ち尽くす私の心境など気にも留めず、毛利さんはそう言いながら大阪城を見上げた。

すると福島さんが物思いにふけるようにポツリと声を漏らす。

 

「……でも、信じられません。あの加藤さんが自殺しようとするなんて……」

「僕もそう思います……。彼はこの大阪に来るのを楽しみにしてましたから……」

「人間なんて頭の中で何を考えてるか分かんないわよ」

「……もしかしたら太閤さんのゆかりの地で、自決する覚悟を決めていたかもしれんしのぅ……」

 

福島さんの言葉に脇坂さんが同意し、それにつられるように片桐さんと糟屋さんがそう呟く。

そんな会話を耳にしながら、毛利さんは私に向けて再び小声で話しかけてきた。

 

「あとは何で火を着けたかです」

「ええ、まあ……。それさえ見つかれば……」

 

私が毛利さんにそう答えた時、聞き慣れた声がその場に響いた。

 

「――見つけたで」

「「!!」」

 

その声につられて反射的に毛利さんとそちらへと目を向けると、平ちゃんが毛利さんとこのコナン君と一緒にこちらへとやって来るのが見えた――。

 

 

 

 

 

 

 

 

SIDE:江戸川コナン

 

 

天守閣での捜査をひとしきり終えた俺は、服部と一緒に大阪城から出ると現場にやって来ていた大滝警部とおっちゃんと合流した。

そこで服部は、二人に大阪城の屋根の上に置いてあった(ふた)つきのオイルライターを見せると、途端にそばで見ていた片桐さんが声を上げたのだ。

 

「あら!それって、加藤さんが持っていたライターじゃない?」

 

片桐さんのその言葉に、隣に立っていた福島さんも「え、ええ……」と頷いて見せる。

 

「これで自殺は決まりだな」

「いや、そうとは限らんで」

 

確信をもってそう呟くおっちゃんだったがすぐさま服部が否定し、言葉を続けた。

 

「……このライター()()()()()()()。自殺する奴がわざわざ蓋閉めると思うか?」

「でも平ちゃん。ライター落とした時に偶然閉まってもうたんかも……」

 

大滝警部がそう言うも、それも服部は即座に否定する。

 

「そうやとしたら、もっと屋根の下の方に転がるはずやで。……せやけどライター(これ)があったんは屋根の上の方――それも(むね)の部分に使われとる熨斗瓦(のしがわら)の上や」

 

――そう。加藤さんが燃えた時に立っていた所も棟の上だった。はずみでライターを落としたのなら、そこに落ちる可能性はまず無い。落としたというより、そこに()()()と考える方が自然だ。

 

「……それに、このライターが置かれる前に()()()()()置いてあったみたいやし」

「別の何か?」

 

服部の言葉におっちゃんがオウム返しにそう聞き、それに強く頷いた服部は続きを口にする。

 

「……このライターが置いてあった下の屋根が変な形に濡れずに残ってたんや。ライターの形の長方形やのうて()()()()()になぁ。……あらきっと、()()()()()から屋根の上に()()()()()()置いてあって、雨が降った後それを取ってから同じ所にライター置いたんやで。……な、ボウズ」

「うん!」

 

そう服部が同意を求めるように俺に声をかけてきたので、俺は頷いて見せた。

俺もその推理で合ってると確信していたからだ。

 

「けど平ちゃん。何なんや?その『円形の何か』って」

「さぁ?まだ分からへんわ。……()()()()()()()()()()()()()()()()に関係あるモンやとは思うけど……」

 

大滝警部の問いかけに服部がそう答えて頭を振る。

屋根の上にはライターの他にも『何かの欠片』が無数に散乱していた。被害者が燃えた時、()()()()()()()()()()()が同時に響いていたから、恐らくあの無数の欠片は()()()()()()()()()()だと考えていいだろう。

 

