「それでは実験室側の捜査を開始する」
東雲警部が捜査員を前に宣言した。
「東雲警部、当方から医師免許を持っている扶桑、山城、明石と看護師免許所持の夕張と北上を同行させますがよろしいですか」
私は元医師と元看護師であった艦娘5名の同行を提案した。
「それは願ってもない助かります」
私からの提案は承認された。
「では開始」
我々は施設内へと入っていった。
「この部屋で被害者の遺留品が見つかりました」
龍田が室内を説明した。
「しかし…衣服が綺麗すぎるな、なんというか無理矢理脱がされたではなく自発的に脱いだ…そんな感じだ」
私は壁際に並んだロッカーの一つを開けると、その中に残されていた衣類を見た。
「確かにそうですね…やはり騙されてですかね」
東雲警部も綺麗に畳まれている下着類やハンガーに掛けられた洋服を見た。
「此処が更衣室となると、次な来る部屋は診察室だな」
東雲警部がとなりの扉を指さした。
「何が出るか………」
私と東雲警部は診察室の扉を開けた。
「カルテが残されているようですね」
東雲警部が机の上に無造作に置かれたカルテを手に取った、
「新薬の臨床試験は嘘でしたか…」
カルテには被験者本人が書いたであろう問診票と、これから行う人体実験の計画が挿まれていた。
「我々は先に進みましょうか」
東雲警部と私は診察室の捜査を部下に任せると、更に下層へと向かう事にした。
「此処はどうやら被験者達の部屋のようですね」
東雲警部が手近な部屋の扉を開けた。
「私物が残されているようですね」
備え付けの机に本やノートが置かれていた。
「これは…」
東雲警部がノートを開くと少し読んでいた。
「………から体が痒い、ご飯を食べても空腹…」
「………にく食べたい…」
「めのまえのにんげんたべた」
東雲警部が私にノートを渡してきた。
「提督、これをみてください」
私は渡されたノートを読んだ。
「これは………一体何が…」
ただ言えることは、互いに相手を食べようと…いや食べたようだった。
「提督…恐らく生存者は…」
流石に東雲警部も言葉がでてこないようだった。
私と警部は被験者部屋を出ると、更に下にある手術室と思われる部屋が並ぶエリアへと足を踏み入れた。
「この部屋は…どうやら検体保管庫のようですね」
東雲警部が棚に並んだ液体の中に臓器が入れられた沢山のガラス容器を指さした。
「解剖迄されているのか…酷すぎる」
私はあのモニターに映った少女の霊はこれを見つけて欲しかったのではないかと…そう考える事にし、私と東雲警部は最下層である八層目に降りた。
「提督!」
東雲警部が大きな声を出した、
「遺体保管庫…だと」
扉のプレートにそう書かれていた。
「扉開けます」
我々に同行していた特捜の明石がそう言うと、扉を開けた。
「この部屋でいったいなにが…」
室内は壁の至る所が何かで引き裂かれた様な傷が至る所に付いていた。
「爪?」
特捜の明石が壁の傷を観察しながら呟いた。
「明石、危ない!」
私は明石の背後に近づいてきた腐乱死体の様なそれを銃で撃った。
「これなら」
東雲警部がそれの頭部を銃撃した。
「至急、至急、各捜査員は周囲を警戒せよ、正体不明な何かが存在している、頭部を破壊しない限り活動を止めない、警告無用で撃て、繰り返す………」
東雲警部が無線で全捜査員へ警告を飛ばした。
「残念だが…もはや生き残っているという可能性はなくなったか…」
東雲警部が射殺した腐爛死体を検証しながら誰と無く呟いた。