SIDE:????
――…………失敗した。
――……失敗した!失敗した!!失敗したッ!!!失敗したぁッ!!!!
――返す返すも失敗した!
――一度ならず二度までもしくじったッ!!
――どういう事だ!?一体何なんだこれは!?加藤を殺し損ねたあの時からケチがついてしまったのか!?
――クソッ!クソォッ……!!
――…………くそぉ…………。
――…………。
――……………………。
――………………………………。
――………………………………、
――次こそは絶対に失敗しない。
――もう誰にも……そう、もうあのカエル顔の妙な医者にも誰にも邪魔は絶対にさせない……!!
――
SIDE:カエル顔の医者(冥土帰し)
「いやはや、まさかあれからそんなに間を置かずして第二の事件が起きるとはね?……よくやったよ吉野君、キミの的確な処置のおかげで彼女の命を繋ぎとめることが出来た」
「あ、えと……ありがとうございます」
私が吉野君に称賛の言葉を送ると、彼女は恥ずかしそうにそう返答する。
加藤さんへの処置を一通り終え、自分も食事に行こうとしていた矢先、吉野君から極楽橋でまたもや事件が起きたと連絡が来た時は流石に耳を疑った。
急いで駆けつけてみれば確かに吉野君が頭から血を流している女性を介抱していた。そばには何故か蘭君と和葉君の姿まである。
その上さらに驚く事に、介抱されている女性は例のツアー参加者の一人だと来た。
色々起こりすぎて混乱しそうになるも私はすぐさま冷静になって吉野君と交代し、『携帯型無菌室』を使ってその場で彼女の治療に当たった。
幸いにも吉野君が応急処置を施してくれたおかげで命を取り留めることが出来たものの、怪我を負った所が後頭部だったため、脳に何かしらの障害が出る可能性が出てきた。
これはまず間違いなく、伊達君と同様に今後は『デバイス』を付けて生活する事になるだろう。
大方の治療を終えて一段落すると、いつの間にか周りには多くの人だかりが出来ていた。
その中にはコナン君(新一君)や服部君。大阪府警本部長などの見知った顔も多くあった。
「先生!その人、大丈夫なんか!?」
私が治療を終えたのを見計らって服部君がそう声を上げながら駆け寄って来た。
「ああ、心配はいらない。脳に少し障害が残るだろうが、普通に生活できるまでに回復する事は保障するよ?」
「そ、そうかぁ。そらぁ良かった……」
服部君がそう言ってホッと胸をなでおろす。
しかし、その隣に立つコナン君は何故か険しい顔を浮かべながらそんな服部君の服を引っ張って来た。
「……オイ、安心している暇はねぇぞ服部!」
「ん?ど、どないしたんや工藤?」
「いいから、
「え、あ、ちょ……!」
戸惑う服部君の服の袖を引っ張りながら、コナン君は遠目からこちらの様子を見つめている蘭君と和葉君の所に急ぎ行ってしまった。
(新一君、何か焦っているように見えたが……何かあったのかね?)
