「私もいいですか」
青葉と執務室に戻った私に大淀がやって来た。
「大淀のはどんな話だい」
私は大淀と青葉にお茶を煎れると話を聞いた。
「司令部棟東階段最上階の話なんですが…」
まぁこの段階で話の内容は大体見当がついた。
「よくある十三階段的な話かな」
大淀は頷いた。
「他は知りませんが、十三段目を数えると十三日以内に何かしらの不吉なことが起きると聞いています…」
私は大淀の言葉に少しだけ戦慄した。
「だが、いままで何かあったとは聞かないけど……」
私は首を傾げた。
「実の処は、然程大きな不幸では無いみたいです……」
大淀がクスクスと笑いながら答えた。
「それならば実際に数えてみるか…」
私は青葉、大淀と問題の階段へと向かった。
「この階段です」
私は数えることにした。
「1……2……3……4……5……6……7……8……9……10……11……12……嘘だろ!13…」
私はもう一度数えた、だが結果は同じで13段あったのだった。
「提督の身に不幸が……」
大淀と青葉は驚いた様な顔をしていた。
不幸は意外と早くやって来た。
「おかしいなぁ、限定のプリンないぞ」
私が青葉と食べる為に朝から並んで買った数量限定のプリンが無くなっていたのだ。
「えー、提督楽しみにしてたのにぃ」
青葉が口を尖らせて拗ねていた、そんな時だった。
「提督、ご馳走さまでした」
不幸姉妹と渾名される扶桑姉妹がプリンの空容器を手に何やらお礼を言ってきた。
「……しまった、間違えて秘書艦用の冷蔵庫に入れてしまったのか」
つまりこんな感じの極軽い不幸が起きるらしい。
「だから然程気にしてなかったのか…この位で済んでいる内は放置するけど、これ以上に被害が大きくなれば階段の使用禁止も視野に入れるとしよう」
私は当面様子見とする事にした、その後も扶桑姉妹や陸奥に何かしらの幸福が舞い降り、その分誰かが小さな不幸に見舞われていた。
ーーーーーーーーーーオチーーーー
「13段あるぞ!」
私は再度数え直した。
「そんな馬鹿なことが……」
青葉と大淀も数え直した。
「12段しかないですね??」
つまり私にだけ13段目が見えていたのだ。
「あのぉ提督……申し上げにくいんですけど……」
大淀がとある場所を指差しながら俯いていた。
其処は屋上に出る為の扉の前にある段差だった。
「提督…これを一段って数えてますよね?」
私は頷いた。
「これは除いてください!」
私は一段数え間違えていたのだ…。
結局12段で間違いなかった、私が勝手に付け加えた屋上出口の段差を別としたら。
「提督、お約束のギャグはやめてください」
大淀に怒られてしまった。