「……今の所、分かるのはここまでやな。他に手掛かりがあるとすれば……ああ、そや。被害者の所持品、それを調べれば何か出るかもしれへん――って、あっちゃあ~……確かカエル先生が親父に全部渡したとか言うとったなぁ」

 

頭をガシガシとかきながら嫌そうにそう呟く服部に、大滝警部が宥める様に口を開いて来た。

 

「まぁまぁ平ちゃん。仕事上、私も所持品を調べなあかんから一緒に本部長のとこ行って頭下げようやないか。ちょっと前に遠山のおやっさんも来てる事やし」

「誰が親父なんぞに頭下げるか――って、遠山のおっちゃんも来とんのか!?」

「ああ、今本部長と一緒になってあそこに」

 

驚く服部を前に大滝警部がそう言いながら小さく指をさす。

その方向にはシートの上に被害者の所持品らしき物が並べられ、それをジッと見降ろす服部本部長と遠山刑事部長の姿があった。

それを見た服部は「うげぇ」と明らかに嫌そうに顔を歪める。その様子を見るにどうもコイツはあの二人の事が酷く苦手らしい。

しかし、事件の真相を暴くには被害者の所持品を調べる必要がある。

俺は渋々と言った(てい)の服部と大滝警部、そしておっちゃんと一緒に本部長たちの所に歩み寄った。

それに気づいた本部長と刑事部長は、所持品から顔を上げてこちらへと視線を向ける。

 

「……おお平次、お前らも被害者の所持品を見に来たんか?」

「お、おおそうや。ちょいと見せてもらうで」

 

服部本部長の問いかけに目を泳がせながらそう答える服部。

 

「ふん、刑事でも何でもないお前に事件の重要な証拠品見せんのもどうかと思うがな」

「…………」

 

嫌味をたっぷり含ませた本部長のその言葉に、服部はジト目で口元を引きつらせる。よく見るとこめかみに僅かに血管を浮き立たせていた。

 

「ま、まぁまぁ……そ、それじゃあ本部長におやっさん。被害者の所持品、少し調べさせてもらいますね」

「ああ、ええで。こっちはさっき調べ終えたばかりやからな」

 

二人の間に入ってへこへことしながらそう頼み込む大滝警部に、遠山刑事部長がすんなりとそう答えて了承し、俺たちに向けて所持品が見えるように本部長と一緒にその身を移動させてくれた。

何だかんだ言いつつ、警察関係者でもない俺たちにもこうやって配慮してくれる辺り、この二人は良い人達だと思う。

 

「では失礼して。……ふむ、財布に腕時計に携帯電話。恐らく自宅や車の鍵とかを束ねたキーホルダー……。そして煙草に()()()()()……ん?」

 

一つ一つ被害者の所持品を確認していった大滝警部は、最後の品に目を止め、それを手に取る。

 

――それは古びた巻物だった。

 

手にした大滝警部はそれを広げて中を覗き見る。

 

「……何やこれ、『龍』っちゅう字しか書いてないやないか」

 

大滝警部の言う通り、被害者が火ダルマになっていた事もあって巻物は半分ほど燃えて朽ちてはいたものの、大半は白紙になっているようであり、唯一巻物の右上に『龍』という漢字が一つ書かれているだけであった。

 

 

『!!?』

 

 

すると途端に背後から()()()息を呑む声が響く。何だ?と思って俺が振り向くと、被害者と一緒にツアーに参加していた四人全員が信じられないものを見るかのように大滝警部の持つ巻物を凝視しているのが見えたのだ。

その様子に眉をひそめる俺。そんな俺の横で大滝警部は巻物を置いて別の品へと手を伸ばした。

 

「巻物もそうやが……何なんやこの欠片も」

「……焼き物の破片みたいやな」

 

巻物同様、被害者が所持していた焼き物の欠片らしき物を凝視しながら大滝警部と服部はそう呟く。

すると、その二人に向けて意外な人物が声をかけてきた。

 

「……その焼き物の欠片。それと似たようなモンを()()()()()()、見た事がある」

『!?』

 