首をかしげながらも私は私の役目に集中すべく、やって来た救急隊員に急ぎ患者を病院に運ぶように指示を出していた――。
SIDE:遠山銀司郎
「……どや、カエル先生の腕前は?凄いモンやろ?」
「あ、ああ……正直まだ信じられんわ」
隣に立つ平蔵の言葉に、俺は半ば放心状態でそう答える。
毛利探偵経由で極楽橋の上で新たな事件が起こったと知った俺たちは急ぎ現場に向かった。
そして到着すると、そこにはタッチの差で我々よりも先にやって来たと思しき白衣を纏ったカエル顔の男性が、血まみれで倒れている女性に応急処置を施している女性と入れ替わって治療しようとしているのが見えた。
カエル顔の男性は応急処置を施していた女性と一緒に、透明なビニール風船のような物を大きく膨らませると、その中に血まみれの女性を押し込んで何と橋の上で手術を始めたのだ。
これには流石の俺も開いた口が塞がらなかった。
今まで仕事の関係で色々な医師に会った事は多々あったが、大衆の面前で手術を行おうとする医師を見るのはこれが初めてだった。
しかもその医師は腕の方もデタラメに立っているようで、遠目からだったが見るからに死の淵に瀕していた女性の頭の傷を瞬く間に治療し、救命して見せたのだ。
俺は医師ではないが、警察官の観点から見ても彼女の怪我はまず間違いなく致命傷だった。それこそ今すぐ息を引き取ってもおかしくはないほどの。
しかし、そんな彼女をあのカエル顔の先生は一切の諦めを見せる事なく繊細かつ迅速な――完璧と呼べる対応を以って見事やり遂げて見せたのだ。
平蔵から前もって話に聞いていても正直半信半疑状態だったが、こうやって目の前にその『事実』を突きつけられてはもはや疑う余地など何処にも無かった。
「……せやけど、遠山。あまり長い事、呆けてる場合やないで?」
「……ああ、そうやな」
唐突に平蔵が警察官としての真剣な目つきになったのを見て、俺も気持ちを切り替える。
そして二人して野次馬の輪の中から外に出ると、少し離れた所で待ち構えていた部下たちの元へとやって来ていた。
「
「……申し訳ありません」
俺の言葉に部下の一人がそう絞り出すように答えた――。
例のツアー参加者四人がホテルへと帰るのを見送った直後、俺と平蔵は
しかし、四人がホテルに戻ったのを確認したそのすぐ後、監視していた
しかもその知らせを聞いたのが片桐真帆が何者かに襲われたという知らせを受ける
「片桐真帆が死なんかったのは不幸中の幸いやったが……」
「ああ……こら
平蔵の視線がこちらへと向き、そう言う奴に俺もその視線を受けて頷きながら答えた――。
SIDE:江戸川コナン
「それホンマか!?誰かが片桐さんを
「う、うん。暗くて視界も悪かったけど確かに見たよ」
服部に詰め寄られながらそう問われて和葉は面食らいながらそう答える。
カエル先生と別れた後、俺たちはすぐさま現場を目撃していた蘭、和葉、そして吉野さんの三人にその時の状況を根掘り葉掘り聞き出していた。
話を聞くにどうやら店に行く途中、偶然吉野さんとばったり会い、そこで俺を連れてきていない事に気づいた蘭たちは急いで極楽橋の所まで戻って来たらしい。
そして、そこで偶然片桐さんが堀に落とされそうになっている現場を目撃したのだという。
「……そこで私が大声を上げたら、犯人は彼女を置いて堀の中へと身を投げたの」
吉野さんのその証言を聞きながら、俺は俯き考える。
どうやら、犯人にとって蘭たちが極楽橋にやって来たことは想定外だったようだ。
――犯人は片桐さんを橋から落とす前に彼女の頭を殴打していた。
彼女を殺す為だけなら、殴った後わざわざ堀の中に落とす必要はない。殴打した凶器でとどめを刺してその場を立ち去ればいいだけの話だ。
(……だが蘭たちが言うには、犯人は片桐さんを担ぎ上げて橋から堀へ落そうとしていた。それは片桐さんを殺した後、犯人は何かしらの
それがどんなトリックだったのかは、蘭たちの介入で中断されてしまったので分からずじまいだ。
だが、
(二つの殺人が阻止されたが、それは犯人側から見ると
嫌な予想ではあったが、犯人がこのまま何もしないで終わりにするとは俺にはどうしても思えなかった。
俺はチラリと隣に立つ服部を見上げる。すると服部の方も俺の方へと視線を向けており、その顔は僅かながらに
どうやら服部も俺と同じ、嫌な予感を抱いたようだ。
二度の失敗で犯人が
そうなる前に、どうあっても犯人を見つけ出さなければならない。
だが、そうしようにも現状、俺たちの手の内にある手がかりはあまりに少なく、犯人への糸口すら見つけられていなかった。
「……そや、片桐さんの所持品。あれに何か手掛かりがあるかもしれへん。それに犯人が片桐さんを抱えたんなら、そん時に犯人の毛髪やら指紋やらが衣服に残っている可能性だってあるさかいな……!」
(――!そうか……!)
