艦これ《思い付くままに……》   作:屋根裏散歩

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提督の地位を追われた男と艦娘達ー①

「海軍少将 『大貫 正芳』貴様には選択肢をやる、提督を辞任するか逮捕されるか選べ」

 

俺は、先日抜き打ちで行われた会計監査報告で横領の罪をでっち上げられた、そして逮捕か辞任を選べと迫られたのだった。

 

「辞任で…」

 

俺は艦娘排斥派から身に覚えの無い罪で提督の地位を追われることとなったのだ。

 

「階級も少佐へ降格の上、芝浦ふ頭にある資料保管庫管理を命ずる」

 

俺は、降格と閑職への左遷辞令を受け執務室で受けた。

 

 

「提督よ見損なったぞ!まさか…隠れて横領や着服をしていたとは!!さっさと荷物を纏めて出ていってくれ!顔も見たくない!」

 

「……」

 

俺は長門に叱責されて執務室から追い出された

 

「さてどうするかな」

 

俺は官舎の駐車場に停めた三菱フソウのローザと云うマイクロバスを改造したキャンピングカーであるシリウス7.0イマジンを部屋から見下ろしていた。

 

「芝浦ふ頭迄車中泊で行くか…先ずは燃料入れておくか」

 

俺は、先ずは燃料を入れに行こうとした時だった、

 

「誰だ?」

 

インターホンが鳴らされ、俺はインターホーンの画面を見た。

 

「青葉か、どうした?」

 

俺の問いに、青葉が答えた。

 

「提督に対する対応が納得出来なかったから、私達も艦娘辞めちゃいました」

「私…達?」

 

俺は青葉の背後に目をやった。

 

「明石…お前…」

 

青葉の背後に明石が立っていた。

 

「私も艦娘辞めちゃいました」

 

どうやら俺が無実である事を信じてくれる奴らもいたようだ。

 

「みんなありがとう」

「提督…いえ正芳さん、私達もついていきます」

 

青葉達は、俺の新しい職場に配属をもぎ取っていたらしい。

 

「これが正芳さんのキャンピングカー…ですか」

 

明石が興味津々で見ていた、

 

「あぁ、青葉は持っているから問題ないが明石は免許持っているのか?」

 

明石に確認した。

 

「はい、私も大型免許を持ってます」

「そうか、なら各自服や私物の積み込みを」

「はい」

 

俺は青葉と近くのスーパーに食料品の買い出しに出掛けることにした。

 

「これくらいか…」

 

飲み物や軽食を購入し冷蔵庫へとしまった。

 

「正芳、電話なってるよ」

 

青葉が着信に気付いた。

 

「はい」

「はい、はい…その日程で」

 

それは引越し業者からだった。

 

「明日の午前中に段ボールの搬入、翌々日に搬出するそうだ」

 

俺は引越し業者からの内容を青葉達に話した。

 

「私達も急いで要る物要らない物を分けないとね」

 

青葉達は買い物から帰ったら一旦部屋に戻り引っ越しの準備を始めと言った。

 

「俺もまとめないとな」

 

俺達は不要物の整理を始めた。

 

翌日………。

 

「こんなものか…」

 

洋服や趣味の物を持ってきてくれた段ボールに仕分けると、一息つくことにした。

 

「正芳さん、どんな感じです?」

 

いきなり大淀がやってくると…まさかの名前呼びで荷造りを確認していた。

 

「聞いてませんか?私もいきますよ、ストラーダRは私と千歳が運びますから」

 

うん、俺だけ知らなかったのか…。

 

「わかった、ストラーダは陸送依頼しているから一緒に移動するぞ、2人とも中型持っているのか、持っていたら運転も交代できるし、一緒に仮眠も取れるしな」

 

大淀は待っていましたとばかりに頷いた。

 

「はい、2人とも中型持っています、そう言ってくれると助かります。」

 

そうしてやってきた出発の日。

 

「それでは、現地で」

 

大淀が神通達と何か話していた。

 

「なぁ…大淀さん、まだ他にも居るのか?」

 

俺の疑問に大淀は口に指を当てると、

 

「それはヒミツです」

 

とだけ微笑みながら答えた……ちくしょう可愛すぎだろ。

 

「基本的に移動時は前部の座席を使用する……就寝は大人5人寝れる、ダイネット部に2人と最後尾に3人だな」

 

俺は車内を説明した、

 

「凄い!」

 

大淀と千歳が目を輝かせていた。

 

「へぇ〜、本格的な冷蔵庫や電子レンジ迄あるんですね」

 

大淀が中央部出入口付近の冷蔵庫を見ていた、

 

「嘘!トイレもある」

 

明石が中央部出入り口前のマルチルームを開けて驚いていた。

 

