「クイーンは一体何処に…」
私達はクイーンを探すことにした。
「産卵管を引き千切ってまで追いかけた相手なんて………」
北方棲姫が首を傾げていた、
「すいません、私が卵を見つけたときは地下ボイラー室はにクイーンの姿はありませんでした」
フッドとレパルスが頭を下げた。
「二人共気にするな………とはいえクイーンは何処に消えたのだ…我々の撤退後にやってきた大本営の奴等と交戦して…」
それまで黙っていたヲ級が唐突に口を挟んだ。
「見てください、部屋の入口付近の卵が数個無くなっています、何者かが持ち出したとしか思えません、飽くまでも予想ですがクイーンは卵を持ち出そうとした何者かを追い掛けたのではないでしょうか」
ヲ級の話は辻褄が合う内容だった。
「それじゃあ………のすとろ丸の沈没は、卵を取り戻そうとして………」
大本営は卵を持ち出そうとしてクイーンの追跡を受けて、のすとろ丸に乗り込まれてクイーン諸共に海底に沈んだということだった。
「楽観は出来ません、アレの卵は私達か艦娘の生体反応に感応して羽化します、ただ成体となった場合は、人間も無差別に襲います」
ヲ級がさらにアレの生態を説明した。
「我々の祖先もアレに追われて陸地から海へと追われたのです」
北方棲姫が深海棲艦の誕生の謂れを話した。
「………となると、鎮守府に於いて産卵したあの卵はなんとしても駆除しないと、深海棲艦、艦娘、人類にとって最悪の強敵となるということか………」
私は一人呟いた。
「成体や幼体は体液の性質上水を嫌いますが、卵は殻で覆われているので水は効果がありません………効果的なのは、かなりの高温で焼き払うことしかありません」
私はヲ級に高温について聞いてみた、
「火炎放射器程度でもよいのか?」
ヲ級は少し考えると、
「そうですね………それで問題ないかと」
私がヲ級と卵の処理方法を話していた時だった、
「提督、鎮守府棲姫を発見しました」
大井が報告した、
「やはりか…」
ドローンのカメラに映し出された鎮守府棲姫もまた胸部を内側から食い破られていた、其れを見た北方棲姫が口を開いた。
「恐らくは最初の犠牲者でしょう………アレは最初にクイーンとなると個体から誕生しますから、そしてそこから多数のビッグチャップを産み出します…あとは見てのとおりです………」
「先ずは卵の駆除から始めるか………大井、すぐに元帥へ連絡して鎮守府への立ち入りを厳禁を徹底させるように」
「はい」
大井が通信室へと向かった。
「残りの者は、近隣の陸自へ火炎放射器の貸出を要請」
私は矢継ぎ早に指示を出すと、一息ついた。
「北上、今のうちに休憩を取っておけ」
「ほーい、大井っち、お茶しよ」
ドローンのコントロールデスクから立つと、大井と飲み物を買いに出ていった。
「明石も少し休憩を」
私は青葉に代わるように指示を出すと、明石にも休憩を取らせた。