閃いたとばかりにそう声を上げる服部に、俺も「それだ!」と言わんばかりにパッと顔を明るくする。
そして急ぎ片桐さんの所へ行こうと服部と共に片桐さんが寝かされている場所へと振り返った――。
――しかし、さっきまでそこにいたはずの片桐さんの姿は影も形も無く。それどころか、一緒に居るはずのカエル先生や救急車の姿さえ消え去っていた。
「片桐さんやったらさっき救急車に乗せられて行ってしもうたで?カエル先生も一緒に同乗して」
「あ、阿呆!何でそれを先に言わんのや!?」
「阿呆って何やねん!あんだけやかましく救急車がサイレン鳴らしとったのに気づいてなかったんか!?」
ギャーギャーと頭上から降って来る服部と和葉の痴話喧嘩をその身に受けながら、俺はどうしたものかと考えにふける。
今からでもカエル先生に携帯で電話して片桐さんの所持品に何か気になる物が無かったか聞こうか……と、そう思っていた矢先、意外な所からその問題はあっさりと解決することになった。
「片桐さんの持ち物を調べたいのだったら大丈夫よ?彼女の手術中、『事件解決に必要になるかもだから、一応鑑識の人に渡して来てほしい』って言って、カエル先生がこっそりと上着や持ち物一式を私に渡してきたの」
(――!ナイスだカエル先生!気が利くじゃねーか!)
吉野さんのその言葉に俺は内心ガッツポーズを作る。
恐らく後で俺や服部が調べると踏んでそうしたのだろう。こういった機転が利く所も含めて色々と頼りになる人だ。
「さっすがカエル先生!で、それらはもう鑑識に渡してあるんやな?」
「え、ええ……あ。あそこにいる人よ」
嬉々としてそう尋ねる服部に少々面食らいながら吉野さんはキョロキョロと辺りを見渡すと、橋の床で何か調べ物をしている鑑識の一人に目を止め、その人に指をさしながらそう呟いていた――。
吉野さんへの感謝もそこそこに、俺と服部はすぐさまその鑑識の元へ向かうと片桐さんの持ち物を見せてほしいと彼に頼み込む。
すると俺たちの頼みを聞いた鑑識の人は、急ぎ片桐さんの所持品を俺たちの前に差し出して見せた。
服部が本部長の息子だからなのか、それとも前々から服部にこう言った頼み事をされるのが日常茶飯事だったからかは知らないが、こうやって一介の高校生や小学生相手に手早く対応し、行動してくれるのはありがたかった。
俺たちは差し出されたそれらの品を片っ端から調べて行くと、いくつか気になる物を見つける。
「おい、工藤。見てみぃ、片桐さんも加藤さんらと同じ、焼き物の欠片持ってたで」
「ああ……こっちも気になるモン見つけたぜ?」
そう言って俺が手にしたのは、
そこには五人の男女が写っており、その内の二人は
「――!こらぁ、右端に移ってる男女。加藤さんと片桐さんやないか。二人は昔からの知り合いやったんか……!」
「ああ。しかも、
服部の言葉に、俺は頷きながらそう答え返す。
写真に写る男女は前列に三人、後列に二人立っているのだが、前列の中央――丸眼鏡に髭を生やした禿頭の老人が、焼け焦げる前のあの龍の巻を両手で掲げて持っていた。
そして、その右側には前列に片桐さん、後列に加藤さんが立って写っている。
残念ながら左側に写っている前列に立つ中年の男性と後列の若い男性が誰なのかは分からないが、この写真が事件と何らかのつながりがあるのは間違いなさそうであった。
