「東雲警部、私の部屋まで来てくれ」
俺は日頃この豊洲分庁舎に居ることの無い猿渡警視から呼び出された。
「東雲警部、出頭しました」
俺は扉をノックすると室内に入った。
「わざわざ呼び出して済まない、この書類を見てくれ」
猿渡警視は機密と書かれた書類の束を俺によこした。
「ここで読んでも?」
「かまわん」
上官はそれだけいうと俺に背を向けて窓辺へと移動した。
「艦娘による暴動……………死傷者多数……………」
俺はその報告書を読み進めていくうちにある疑問を感じた。
「警視、質問が」
「何だ、私の把握している内容なら答えるが」
俺はその疑問を口にした。
「暴動ですが、艦娘全員ではないのですね」
「ああ、暴動に参加せず最後まで提督を護衛していた者もいたようだ」
其処までいうと猿渡警視は少し間を置き、
「東雲警部、〇〇鎮守府艦娘暴動事件の再調査を命ずる」
俺は猿渡警視からの命を受けると執務室へ戻ると部下全員へ30分後に会議室集合の指示を出した。
30分後俺が会議室へ入ると明石、夕張、青葉、衣笠、天龍、龍田、川内、神通、と部下の女性隊員は会議室に揃っていた。
「全員揃っているな、先ずは手元の資料を各自読んでくれ」
会議室には紙をめくる音だけが聞こえていた。
「よし、それでは次の任務について説明する」
俺は、会議室に備え付けのプロジェクターに資料を映した。
『〇〇鎮守府艦娘暴動事件
○月✕日 午後三時頃発生
警備並びに一般事務兵士に多数の死傷者
尚、明石、夕張、青葉、衣笠、川内、神通、間宮、伊良湖、鳳翔、時雨、夕立、陽炎、不知火、黒潮、大淀15名は暴動艦娘により大破もしくは鎮守府には不在の為難を逃れた』
簡単ではあるが概要を説明した。
「尚、鎮守府内での調査は俺と普通科で行う、明石達は艦娘病院に収容されている間宮達からの事情聴取を」
「警部、何故です?」
川内が質問してきた。
「簡単だ、暴動の原因が判らない以上二ノ舞はゴメンだからな……………午前中迄普通だった艦娘が午後には豹変して襲いだしたとなると、何らかの薬物若しくは誘導電波的なものが使われたのではと判断したからだ」
「解りました」
川内が納得したらしく、天龍にも説明をしていた。
「それでは、各員の分担を決める、明石と夕張は第一と第二分隊を指揮して病院に収容されている非暴動側の艦娘からの事情聴取を、第三分隊は一般職員からの事情聴取を、第四と第五分隊は俺と鎮守府内の調査にあたる、第六分隊は本部隊として情報の統轄を行う、指揮は青葉に一任する、調査開始は明日マルキュウマルマルとする、各分隊は準備出来次第出発以上解散」
部下達が一斉に会議室から退出していった、それから一時間前後すると地下駐車場から民間運輸会社に偽装された捜査車両が〇〇鎮守府へと向かっていった。