「九十九泊地にて提督殺害未遂事件発生!」
俺は受話器を置くと大声で周囲に知らせた。
「今回は明石、神通、川内並びに青葉、衣笠のみで現地に向かう、明石の分隊のみ課員も…「1号指揮車を回して!」!」
俺が言い終えるよりも早く明石に部下に指示を飛ばしていた。
「残りは必要に応じて召集とする」
俺は明石以下と1号指揮車に乗り込むと九十九泊地へと向かった。
数時間後…。
「これにて捜査会議を終わる、明石と青葉は監視カメラ映像並びにセキュリティ関係の調べを、神通と川内は秘書官からの聴取、俺と衣笠は警務隊からの聞き取りを行う、以上解散」
其々が受け持ちの捜査を開始した。
「衣笠、行くぞ」
「はい」
俺は衣笠を連れて警務隊の事務所へと向かった。
「東雲警部お待ちしていました」
俺達が事務所に入ると、隊長と思しき士官がやって来た。
「事情聴取を始めたい、天龍姉妹を拘束した隊員を」
「はっ!おい」
隊長が後ろで事務仕事中の隊員3名に声を掛けた。
「昨日天龍達を拘束したのは自分達であります」
「会議室を借りる」
俺は会議室を借りると、3人に時系列で話をさせた。
「最初に通報を受けたのは?、それと時間は?」
「自分であります、時刻は18時50分でした」
警務隊員は手元のメモを見ながら答えた。
「時間に間違いはないな?」
「はい、丁度テレビで天気予報が始まるところでしたから」
俺は次の質問をした、
「で…天龍達の部屋に着いたのは?」
「18時54分でした、拘束する前に時間を確認していたので間違いはありません」
「そうか…此処から天龍達の部屋まで4分か…」
「通報後直ぐに向かいましたから、それくらいです」
俺が聴取をしている間、衣笠が秘書官の事情聴取内容の報告を受けていた。
「警部、今神通からの連絡がありました、天龍達は執務室を出ると艤装保管庫へ向かったそうです、時刻は18時49分」
俺は違和感を感じた。
「拘束時の天龍達の服装は?」
「私服で…提督の御子息と食事中でした」
俺の中の違和感が形になった。
「艤装保管庫から天龍達の部屋まで5分で行けるのか?しかも着替えまでして?」
同席していた警務隊長も首を傾げていた。
「保管庫側に向かったのなら戻ってこないとならない…経路は限られている…どの経路を使っても警備室の前は通らないとならないのに…誰もみていない…変ですね」
警務隊長も俺と同じ疑問を感じていた。
「それに提督御子息と食事中となると…此処の天龍達は無実の可能性がある…2人の身柄を拘束から自室待機とし必要に応じて捜査協力を要請するものとする、下手すると冤罪になりかねないからな」
俺は2人の身柄を解放させた。
「先ずは天龍を呼んでくれ」
「はっ!」
警務隊員が天龍を呼びに行った。
1号指揮車とは!
後部座席がサロンタイプの観光バスを使用した車両で車内前半は2人掛けシートが左2列(補助席無し)左側4列の合計10座席、車内中央付近は左側にレンジやギャレー、右側に冷蔵庫、そして車内後方には通信機器や映像装置を配し回転式2人掛けシートが2列4台と5人掛け最後尾シートを持つ移動指令室的な運用が可能な大型バスである。