「他になんか手がかりは……!見てみぃ、工藤……!」
「何だ?」
他に犯人に繋がる物は無いかと、片桐さんの持ち物を漁っていた服部の手が止まり、奴は俺へと声をかけてきた。
顔を向けた俺に服部が見せてきたのは、片桐さんが着ていた
見ると上着の右わき部分の所々に
俺は眉をひそめながらそれを見つめ、口を開く。
「おい、それ
「ああ……恐らく、
そんな服部の言葉を聞きながら、俺はその奇妙な血痕に目を細める。
――小さく左半丸の曲線とその右側に規則性のある点々が縦一列にいくつもついている。
「……この点々みたいなの……ひょっとしたらこれ、
「かもしれんな……。犯人がそれ着て犯行に及んだっちゅう事かもしれんけど……問題なのは
「ああ……」
服部の言葉に俺は頷く。
残念ながら、犯人がファスナーのついた服を着て何をしようとしていたかは分からずじまいだが、半丸の方には俺も服部も心当たりがあった。
蘭たちの話によれば犯人は片桐さんを抱えていた。なら、この半丸はきっとその時に着いた
もし犯人がまだその事に気づいていないのだとすれば……
それからすぐ、俺たちは調べていた片桐さんの所持品の中から一品だけ鑑識から借りると、周囲にいる大勢の警察や野次馬へと見渡し始める。
「……アカン、何処にもいいひんで
「まだ来てないだけなら良いんだが、もう犯人は二度もしくじっちまってる……逃走したのか、それともまだ誰かを殺すつもりなのか……」
大衆の中に件の三人――福島さん、脇坂さん、糟屋さんの姿が何処にも無い事に、服部と俺は歯噛みする。
加藤さん、そして片桐さんの二人の命を奪う事に失敗している犯人が次にどんな行動を起こすのかまるで予測がつかないのだ。
――それに、最も重要な謎が未だに解けていない。
(『犯人の正体』……。それが誰なのかまだ分かってねぇ……!)
すぐに捜索して運よく三人を捕まえる事が出来ればいいが、あの三人の中の誰が犯人なのか分からなければ意味がない。
(クッソぉ……!事は一刻を争うってぇのに……!どうすりゃいいんだ……!!)
どんどんと焦りだけが積もり、俺は内心悪態をつきながらガシガシと頭をかいた。その時だった――。
「なぁ平次ー!いったん帰った方がいいんちゃうー?」
「ほら、風も強くなってきたし……!」
少し離れた所に立つ和葉と蘭が
「……んの阿保、こっちの状況も知らんと呑気な事言いよってからにぃ……!」
和葉たちの言葉にこめかみに血管を浮き立たせた服部が苛立たし気にそう呟くと、先程同様に和葉に向けて怒鳴ろうと口を大きく開けた。
「――ああっ!?」
だが、服部が何かを言うよりも先に、一陣の強風が唐突にその場を駆け抜けた。
風は蘭の持つ傘を巻き上げ、それを不意打ちで受けた蘭は思わず小さい悲鳴を上げると同時に傘を放してしまっていた。
蘭の手から離れた傘は風によって上空へと舞い上がり、数秒間空中を踊る。
「「――!!」」
そして――それを思わず目で追った俺は、ようやく
――犯人の、正体に。
「――オイ、服部……もしかして俺たち……!」
「えらい勘違いをしてたみたいやなぁ……!」
俺の言葉に服部は即座にそう答え返す。
どうやら服部も俺と同じ真相にたどり着いたようだ。しかし――。
(――犯人は分かったが、それでもまだ解けてねぇ謎がいくつか残ってる……。だが、今は時間が無い以上、それは犯人を捕まえてからでも――おや?)
