「提督、旧鎮守府工廠跡地で見つかった、鎮守府棲姫の日誌です」
それは旧鎮守府を更地に戻す際に、調査部隊による各施設の徹底した調査が行われその際に発見された。
「鎮守府棲姫…日誌をつけていたのか」
「はい、もとより管理側の深海棲艦でしたので」
私はノースカロライナから日誌を受け取ると目を通した。
「やはりな………」
日誌には、艦娘を深海棲艦化させていった経緯が記載されていた。
「最初は拿捕に向かった金剛達か…、次は人質となっていた陸奥や駆逐艦娘…あとは次々と増やしていったと………」
私が日誌を読んでいると、
「あと夕張さんの部屋で見つかった、提督宛の日記です」
ノースカロライナが一冊のノートを鞄から取り出すと私の机に置いた。
「内容は調査部隊による確認が行われていはいます」
私はノートをひらいた。
『提督がこの日記を読んでいる事を期待して
金剛さんがあの深海棲艦を拿捕してきてから、様子がおかしくなってきて………提督を毛嫌いしたり、人間は害悪だとか…鳳翔さんまでもが提督は殺すべきと言い出してます…………。
最近霧島さんの額に角が生えてきている。
比叡が泣き叫ぶ駆逐艦娘を引き摺って何処かに連れて行った
私の番みたい、霧島さんが呼んでいる。
今日、金剛さんからキスされた…金剛さんの趣味って
なんだろう金剛さんとキスしてから…提督の事が……
ー中略ー
最近鎮守府内で変な生物の死体を見ることが多くなった、私も昨日何か変な生物に張り付かれた。
もう意識を保てない…提督ごめんなさい…胸が痛い、何かが胸の中にいるみたい』
夕張のノートは此処で終わっていた、
「………」
私はノートを閉じると、
「済まない、少し一人にしてくれ」
ノースカロライナは私の意図を汲んで退室していった。
「夕張………」
夕張が残したノートの内容により、あの日以降鎮守府で起きていたことが解明された。
私はノースカロライナと大淀、明石を呼んだ、
「ノースカロライナ、大淀、明石は執務室に」
程なくして3人が執務室にやって来た。
「ノースカロライナ入ります」
「入れ」
私はノートを明石に渡した、
「提督これは?」
「夕張の残したノートだ」
明石がノートを開くと大淀と読んだ。
「これは!」
「ああそうだ」
明石の表情が何時になく険しくなっていった。
「そんな…なってことなの…酷すぎる」
恐らくは駆逐艦娘の事を書いている辺りを読んだのだろうか、大淀が静かに眼鏡を外しハンカチで目元を拭っていた。
「………夕張さんとしての自我が残っていたのですね」
ノースカロライナが口を挟んだ。
「そうだな、夕張の姿で最後を迎えられた彼女は幸せな方だな………」
私はエイリアンに胸を喰い破られ絶命していた夕張の姿を思い出していた。