「あの生物はいったい…」
私は鎮守府を壊滅に追い込んだ謎の生物の事を考えていた。
「提督…」
大淀が心配したのか声を掛けてきた。
「ああ大淀か、済まない」
私はネバダやレパルスが撮影したそれの写真を机の上に置いた。
「提督、失礼いたします」
ノースカロライナが入ってきた。
「大本営からの調査報告書のコピーが来ました」
私はノースカロライナから封筒を受け取った、
「私の報告を無視して調査艦隊を送り込んだ挙げ句に………生存者数名を残して壊滅か…まぁ救いはあれを持ち帰らなかったという事と撃退した事だな…」
この時、私は知らなかった大本営の調査艦隊が卵を…いや生存者が寄生された状態で帰還中であることを。
「提督、大本営から至急電文です」
青葉が執務室に駆け込んできた。
「何事か!」
「鎮守府調査より帰還中の輸送船『のすとろ丸』が音信途絶、発見次第…その」
「その何だ」
「撃沈せよ、生存者の有無に拘らず、救助不要速やかに撃沈せよ」
私は卵の存在を思い出した…。
「あいつら…成体は無理でも卵ならと持ち帰っていたのか!」
私は、直ぐに指示を出した。
「全員に通達する、『のすとろ丸』を発見次第撃沈とする、間違っても救助を考えるな、乗員は既にアレの餌食となって全滅したものと決定が下さ「追加電文!のすとろ丸に於いては、沈没が確認された生存者無し、繰り返します沈没が確認された、生存者無しです、それと漂流物には手を出すな、全て砲撃処分とせよです」………」
どうやら生き残った乗員の手によって自沈したようだった、積荷の砲撃処分とせよか………どうやら大本営もアレの恐ろしさを理解したようだった。
「ですが、提督………アレは一匹だったのでしょうか、卵の数から見ても、複数存在してもおかしくないよう思えますが」
ノースカロライナが冷静に考えていた、
「確かにな………これだけの卵なら」
その時だった、
「提督さん、とれますか?」
北方棲姫からのテレビ通話が鳴った。
「はい、いかがなされましたか」
「実は、部下に伝承を調べさせたのですが、アレの種族名は無くて、ただエイリアンとしか記されていませんでした、後は、クイーンと呼ばれる個体が存在している、其れが卵を産み付けていると云うことですが、前回見せていただいた写真の個体はクイーンではありません、いうなれば兵隊アリみたいなものです、恐らくは鎮守府内の何処かにクイーンが存在しています………」
北方棲姫はこれだけ言うと数枚の古文書の写しを送ってくれた。
「明石、至急執務室迄」
私は明石を呼び出した。
「明石参りました」
「明石、至急長距離無人偵察機を鎮守府へ向けて飛ばせ、目的は卵の発見現場周辺の撮影だ」
明石は敬礼すると直ぐに準備に掛かった。
数時間後………無人偵察機が帰還した。
「此処を見てくれ…何か生物的な腹部が映っているように見えるが…」
私は1枚の写真の隅を指差した、
「確かにこの写真をよく見ると、この隅っこに何かブヨブヨした何かが微かに写っているな」
ノースカロライナも写真を覗き込むように見ていた。
「これですか………なんというかイモムシのお腹みたいな」
自分で言って嫌悪感を覚えたらしい、とても嫌そうな顔をしていた。
「出来れば撃退されていてほしいところですね」
大淀が希望的な言葉を口にしていた、これは同時に全員も同じ事を願っていた。
のすとろ丸………エイリアン一作目のノストロモ号からつけました