「提督、集合終わりました」
ノースカロライナが報告した。
「では、これより工廠内の捜索活動を開始する、掛かれ」
ノースカロライナ以外の者は其々に散っていった。
「こちらオクラホマ、エンタープライズこれより資材庫の調査に掛ります」
オクラホマから連絡が入った。
「こちらアリゾナ、ネバダですこれより艤装保管庫の調査を開始します」
アリゾナとネバダから報告が入った。
「フッドとレパルスですわ、これより工廠地下のボイラー室の調査に取り掛かりますわ」
フッドとレパルスがボイラー室の調査開始を報告してきた。
「それでは、私とブルックリン、シカゴは工廠の此処を調査しましょう」
ノースカロライナがスクラップや大量のガラクタが積み上げられた整備場を調査することになった。
「今の処はなにもないですね」
私の隣で明石が小声で話し掛けた。
「そうだな………」
この時、私の中で言い表せない不安を感じていた………。
「提督、艦娘を1名発見!」
シカゴからいきなりの無線を聞いた。
「シカゴ、それは生存者なのか?」
私は焦る気持ちを抑えつつ確認した、
「残念ですが………遺体です、しかし気になる点が有るので報告しました、出来れば確認を…」
シカゴが歯切れの悪い報告をしていた。
「気になる点?………わたかった、これから向かう」
私と明石はノースカロライナと整備場へと向かった。
「シカゴどこだ」
私はシカゴに聞いた。
「こちらです」
私と明石はシカゴに案内されて艦娘が発見された場所へと向かった。
「気になるというか、不自然なのです」
そう云うとノースカロライナが掛けてあったシーツをどけた。
「夕張………」
其処には胸に大きな穴を開けた夕張が横たえられていた。
「て…」
明石も言葉が出なかった。
「ノースカロライナ、この胸の穴は?」
私はノースカロライナに胸の穴について確認した、
「あくまでも私見ですが………鎮守府棲姫によるものでは無いようです…」
私と明石、ノースカロライナが胸の穴について考えていると、
「提督、総員撤退の指示を!」
ネバダから切迫した通信が入った、その背後で銃声が鳴り響いていた。
「ネバダ、何があった、報告「正体不明の生物の襲撃を受け撤退中、尚当該生物は強酸性の体液を………」を」
私は直ぐに決断すると、
「護衛艦隊総員に告げる、速やかに撤退せよ、敵との交戦は可能な限り避けよ!」
折返しで全員から了通信があった、ネバダとアリゾナはどうやら無事だったようだ。
私達は一旦高速艇に退避すると、
「一旦セーフハウスへ撤退する、鎮守府より何も持ち出すな」
鎮守府の現状写真を撮影すると、セーフハウスへと退避した。
「ノースカロライナ、セーフハウスに帰還したら全員を会議室に集めてくれ」
「了解しました」
「セーフハウス大淀とれる?」
「はい、こちら大淀どうかしましたか?」
「鎮守府で問題発生、現在帰還中です…私達帰還後全員を会議室にとの提督命令です」
「大淀了解です」
ノースカロライナが大淀に通信をしていた。
其れから一時間後我々はセーフハウスへと帰還した。
「全員集まったな」
私は会議室を見廻した。
「先ずはこれを見てもらいたい」
私は夕張の遺体写真を映した、当然の事だがすすり泣く声が至るところからあがっていた。
「注目すべきは胸のところだ、内側からなにかに食い破られたような穴が空いている………それと、レパルスが見つけてきたこの化石卵のような物体だ」
私はレパルスが工廠地下のボイラー室で撮影した何かの写真を見せた、
「提督、何かの化石?ですか」
衣笠が写真を見ながら聞いてきた、
「見た目はな…そうちの2個は、最近中から何かが出てきたような外観たったそうだ」
私は少しの間を置くと、次はネバダが交戦した謎の生物の写真を映した。
「な…何なんだよ、これ!」
天龍が震えながら指さした。
「全く解らない………唯一解ってるのは強酸性の体液を持つ事と好戦的性格であることくらいだ…」
私は画面に映し出されている、得体の知れない生物を睨んだ。
「ひょっとしたら………姫様がご存知かも、提督、通信の許可を!」
バターンが北方棲姫なら知っている可能性があると通信の許可を求めてきた。
「何か分かる可能性があるなら許可する」
私からの許可を得ると直ぐに北方棲姫へと連絡を取り出した。
「こちらヲ級65189、繰り返します、こちらヲ級65189級、姫様応答してください」
「………」
「………」
「………こちら北方艦隊、ヲ級65189元気なようですね」
「至急、姫様にお取次ぎを、緊急事態です」
バターンが至急を繰り返しながら取次を頼み込んでいた。
「なんですか、騒々しい」
その人物は唐突にテレビ会議に出てきた。
私はバターンと替わって画面に映る位置にたった、
「いきなりで申し訳ありません、私は鎮守府で提督をしていた者ですが、鎮守府内に謎の生物が発生し壊滅しました、ヲ級さんの話ですと姫様がこの生物について御存知の可能性が有るとのことでしたので、失礼とは思いましたが連絡を取らせていただきました」
私の説明を聞いた北方棲姫は、
「その生物の写真はありますか?」
と静かに聞いてきた、
「はい、こちらに」
私はバターンにカメラの前に持ってこさせた。
「鮮明でなくてすみません」
「いえ………これは………他に何かありましたか?」
北方棲姫が他に有ったものを聞いてきた。
「後は卵らしきものが多数有りました」
北方棲姫はその写真を見ると、静かに口を開いた。
「ビッグチャップ………何で…また…」
私は北方棲姫が口にしたビッグチャップという名前が気になった。
「提督、鎮守府に行かれたとおっしゃいましたが卵を発見した際に何かに襲われるか襲われたような遺体はありませんでしたか?」
「はい、フッドとレパルス…タ級戦艦2名が発見しましたが、接近せずに撮影したとのことですので被害は無いとのことですが………それと胸を内側から食い破られたような遺体が…」
北方棲姫は少し考えると、
それなら問題ないでしょう…………遺体については、チェストバスターによるものでしょう」
私その生物の正体について聞いてみた、
「そうですね………我々に古くから伝わる伝承なので、私共も何かは解りませんが、ただこの地球上の生物でないことだけは確かです………私共も、其れに仲間を沢山殺されました」
北方棲姫の表情が曇った。
「そうですか…貴重な情報を有難う御座いました、それでは失礼いたします」
「………こらからもこの生物についての情報交換の為に、このチャンネルは開けておきます」
北方棲姫からとてもありがたい提案を受けた。
「助かります、こちらこそ宜しくお願いします」
私は北方棲姫とのテレビ会議を切ると、
「少なくとも深海棲艦にも同様に多大なる被害を与えている謎の生物がいる事が判明した………よって鎮守府の立ち入り調査は今回を持って終了とし以降は立入禁止とする」
私は大本営報告書を作成すると提出した。
しかし、大本営は私の報告書を無視し鎮守府へと調査の艦娘艦隊を差し向けたのだった。