飛ばされて行く傘を見つめながら俺がそんな事を考えていると、ふいに傘が落ちていく方向に見知った人物が立っているのが見えた。
「服部、あれって福島さんじゃ?」
「――!ホンマや丁度ええ、行くで!」
俺たちはほぼ同時に福島さんへと走り出す。後方で「あっ、平次ー!?」「コナン君!?」と叫ぶ、蘭と和葉の声を耳にしながら――。
「うわっ!!な、何だぁ!?」
俺と服部が福島さんの所に駆け寄った時、福島さんは唐突に足元に落ちてきた蘭の傘に驚いていた。
チラリと見ると強風にあおられた蘭の傘は骨の部分がいくつもおしゃかになっており、もはや使い物にならない事は明らかであった。
「あれ?君たちどうしてここに……?」
駆け寄ってきた俺たちに気づいた福島さんがそう疑問の声をかけて来るも、今の俺たちにはそれに答えている余裕はない。
「なぁ、脇坂さんと糟屋さんはどないしてん?一緒やないんか!?」
「あ、うん……二人ともご飯を食べに行くって言ってホテルの前で別れてそれっきり。僕も雨に濡れた服を着替えたかったしね」
服部の言葉に先程とは別の服を着こんだ福島さんは、今着ている服を見せながら俺たちにそう言って来た。
その言葉に俺と服部は険しい顔で同時に顔を見合わせる。
(まさか、犯人は……――)
脳裏に飛来した嫌な予感に俺は考えを巡らそうとするも、それよりも先に福島さんから声がかかった。
「そ、それよりもどうしたんだい?何か、今度は極楽橋の方で人だかりが出来ているみたいだけど……」
「悪いけど詳しい話は後で大滝警部たちから聞いてくれ。それよりもや――」
そう言いながら服部は先程借りてきた片桐さんの所持品の一つ――『古い写真』を懐から出すと、それを福島さんに見せながら言葉を続けた。
「――この写真に写ってる人物に心当たりは無いか?」
「ん?どれどれ……」
服部に促されて福島さんは写真を覗き込む。
「……ん~、今より若いけど右側の手前と奥にいるの加藤さんと片桐さんだね。真ん中に写っているお爺さんと左隣にいるおじさんは知らないなぁ……あれ?おじさんの後ろにいるの、もしかして
「平野?」
俺がおうむ返しにそう問いかけると、福島さんは頷いて話し始めた。
「僕たちが参加している、このツアーの
「「…………」」
その話を聞いて俺と服部は沈黙したまま再び顔を見合わせる。
そんな
「もしこのツアーの事で何か知りたい事があるんだったら、平野さんにも連絡して聞いてみた方がいいよ。ホームページは『伝説の黄金王』で検索すれば、直ぐに分かるから」
「……あんがとな、福島さん。充分や。……急ぐで
「ああ!」
感謝もそこそこに福島さんと別れた俺たちは、急ぎ大阪城から夜の街の中へと向かって走り出した。
SIDE:三人称視点。
「えッ、あ、ちょっと君たち!?…………行っちゃった、何だったんだ一体……?」
風のように去って行った服部とコナンを半ば呆然となって見送りながら、福島は無意識にそう呟く。
そのそばでは今し方やって来たばかりの蘭が、おしゃかになった傘を拾い上げる。
「あーあ。もう、傘ぐちゃぐちゃ……。服部君もコナン君も、何で拾ってもくれないでさっさとどっか行っちゃうのよぉ……」
悪態をつく蘭に、後から大滝と吉野の二人と一緒にやって来た毛利が口を開いた。
「ほうっておけよ、アイツらの事は。傘だって近場の店でまとめて買った安もんだからいいじゃねぇか」
「けど、どうしたんでっしゃろ平ちゃんたち。急に走って行ってしもうて……」
心底どうでも良さそうにそう言う毛利の横で、大滝は服部とコナンが走って行った方向を見ながら首をかしげて呟く。
それに答えたのはそのまた隣にやって来た和葉であった。
「……きっと分かったんや。犯人が誰なんか。……だって――」
「――だって、平次。遠目からでもキラキラした顔しててんもん♪」
満面の笑みでそう言う和葉に、その場にいた毛利と大滝は思わず呆気にとられ、蘭は小さくクスリと笑みを浮かべていた――。
最新話投稿です。
次回がいよいよ解決編です。ようやくこのエピソードも終わりが近づいてまいりました。
いやぁ~長かった!長かった!HAHAHA!!(空笑い)
次回は早めに投稿できるよう頑張りますw(願望)