「あいつ、青葉と仲が良さそうだけど生意気じゃね」
「そうですわね…少しお灸を据えますか」
とある艦娘達が不穏な会話をしていた。
ーーーーーー。
「さ〜て、午前の業務も終わったし…昼にするか」
俺は執務室と階段室を挟んで反対側にある自室のキッチンに立った。
「食堂や酒保が使えないからな…」
そうまだ艦娘達の感情もあるから使わないでくれと長門から釘を差されていた。
「?この声は…」
俺は下を歩いているであろう艦娘の声に反応した。
「ちょっと笑顔向けたら調子こいてやんの」
「でもでも、こないだ朝帰りしたんでしょ」
「あいつの部屋に閉じ込められたからしたかなしだし〜…今思い出してもキンモー!!」
「憲兵さんに報告してしまいなさいよ」
「そうだね~」
「……」
声からすると青葉と衣笠っぽい様子だが、微妙に違和感を感じた。
「またか…」
翌日も同じ組み合わせの2人による俺を誹謗中傷する会話が聞こえた、だが今回はかなり危険な内容だった…それは俺の物理的排除つまり殺害を仄めかす内容だった、勿論録音はしておいた。
「このままだと危険だな」
俺はそう考えると、先ずは執務室入口の機密隔壁を下ろした、これは敵の侵入に対しての防衛機能だ。
「次は…こっちか」
引き続いて秘書艦娘執務室へと通じる扉を物理的に閉鎖することにした。
「防弾防爆装甲迄あるとは…」
俺は秘書艦娘執務室と執務室の間にある厚さ10cmの装甲板を扉前に設置した。
「最後は窓の防弾防爆シャッターか…」
此方も自室も含めて窓総てに設置した。
「これで大丈夫だろう」
こうして俺は執務室と自室に籠城することにした。
「地下駐車場から外に出るルートは裏の陸軍の敷地内ルートに切り替えてと…」
こうして俺の執務室と自室に艦娘が入る事を排除した。
ーーーーーーー青葉ーーーーー。
「ゆーくん??」
私は執務室に入ろうと扉を開いたら…其処には鋼鉄製の装甲で塞がれていた。
「どういう事??」
私は一緒にいた大淀の顔を見た。
「入れない??なら秘書艦娘執務室から」
大淀が秘書艦娘執務室側の扉を開けようとした…が此方は扉すら開かなかった。
「いったい何が……」
そんな時だった、衣笠が部屋に飛び込んできた。
「大変!この部屋以外の窓にシャッターが下りてる!」
私と大淀は慌てて外に出ると3階を見た。
「本当だ…執務室とゆーくんの部屋部分だけシャッターが下ろされてる…駐車場から入れない?」
私は地下駐車場から入れないか行ってみることにした。
「駄目…閉鎖されてる」
此方も封鎖されていた。
「ゆーくん…何で何で…」
私はそんな状況を理解できなかった。
「青葉、此処にいたか」
長門がやって来た、
「執務室がシェルターモードになっている、何があった?」
「私達にも何が何だか…」
私はスマホを取り出すとメールを送信した。
「あっ帰ってきた…って…そんな…事…」
私の様子に長門がメール画面を覗き込んだ。
「青葉…お前、そんな事を!」
長門が内容を読むと私に詰め寄った。
「そんな事言ってないよ!だってこの日は私と衣笠部屋から出てないし」
私の弁解を大淀が証明してくれた。
「確かにその日、お二人は私の頼まれ事で部屋からでれなかったです」
「そうか…そうすると一体誰が!」
私の代わりに大淀がゆーくんにメールを打ってくれた。
《その2人の姿を確認したでしょうか、青葉と衣笠の2人は私からの依頼仕事をしていたのでその場所に居るのはありえないです》
返信が直に来た、
《声だけだ…確かに違和感はあった…なんというかギャル的な話し方だった》
大淀があっという顔をした、
《おそらくは鈴谷と誰かだと思います、会話の口調から判断して》
私も添付された音声データを聞いてそう確信した。
「ですが、鈴谷だけでできるでしょうか?」
大淀の問いに、衣笠が答えた。
「多分だけど…相手は熊野っぽいわね、端々にそれらしい癖が出てた…あとある程度詳しい人も絡んでるわね」
私達は直に秘書艦娘執務室へと戻ると、鈴谷と熊野の素行調査を開始することにした。