此れから話す事は、前回のお話で投降してきたヲ級達から聞いた話です。
その前に投降したヲ級達の事をお話しします。
基本的には戦闘出撃はさせません(流石に元とはいえ同胞だった者に銃は向けられないですよね)。
なので鎮守府の警備隊か事務職、間宮や鳳翔の店での調理師等をやってもらってます。
当然武装解除していて(駆逐艦も中身は艦娘と同じだった‼)一般職員の制服なので肌の色が白い以外は何ら変わりません、中には出撃部隊に同行して新たな投降者を連れてくることもあります。
今回の話は警備隊に所属したヲ級から聞いた話です。
それではヲ級さんお願いします。
よろしくお願いします。
あれはまだ警備隊員として配属が決まって間もない頃でした。
私とチ級そしてレ級が三人で現在は使用されていない建物の側を夜間巡回している時でした、建物の中から何か引き摺るような音と微かな声が聞こえました、当然異常として警備隊本部へ報告したのですが、隊長からそのまま確認の必要無し巡回続行の指示が来ました。
その時は指示に従い翌日他の隊員にも聞いたところ同じような答えが帰ってきました、皆一様に無視していたのです。私達はその事がとても気になり日中の空いている時間を利用してその建物を調べることにしました。
まず驚いたのは窓も入口もなかったのです、いや無いのではなくコンクリートで塗り固められていたのでした、誰も入れないように。
私達は提督に相談しました、彼はまだ心霊スポットがあったのかとさほど驚いていませんでした。
彼と一緒に資料室で過去の地図から何の施設なのか調べることにしました。
しかし地図には修理ドックとありましたが立地場所がとても不自然でした、本来なら港湾付近に在るべき施設がかけ離れた場所にあったからです。
その後の施設課の調査の結果、コンクリートで外壁を覆われた内部にドック以外の何らかの施設が隠されている事が判明しました。
提督は外壁の撤去作業を指示し一週間後に内部の調査を行うと発表しました。
外壁の撤去が終わり、内部調査開始の日が来ました。
その日は朝から戦艦、重巡艦娘以外の寮からの外出が禁止され多数の憲兵と手錠を掛けられた数名の男達が来ていました。
朝9時提督は私達と戦艦、重巡艦娘を集め恐らくまた遺骨やもっと気分の悪くなるものを見ることになるだろうと希望者のみ参加を許可すると作業内容を説明しました。
設備課による照明の設置と給排気設備の点検が終わったのを確認して私達は内部に入りました。
一階部分は、事務所と手術室と思われる部屋があり、二階は何かを研究していたであろう研究室がありました。
此処までは何の異常もなく進んでいました此処までは。
そして三階に上がった時でした、同行した長門と陸奥が突然激しい嘔吐を繰り返しだしました、二人は直ぐに医務室に行きましたが後から聞いた所、二階に降りた瞬間に収まったそうです。
問題の三階部分は、生体サンプルが大量に保管されていました、各内臓器官から全身に至るありとあらゆる物がホルマリン容器のなかに浮いていました。
驚いたのは、赤ん坊迄いたのです。
提督は人工的に艦娘を建造する交配実験もしていたのかと怒りを露にしていました。
そして遂に事件が起こりました、手錠を掛けられた数名の男達が全員激しく痙攣を始め、自らの喉を掻きむしって絶命してしまったのです。
同時刻、一階の手術室を調査していた班から何かを見たような慌てた無線が入りました、彼らは一階の手術室で見てしまったのです。
手足がなく芋虫のように蠢く女の幽霊を、彼女は彼奴を絶対に許さない地獄に引きずり込んでやると言って消えていったそうです。
この建物に残っていた怨念に取り殺されたのでしょうか?そして彼女達の無念は晴れたのでしょうか。
この日以降出なくなりました。
~後日談~
青葉の事件ファイル
謎の施設調査のあったその日、全国の軍刑務所に収監されていた人体実験の研究者が一斉に何かに怯えるような表情と苦悶の表情を浮かべ一時間以内に全員死亡した、
原因については不明。
青葉の個人的考査として人体実験の検体に望まずもされてしまい無惨な死を迎えた者達の祟りではないか。
提督業務日誌
本日また新たな過去の犠牲者の御遺体が多数発見された。そして当時の関係者が謎の死を迎えた。
恐らくまだこの地にはこうした御遺体が出てくる場所があるだろう。