「残るは行方不明となっている艦娘達の件だけか……………」
俺はホワイトボードに貼られた写真を眺めていた。
「隊長、哨戒機隊と沿岸パトロール隊の責任者の方がおみえになりました」
青葉が俺を呼びに来た。
「おう、判った」
俺は別の会議室へと向かった。
「遅くなりました」
俺が会議室に入ると、年配の男がホワイトボードに貼られた海図を見ていた。
「あぁ隊長さん、こちらは地元漁協組合長の佐伯さんです」
パトロール隊の責任者が紹介した。
「はじめまして、組合長の佐伯です」
「特捜の東雲警部です」
俺は軍籍手帳と警察手帳を見せた。
「ところで警部さん…この海図ですが」
「この海図がどうかしましたか?」
佐伯が海図を見ながら何か言いたそうだった。
「はい、最新ではないですね……………此処と此処、あと此の位置に小型ですが座礁した輸送船が有ります」
佐伯は海図に書き加えていった。
「となると……………」
俺は携帯電話明石を会議室に呼んだ。
「明石直ぐに行方不明艦娘のデータを持って会議室に来てくれ」
「少し時間をください」
明石がそう云うと電話を切った、それから三十分後、明石が会議室にやってきた。
「遅くなりました、こちらです」
明石がリストを俺に寄越した。
「明石説明を」
明石がホワイトボードを前に説明を始めた。
「艦娘は洋上補給という概念が無いので補給艦娘からの洋上補給という点はありませんが、漁協長さんのお話にある座礁した輸送船にどれだけの物資が残っていたかによって話は変わってきます、この輸送船については現在海軍省に確認中です」
明石は一息つくと話を再開した。
「航続距離については戦艦艦娘の航続距離をもとに計算して……………」
明石がホワイトボードに貼られた海図に鎮守府を中心とした円を書き加えた。
「更に、この輸送船に燃料や弾薬、食料が残されていた場合……………」
明石はその輸送船を中心とした円を更に書き加えた。
「かなりの広範囲だな」
哨戒機隊隊長とパトロール隊隊長は唸っていた。
「輸送船に隠れているとも考えられるが……………虱潰しに捜索するしかないですか……………」
パトロール隊隊長が部下と何か話していた。
「隊長、座礁した輸送船の中でこの位置に座礁している物が最大の大きさでだそうです」
明石が漁協長からの情報を俺に話した。
「この輸送船だけは貨物は満載のままだそうです、残りの船は積み荷はからだそうです先程海軍省から回答がありました」
「積み荷おろしていないのか…」
「はい、理由までは聞いていませんが」
「そうか……………パトロール隊隊長、この輸送船を中心に捜索を開始してくれ」
俺は物資が残されたまま放置された輸送船を指した。
「物資が残されているなら拠点とし生活している可能性もありますか……………」
佐伯と哨戒機隊隊長も頷いていた。
おれは会議を終わらせると、猿渡警視に現在までの内容を書面にして提出した。
「もう一つ気になるのは、この座礁輸送船から少し沖合にある島だな、物資を揚陸させることが出来れば…」 「あっ隊長、行方不明艦娘の中に神州丸とあきつ丸が!」
青葉が行方不明艦娘のリストを見直して声をあげた。
「青葉、無線で沿岸パトロール隊に追加指示、この島を重点捜索対象とすると」
「了解です」
青葉が無線機を操作してパトロール隊に連絡を入れた。
「哨戒機並びにパトロール艦の補給完了しだい、開始とのことです……………ちょっと待てください、哨戒機から輸送船の写真が転送されてきました」
青葉が複数の写真データを俺に見せてきた。
「隊長、此処を見てください!」
青葉がある画像を俺に見せた。
「此処をズームします」
そこには船首に番号の記載がある大発が数隻輸送船の陰に隠されるように写り込んでいた。
「大発に記載されている番号から輸送船標準装備のものてはなく艦娘それも神州丸かあきつ丸のものと判断します」
哨戒機からの画像で事態に進展があった。