鎮守府での謎の生物との遭遇から3日後
「提督、ドローンの準備が完了しました」
明石が執務室に報告してきた。
「北方棲姫さんからの情報だと水に弱いとのことでしたので、水中型と陸上型の2種用意しました」
私は明石と艤装整備場へと向かった、
「こちらになります」
明石が平べったいエイのようなドローンを指して説明を始めた。
「先ずはこのドローンで鎮守府近海まで接近します、一応マイクロ魚雷と格闘用のクローアームを装備しています、こちらは任務終了後回収です、稼働時間については72時間となります」
私は明石の説明を聞いた。
「続いて、陸上型のドローンですが、下半身は無限軌道の戦車型を採用し、上半身は人型となって、このモーショントレースシステムで制御します、こちらの稼働時間については、鎮守府の電源を使用しますので、長期の稼働が可能です、最悪はデータを母船に転送して廃棄もありえます」
私は明石の説明を一通り聞くと、
「判った、それではこれよりドローンによる再調査を開始する」
明石が敬礼すると空き部屋を利用して急遽作られたドローン制御室へと向かった。
私もその後に続いた。
「水中型ドローンは私が操作するよ」
北上がオペレーター席に座っていた………当然だろうか大井も張り付いていた。
「北上さんに危険はありませんよね、提督?」
「遠隔操作だから危険は無い………はずだよな明石?」
私はそのまま明石に振った。
「遠隔なので危険はありません、それじゃ、北上さんお願いします」
「ほーい」
北上がドローンを操作しだした。
「このドローン水中速度かなり速いね」
北上がその速度に驚いていた。
「水中高速性を重視しているのでエイのような形状にした影響ですね」
「ふーん、なんか昔のロボットアニメで観たことあるようなデザインだよね、何だっけ…えっーとグラなんとか」
北上君も見ていたのか、
「グラブロだろ多分」
私も思わず名前を出してしまった。
「提督も北上さんもよくご存知で…そのとおり、因みに地上ドローンはザクタンクだったりします」
道理で観たことあるようなデザインだと思ったよ。
「提督、あと20分程で鎮守府連絡艇桟橋に接舷します」
「判った、陸上型ドローン揚陸後は直ちに沖合待機とせよ」
「ほーい」
北上がひらひらと手を降って了解とした。
「失礼します」
それはいきなりだった、
「えっ」
私の背後に北方棲姫が立っていた、
「オッス、オラヲ級!」
随伴のヲ級が何やらわけのわからない挨拶をしていたが………。
「鎮守府にドローンを向かわせているとお聞きしたものですから」
北方棲姫が丁寧に答えた。
「こちらとしても丁度良かったです」
伝承とはいえアイツラのことを知っている者がいてくれるのは心強かった。
「提督、上陸するよ〜」
北上が陸上型のドローンを上陸させたところだった。
「明石〜あとよろ〜」
「任されて」
明石が器用にドローンを操作していた。
「明石、そこの角を左に」
フッドが指示を出した、
「そのまま真っ直ぐボイラー室迄進んでください」
「了解」
フッドの道案内の元、明石がドローンを進めた。
「そのままボイラー室に入ってください、突き当り右側の階段を降りてください」
明石のドローンがクローラを器用に操り階段を下っていった。
「明石、周囲の壁を………」
私はドローンのカメラから送られてきた画像を見て驚いた。
「ボイラー室地下の壁ってこんなにも………有機的なものだったか?」
「………まさか、普通の壁って何これ、こんなの………」
明石も北上も言葉が出てこなかった。
「間違いありませんね、無数の卵…エイリアンクイーンの巣です…この奥に居ます…」
北方棲姫が教えてくれた。
「提督、この部屋です」
フッドが卵を見つけた部屋だと教えた。
「………クイーンの姿はないようです、見てください」
北方棲姫が部屋の奥に放置された産卵管を指さした。
「恐らくは何者かの襲撃を受けて産卵管を切り離して襲撃者を追いかけたのでしょう…でも一体どこに………」
私達は言葉が出なかった。