「明石、2t車で入口扉を塞いでくれ」
私は明石にトラックをバリケードとして停めるように指示を出した。
「鳳翔と間宮は残りの食料をリスト化、霧島と神通は残弾の確認を」
私は次々と指示を出していった。
「夕張、工廠作業員の部屋を確認してくれ使える物は持ってくるように、念の為にこれ持っていけ」
私からショットガンを受け取ると夕張が陽炎達を連れて工廠3階の作業員寮へと向った。
「部屋の中にいる可能性もありますか…」
それから程無くして夕張達が戻ってきた。
「インスタント食品と寝具、飲料水がありました…それと作業員はいませんでした」
其れは私にも直に判った、何故なら一発の銃声もしなかったのだから。
「提督、窓の外を!」
見張りをしていた兵士が叫んだ。
「どうした?」
私と隊長が窓の外を覗いた。
「うじゃうじゃいますな…ですが、ただ彷徨っているだけのようですな」
窓の外のそいつらは目的もなく今は周囲を彷徨っているだけのようだった、だがその時だった、工廠外周に仕掛けたクレイモアが数個反応し爆発した。
「クレイモアに引っ掛かったか…新しいのを設置しないと」
「明石ドローンを飛ばしてくれ、偵察場所は鎮守府正面ゲート付近」
「了解です」
明石と夕張がドローンの準備を始めた。
「飛ばします」
夕張が工廠屋上からドローンを放った。
「ドローンからの映像来ます!」
私と隊長が明石の操作するパソコンの画面を覗き込んだ。
「鎮守府外には感染者いないようですが……荒廃の仕方が半端ないですね…ん?」
明石が何か見付けたようだった。
「何かあったのか?」
「サーマルカメラに複数の人間若しくは艦娘の熱源反応が!場所はゲート脇警備棟2階」
「提督、警備員詰め所のようです…ただドローンからの映像によると……1階部分は感染者が多数いるようです」
私は何か方法が無いかと思案した。
「提督意見宜しいでしょうか」
一人の兵士が意見具申してきた。
「構わない、この際だ意見のあるものは言ってくれ」
「はい、それでは……工廠の隣の倉庫は海軍陸戦隊が使用していまして……ストライカーICVが保管されていたはずです」
黙って意見を聞いていた隊長が口を開いた、
「ストライカーか……使えますな、何人か倉庫に行って使えるか確認してこい」
隊長の指示を受けた数名の兵士が夕張と共に隣の倉庫に向った。
「燃料が入っていればよいのですが…」
隊長は燃料切れを危惧していた。
「確認班から報告、ストライカー4台あり、燃料及び弾薬フル!エンジン始動良しとの事です」
私は指示を出した、
「バリケード替わりの2t車を外に出して、ストライカーを工廠内へ!」
そしてストライカー4台が工廠内へと入ってきた……、
「1台多くないか?」
入ってきたのは5台だった。
「最後の1台は16式じゃないか!」
最後尾は陸自の機動戦闘車だった。
「105mm砲…誰が乗っているのか?」
16式の各ハッチが開かれて4人の艦娘が降りてきた。
「提督、ご無事で…」
降りてきたのは最上と鈴谷、熊野、三隈だった。
「最上達も良く無事でいてくれた」
新たに最上達4人が加わった。
「ちょうどいいな、それではドローンのバッテリー充電が完了次第、警備棟2階で確認された生存者救助に向かう、誘導は夕張からの無線指示に絶対従う事」
「了解であります」
兵士達が装備品のチェックと車両への機材積み込みを始めた。
「念の為に脚立を2つ持っていきます、後は医薬品を」
ーーーー2時間ーーーー
「提督、ドローンのバッテリー充電終わりました」
夕張が報告してきた。
「それでは救出作戦を開始する」
2台のストライカーと16式が工廠からの出ていった。
先行するドローンからの映像を確認しながら夕張が車両部隊に進路指示を出していた。
「今の所障害物は無いか……」
車両部隊は問題無く警備棟へと到着した。
「これより2階を偵察します」
夕張がドローンを窓に近づけた。
「生存者確認!女性一般職員8名及び国後、択捉、占守、文月、瑞鳳、祥鳳を確認しました!」
夕張からの生存者発見の報告は現場にも直に伝わった。
「ストライカー2号車、前進2メートル…ストップ!」
夕張がストライカーの停車位置を正確に決めた。
「上の窓辺に固まっています、脚立を掛けて救助を!」
兵士達が素早く救助体制をとった。
「ストライカー2号車受け入れ準備よし!」
その合図を皮切りに次々と生存者がストライカーの車内に保護されていった。
それから直にストライカー部隊は14名の生存者と共に工廠へと帰還した。