「まぁ車載トイレは緊急時だな、高速で渋滞にはまったときとか、キャンプ地で悪天候で出れない時とかな…大抵は倉庫として使ってる」

 

俺は設備を説明すると、

 

「さぁ乗った乗った」

 

大淀と千歳が俺の車に乗ってきた。

 

「先ずはカー用品店でスペアキーを作製してから高速に乗る、運転は下道は俺と明石、高速に乗ったら100km毎のサービスエリアで交代で問題ないな?それと基本的にはサービスエリア毎に1時間の休憩を入れる、飯後は2時間、21時から朝の9時迄は仮眠休憩にする」

「はい!」

「それじゃ出発する、インターチェンジ迄は下道で行くから」

 

俺達は鎮守府を後にした…長門達の怨みの目を受けながら。

 

「大淀、インター入る前のコンビニで最終確認するから」

「了解」

 

俺達はインターチェンジ手前のコンビニに入った。

 

「明石は空気圧の最終確認を」

「はい」

「大淀と千歳はコンビニで軽食と飲み物を人数分適当に買っておいてくれ…アルコールは無しだからな」

「えぇ~…わかりました」

 

千歳…お前飲酒運転するつもりなのか!

 

「青葉は俺とバッテリーの充電状態を確認な」

「はい」

 

俺達は高速に乗る前の点検を始めた。

 

「空気圧問題なしです」

 

明石が報告してきた。

 

「こんなもんでいいですか」

 

大淀がおでんやアメリカンドッグ、中華まん、飲み物を大量に買ってきていた。

 

「サンキュー」

 

俺はテーブルに地図を広げると、

 

「先ずは其々にスペアキーを渡しておく…で、最初の休憩はこのサービスエリアにする、此処で昼メシを予定、それじゃ出発とする」

 

暫くの間下道を走るとインターチェンジから高速に入った。

 

「結構安定しているんですね」

 

助手席に座る青葉が話しかけてきた。

 

「足廻りから専用設計らしいからな」

 

後ろの明石達はカラオケを楽しんでいた。

 

「大淀、次のサービスエリアに入ります」 

「了解」

 

青葉が後ではしゃぐ大淀に声を掛けた。

 

「ウ~ン」

 

俺は降りると伸びをしていた。

 

「さて…サービスエリア毎に何か美味いものを…」

「ですよね」

 

俺と千歳は売店を物色することにした。

 

「食べたら少し寝ておけよ」

「は~い」

 

其々食べ終わると、仮眠をとった。

 

「それじゃそろそろ出発します」

 

俺から運転を代わった明石が千歳、青葉に地図で示していた。

 

「じゃぁ出発しま~す」

「は~い」

 

青葉と入れ替わりで大淀が助手席へと移動した。

 

「やっぱり広いですね」

 

青葉が後部ラウンジで寛ぎながら千歳と話していた。

 

明石の運転で次のサービスエリアへと出発した。

 

 

 

その頃鎮守府。

 

「皆さん、少し考えてみてください」

 

間宮が、講堂に集められた艦娘を前に静かに話し始めた。

 

「今回の件ですが矛盾だらけです、先ずは1番は横領しているのに逮捕じゃなくて辞任で許される…ありえません、そして先月監査部による2週間に及ぶ監査でも問題なしなのに、何故か今回の抜き打ち監査で開始直に見つかる…あり得ません、更に本来の監査部は今回の抜き打ち監査を知りません…皆さんおかしいと思いませんか?……そして法務部にも確認しましたが、大貫提督が横領したという事実はないそうです」

 

間宮の話に長門が口を開いた。

 

「どういう事だ、まさか…」

「そのまさかです、何者かが提督にありもしない罪を押し付けて鎮守府を乗っ取ろうとしたということです」

 

長門達は何とも言えない顔をした。

 

「だがしかし…いや…」

「残念ながら人事部には提督の辞任届が提出されていました…私と伊良湖ちゃん、衣笠さん、妙高さん、那智さん、足柄さん、羽黒さん、高雄さん、愛宕さん、隼鷹さん、鳳翔さん、川内さん、神通さん、夕張さんも大貫提督の新任地へ来月には異動します」

 

長門が驚きの顔をした、

 

「お前達…何故だ!」

「私達は大貫提督を信じていますから」

 

間宮達は、独自に調べ上げとある人物の不正を暴き、それを暴露しないかわりに大貫提督の元へ配属してもらえるようにねじ込んだのだった…まぁほとんど大淀が丁寧なお話し合いで(?)成立したそうだ。

 

そして大貫提督の車内へと話を戻そう。

 

「次は何する?」

 

カラオケ大会となっていた…明石に大淀、俺とくれば…アニソンや特撮ソングオンリーのカラオケとなる事は分かっていた。

 

「やっぱりこれだろ…レッツゴーライダーキック」

 

全員の声が見事に揃った…千歳が呆れてはいたが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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