その声に驚いた俺、服部、大滝警部、そしておっちゃんは一斉に振り返る。

そこには大滝警部の持つ焼き物の欠片をジッと見つめる遠山刑事部長の姿があった。隣には同じように欠片を見据える本部長もいる。

 

「ほ、ホンマですかおやっさん!?」

 

驚いてそう尋ねる大滝警部に刑事部長は強く頷いて見せる。

 

「ああ……とは言え大滝。お前は()()()()()()()の担当になっとらんかったから詳しい事を知らんのも無理は無いが……」

「や、ヤマ?ヤマってまさか……!」

 

何かに気づいたのかハッとなる大滝警部に刑事部長は再度頷くと、()()をゆっくりと話し始めた――。

 

()()()。……しかも二件とも、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()んや。……その焼き物の欠片とよう似たモンをもってなぁ」

「な、なんやて!?」

 

驚き声を上げる服部を前に、刑事部長の話は続く。

 

「……最初は十三年前に内堀の中で、そして次はついこの間、外堀で発見された焼死体が持っとった。……そんで科研(かけん)に調べさせたら、その二つは同じ時期に作られたっちゅうことが分かったんや」

「……そして、加藤さんもその二件の焼死体が持ってたのと似たような欠片を所持していた……。という事は、もしかしたら加藤さんもその二件の殺人事件に何らかの関わりがあるのかもしれませんね……」

 

顎に手を置きながらおっちゃんが唸るようにそう呟く。それを横目に見ていた大滝警部は、視線を刑事部長の方へ戻すと質問を投げかけた。

 

「……で、その二件の焼死体の事件。何か進展はあったんですか?」

「残念ながら未だに進展無しや。……せやけど――」

 

そこで刑事部長はいったん言葉を止めると、何故か本部長の方へチラリと視線を送った。

その視線を受けた本部長は一瞬だけ細い目を僅かに開けると、小さく肩をすくめて見せた。

それがどういった意味でのやり取りだったのか、傍で見ていた俺たちにはまるで分らなかったが、少なくとも二人の間では意思疎通が出来ていたらしい。

刑事部長は本部長から俺たちへと視線を戻すと、真剣な顔つきになって言葉の続きを口にした――。

 

「――……その焼き物の欠片を調べて行くうちに俺と平蔵は()()()()()()に行きついて、それからはその焼き物の欠片を(さかな)に酒を飲みながらその可能性についてよく話し合うようになったんや」

「何ですか?その可能性って……」

 

首をかしげながらそう尋ねるおっちゃんに刑事部長は直ぐに答えた――。

 

「……最初こそ俺も平蔵も、その可能性はしょーもない絵空事だと思うて本気に考えもせぇへんだんやが……二件目の焼死体が同じ欠片を持っとった事でいよいよもって現実味を帯びて来たんや――」

 

 

 

 

「――この二件の殺人事件の裏に潜む、()()()()()の可能性を――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――かの『黄金王』とうたわれた……豊臣秀吉(天下人)の宝がな……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SIDE:三人称視点。(カエル顔の医者と吉野綾花の会話)

 

 

「カエル先生、患者の容体はどうですか?」

「心配はいらないよ。呼吸もだいぶ安定しているから明日にはもう集中治療室から出してもいいかもしれないね?」

「そうですか、良かったで――(クゥ~)ぁ……」

「ん?……はっはっは!そう言えば今日はまだ昼も夜も食事にありつけていなかったね」

「うぅ……すみません」

「あんな事件が起こったんじゃ仕方ないさ。……先に食事に行くと良い。僕はもう少し患者の様子を見てから食べに行くことにするよ」

「あ……それじゃあお言葉に甘えてお先に失礼しますね」

「ああ。ゆっくりと食事を楽しんできなさい」




最新話投稿です。

前回から一ヶ月かかりましたが何とか書き上げました。
お待たせして誠に申し訳ありません。
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