「救出作戦完了、バリケード扉の開放を要請します!」
16式の熊野から帰還の無線が入った。
「周囲警戒おこたるな!バリケード開放」
少しだけ扉を開けて奴等の有無を確認すると車輌部隊を迎え入れる為にバリケードを開放した。
「提督、今戻ったよ……部隊に負傷者欠員なし、要救助者は確認出来た人員を連れ戻ったよ」
最上が帰還の報告をした、
「御苦労休んでくれ、間宮と鳳翔が昼飯を用意してくれている」
私は救助されてきた者達と向き合った。
「先ずは確認したい、奴らに噛まれた者はいないか?」
その次の瞬間だった、女性一般職員の一人が周りの制止を振り切って私に掴みかかると押し倒して平手打ちを往復でしてきた。
「私達が怯えている間…こんな所でヌクヌクと!あんた達が遅かったせいで!崇は……崇は…絶対に許さない!私はアンタの顔なんか見たくない、此処から出て行く!」
其れだけ言うと、バリケードの隙間から扉を勝手に開けて外へと出て行ってしまった。
「なっなっ何よ、自分勝手な事ばっかり言って!」
他の女性職員が呆れていた。
「提督すみませんがこれ以上規律を乱すものを連れ戻すのは…」
隊長が彼女を引き止めようとした私を制しした。
「崇と云うのは…彼女のなんと云うか…その……都合の良い男金づる的な感じでした…それを失ったんです」
同僚が説明してくれた。
一瞬暗い空気が流れたが、間宮が昼食の用意ができたと呼びに来たのでなし崩し的にこの話は終わりとなった。
その後この女性は姿を見たものはいなかった、恐らくは敷地外に出て人知れず奴等の餌食となって屍を街で彷徨わせているのだろう。
「400名以上いた人間が……6分の1か…辛いな」
「見方を変えればよくこれだけ生き残れたとも…」
私と隊長がボソリボソリと呟いていた。
「提督、まだ諦めては…何処かで生き残った娘達がまだいるかも知れません、引き続きドローンによると調査を継続しましょう」
私は隊長の言葉に同意すると、明石と夕張にドローンによる調査を継続するように指示した。
「提督、隊長、意見具申宜しいでしょうか」
一人の兵士が私と隊長に意見具申してきた。
「今は遠慮なく意見を出してくれ」
「はっ、それではストライカーによると市街地への生存者調査と偵察及び物資確保を行うべきかと、可能であれば市街にて大型トレーラーを確保して輸送並びに避難車輌とするのはどうでありますか?」
私は兵士の案を了承した。
「確かに今の処は食料及び医薬品も足りて入るが今後のことも考えれば必要だな、よしそれでは明日より市街にて生存者捜索並びに必要物資の確保を開始する」
そう言うと、私はテーブルの上に市街地図を広げてコンビニ、スーパー、衣料品店、薬局、病院、各種物流センターをピンで示していった。
ーーーー翌日ーーーー
私は兵士と一部の艦娘を前に作戦を説明した。
「みんな見てくれ、赤いピンがコンビニとスーパー等の食料品店、青は衣料品関係、黄色が薬局並びに病院だ、緑はその他の物流センターとなっている、優先は物流センターで使えそうな大型トレーラーを確保してもらいたい、これはいざとなった場合、生存者の輸送にも使えるからだ、次は食料と医薬品を同時とする、こちらは可能な限り回収してくれ、尚食料品についてはレトルト品、袋菓子、缶詰等の保蔵可能な物を、生鮮食料は恐らくは傷んでいるので野菜以外は無視してほしい、冷凍食品は解凍の有無を確認の上で回収を飲料水はペットボトル入のミネラルウォーター又は有ればウォーターサーバーも回収してほしい、医薬品については消毒液及び正露丸、包帯、絆創膏、ガーゼ、抗生物質、解熱鎮痛剤を優先して回収してほしい」
私は全員を見渡した。
「えっと私が同行しますので医薬品については私が指示を出します、宜しく願いします」
明石が頭を下げた。
「食料品は私が選別致しますのでお願い致します」
続いて鳳翔が挨拶をした。
「護衛は任せてネー」
金剛姉妹と陸奥、愛宕と高雄が手を挙げた。
「それでは駆逐艦と海防艦の娘達は間宮と伊良湖のサポートを、それ以外の娘達は工廠の防衛を!」
「はい」
全員が一斉に動き出した、そして4台のストライカーが一斉に市街へと向かっていった。
「隊長は私と来てくれ、ドローンを使って鎮守府内を調査する、必要とあらば16式にて現地にも確認に向かう」
私はそう言うと夕張にドローンによる調査を再開させた。