今日を生きて   作:SS04

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初めましてSS04です
初の小説なので色々大目に見ていただきたい所存です
亀更新なのでぼちぼちペースでやります


今日のPMC

「人は死ぬ 俺もお前も、皆もいずれ死ぬ。 だが今日じゃない」

 

男は言った

「生きているうちに気持ちよくのんびり座ってパンケーキ食って、人生終わらせたい」

 

多くの来歴を持つ男の話

 

 

 

 

 

男は歩いている

訓練施設に向け必要な物だけをバッグやケースに詰めて持っているがそれでも一人で持つにしては多い量だ

まるでどこか遠い場所へ旅行にでも行くようにも見えなくないが中身は仕事で使う物しかない

 

首に下げた社員証をカードリーダーへ当てると電子音が鳴りロックが解除される

扉を開き中に入ると見慣れた小隊のメンバーが既に訓練を始めていた

 

ヘッドセットを着けるのを忘れていた為すぐに耳に当て銃声による騒音を直接聞かないようにする

現代の物は無線機に繋いだり銃声、爆発音などの刺激的な音をカットする上に周囲の些細な音を拾う優れものだった

 

「ダーレ〜ス、お〜はよ〜う」

 

武器コンテナの上で座って見物していた同僚のフランカが若干間延びしたような、気の抜ける声で挨拶をされ「おはよう」と軽く挨拶を返して荷物を下ろした

 

荷物の中からボディアーマーなどの装備を装着しながら進捗を聞くが肩を竦め微笑を浮かべながら首を横に振る

どうやら延々と同じような訓練の繰り返しだろう

正直今射撃訓練しているジェシカは基礎こそ正直にいえばできているのだが遺憾せん実際の勤務で活かせていない

 

無理もない、今現在大した戦闘行動などあまりない

それなりに秩序が保たれていてかつ回される仕事もないが名目上では基地整備や訓練が主なため実践が中々ない

あって派遣警備ぐらいで戦闘も早々起きない

ある意味では平和というより変わらぬ日常の繰り返しだった

 

そんな中同じく同僚であるリスカムがジェシカの訓練をすると言い小隊が集められているのだ

 

「そこまで! 一度休憩を挟むよ。 息を整えて」

 

「いえっ、まだ…まだできます!」

 

真面目な性格を持ったもの同士で訓練しているため収集がつかなくなりつつある

いつものことだ、止めに入らないと延々とやり続ける

 

「いつまでそんなんやってんだ」

 

「あっ、ダーレスさん! おはようございます!」

 

「おはようダーレス、何かあったの?」

 

声をかけると銃の弾を抜き安全装置をかけて向き直った

 

「帰ってきた矢先にうちの小隊に新人がくるってさ。 それの手続きさっき言われてやってきたんだ」

 

「へぇ〜新人? どんな子かしら?」

 

「端的に言うなら真面目な奴が増える」

 

「カタブツ揃いになっちゃうってことねそれ…」

 

「まぁそういうこった」

 

フランカがやれやれといった様子で頭を少し振るとリスカムが反応した

 

「ちょっとフランカ…」

 

「待ってよ〜私別に悪く言った覚えはないわよ〜?」

 

「よろしくしてやってくれ、後でくる。 で、だ…」

 

ダーレスがモニターでジェシカの射撃の着弾地を確認する

少し黙り込んでモニターから目を離した

 

「んじゃ、今日は変わった訓練すっか」

 

「変わった訓練…?」

 

「ダーレス、そういうのも良いかもしれないけど…」

 

「『基礎が大事』 今日はテストがてら基礎ができてないならボロクソの結果になるやつやるぞ。 もちろん2人もな」

 

テストという単語でジェシカが動揺しているが現状の実力を測るのも成長の一環だと思う

事前に用意していた物を準備して3人を集め説明を始めた

 

 

 

 

 

ペーパーターゲットの的を規則性もなく並べて塗料を使い3色、レッド、ブルー、イエローを各1種1枚作った

射撃場の施設は中々揃っているが基本的に銃を撃つことだけしか考えられていないため代わり風のことをするなら自分たちで用意して行っていた

 

今回やる訓練は1日少し広めに場所を取れているのでできるといったところだった

 

「頭の体操をしてもらう」

 

説明からいきなりよくわからないと言った面々だが気にせず進める

 

「号令をかけてブザーが鳴ったらそれがスタート、振り向いて指示通りターゲットを撃つ。 フランカは切るか突くで」

 

「じゃあ見てな」と自前のラテラーノ銃をを持ち手慣れた素早い動作で点検した

 

「ブルーエネミー! レッドフレンドリー! イエローエネミー! シュータースタンバイッ!」

 

タイマーが間を少しあけスタートの合図のブザーを鳴らした

鳴ったと同時に振り向き構え自分で言った通り敵であるブルーとイエローを撃った

的は正確に心臓に2発頭に1発撃ち込まれていた

 

「…と、まぁこんな感じだ」

 

 

 

 

あれからしばらく訓練を続けていた

いやらしい位置に的を置いたり、味方と敵の的を重ねて置いたり実に性格が悪いが実践に応用できるものだった

 

リスカムは最初こそ盾を持っていたが段々と余裕がなくなり盾は一度置いて射撃に集中するようにしていた

 

「イエローエネミー! ブルーホステージ! レッドシビリアン! スタンバイ!」

 

ブザーが鳴り振り返ると的が市民、人質、敵がほぼ一直線に並んでいる

一番前にいる人質に当たらぬように撃っても敵の腕に当てられるが後ろにいる市民に貫通してしまう

左右の角度をずらしても同じだ

脳の疲れにより判断能力と機動性が失われており四苦八苦しているところに声が飛ぶ

 

「誰がその場で撃てと言った! 動け動け!」

 

その一言で右に動き人質にも市民にも当たらない角度で敵を撃ち抜いた

 

「判断が遅い! 頭もっと動かせ!」

 

「了解ッ!」

 

 

 

フランカの獲物はレイピアである以上接近して撃破しなければならない

 

振り向いた目の前に味方の的がありステップで横に飛び後ろに人質とその後ろに敵が重なっており僅かながらに露出している頭を狙うが同じように集中が切れかかっているのか人質の肩を穿ってしまう

 

「人質傷つけてどーする!」

 

「わかって、る…わよぉ…」

 

膝に手をついて息を整える

彼女は2人と違いどうしても敵との間合いを詰め得物を振り回さねばならない

肉体の疲労はおそらく彼女が一番負担が大きいだろう

 

 

 

 

「ブルーフレンドリー! レッドエネミー! イエローエネミー! スタンバイ!」

 

リスカムが代わりに号令をかけるブザーを鳴らすとなんとあろうことか射線上に彼がいた

頭の理解が止まりどうすればいいのかわからなくなってしまう

 

「ジェシカ、彼は市民よ! どうするの!?」

 

「えっ、えっと、ええっと!」

 

余計に混乱し始め更に彼が戦闘に巻き込まれた市民のように演技掛かったことを言い両手をあげる

 

 

「やめろ! 撃たないでくれ!」

 

「市民を射線から退かしなさい!」

 

「あっ…! ふ、ふせて!!」

 

彼が直ぐにその場に伏せると射線上ほとんど問題なく撃てる

そうすればあとは敵の的を撃つだけだ

今までやってきた射撃能力が活かされ正確に的を貫いた

 

 

 

 

 

 

「は〜い休憩〜、一回締めまーす」

 

3人がぐったりとした様子で尻餅をついたり膝に手を置いていたりとしていた

訓練の時間にして約2時間と少しだが激しくやり続けている上に小休止がなかった

途中でストレストレーニングも兼ねて疲労状態での戦闘行動も行っていた

通常時と疲労時では動きも変わってくる

疲れに慣れる、というより疲れている中でもどれだけ集中力を持続できるかというものだった

慣れない訓練で全員やるので精一杯だったが結果は上々であった

 

一式を片付けて訓練所を出ると小休止用のソファーに座りドリンクサーバーから飲料水を取った

 

「もうっ、汗ぐっちょりよ…気持ち悪い」

 

「中々ためになった…今度からやっていこう…」

 

「おいジェシカ、大丈夫か?」

 

「ほらよ」とダーレスがボトルの飲み物を渡すと受け取り中を飲み干すとジェシカは苦しそうな顔をしていたが親指を突き立て「行けます!」と意思表示をした

 

「よし、んじゃあ今日は訓練終わりだ。新人が来るから身なり整えとけ。 時間は1700ウチらの宿舎、質問なけりゃ解散」

 

普段ならフランカあたりがおふざけで質問するがそんな余裕もないため全員無言で立ち上がり宿舎へと向かった

 

「で? 今日はどうだった?」

 

何気なくフランカが今日の訓練の所見を聞いてきた

 

「中々悪くないが今回はアーツを使ってないしな。 もっと動き回るやつもあるし、ある程度できるようになったらCQBもやるかねぇ?」

 

「今日よりよりエグそうね…貴方も体を張ったりしてジェシカに撃たれるとか思わなかったの?」

 

「そう! ダーレス、少し無茶をしすぎ! 本当に何かあったら…」

 

「今日は大丈夫だったろ?一番誤射起こすのは慣れてきたところが一番多い。ジェシカ、状況判断しっかりな」

 

「は、はい、わかりました!」

 

気持ちに少し余裕ができたところで雑談をしながら歩を進めここからは男女の宿舎は階が違うので別れる

 

「じゃあな、また」

 

「お疲れさま」

 

「おつかれ〜」

 

「お疲れ様でした!」

 

ダーレスが2階で彼女たちは3階、彼はそのまますぐ近くの自分の部屋へと向かって行った

 

「ジェシカ、あの訓練について来れたってことはあなたの基礎は出来上がっている。 でも気を緩めないように」

 

「はい!」

 

「フランカ、あなたも…」

 

ふと後ろにフランカがいたはずだったがその姿はない

えっ?と2人して思考が止まったがそれはすぐに解決した

2階からわざとらしい大きな声が聞こえてきた

 

『フランカさぁ〜ん? こちらは男子の園でごぜえます。 なんでおめぇこっち来てんだオラ』

 

『休憩だし、あたしの事は気にしなくていいから。 シャワー借りるわね〜』

 

『ははは! …てめぇこの野郎!』

 

『やぁ〜ん、暴力はんた〜い!』

 

『おめぇみてぇな汗臭え野郎を部屋に入れてたまるかこの!』

 

『誰が汗臭いよ! 少なくとも男のよりいい匂いよ!』

 

騒ぎ始めた2人にリスカムが大きな大きなため息を溢し「ジェシカ、行くよ」とフランカを拾いに向かった

 

これが、彼がBSWにいた頃の日常での物語である

 

 

 

 

 




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